かゆみなどの皮膚疾患に対する鍼灸治療養生灸のススメ

category : 鍼灸治療 2012.2.17

鍼灸治療では

皮膚がかゆくて困ってしまったことはないでしょうか。このような皮膚のかゆみはすぐに治まればいいのですが、長い期間続くような場合には生活の質(QOL)の低下を招くため、治療をしておく必要があります。鍼灸治療でも治療することができるので、今回は皮膚疾患に対する治療について考えていこうと思います。

なぜかゆくなるのか

まずは、かゆみが起こる仕組みについて簡単に書いておきましょう。

かゆいという感覚は神経を通して脳で感じています。しかし、かゆみを感じる神経というのは厳密にはありません。実は痛みを感じる神経に弱い刺激が加わることでかゆみを感じているのです。

鍼灸治療は痛みに対して非常に効果のある治療法ですので、同じようにかゆみに対しても効果が現れます。

治療によって神経の興奮を抑えることで、脳がかゆみを認識しにくくなるようにしていきます。

皮膚疾患に対する特効穴

それではどのようなツボを使って治療していくのか見ていきましょう。

鍼灸治療で使うツボには、かゆみ以外にも皮膚疾患全般によく効くツボがあります。

肩尖(けんせん:鎖骨と肩峰の関節の間、圧痛点にとる)」が効果的で、ここには灸をしていきます。この肩尖のツボは関節の辺りを押さえていき、一番圧痛が強いところを使用します。このツボに半米粒大のもぐさを立てて点火し、それを熱さを感じるまで何壮も灸していきます。

もぐさに点火した時にはツボのまわりの皮膚を指2本でギュッと押さえつけることで、熱さが感じにくくなります。最初はこのような方法で灸をしていき、灸の灰がたまってきたら、指で押さえるのをやめてどんどんすえていきます。このように灸をしていき、熱さを感じるまで灸をすることで皮膚疾患に対する治療効果が高まります。

この肩尖への灸は、直接皮膚にしていきますので、灸の痕が残りますが、灸を止めればこの後は消えていきます。注意したいのは、なかなか熱さを感じにくいからといってもぐさの大きさを大きくしないことです。無意識のうちに大きくなってしまうことがあるのですが、あまり大きくすると痕が大きくなってしまい、消えるまでの時間が長くなってしまいます。大きくしたからといって治療効果は変わりませんので、米粒の半分の大きさで灸して行きましょう。

老人性皮膚掻痒症アトピー性皮膚炎によるかゆみのほかにも、日焼けや虫刺され(ダニ)などのかゆみに対しても効果があります。かゆみが治まるまで灸を続けましょう。

足のツボも使う

肩尖のほかにもかゆみによく効くツボがあります。

かゆみは東洋医学での「気血水」の考え方から「血」が不足する「血虚」で起こる場合があります。この「血」は五臓六腑のうち「肝」と深い関係があるとされており、この肝の働きを整えることでかゆみを改善することが可能です。

人体にはツボの通り道として「経絡」があり、そのなかに肝と関係のある「足の厥陰肝経」があります。この肝経の中でもかゆみなどの皮膚疾患によく効果のあるツボとして「中封(ちゅうほう:内くるぶしの前1cm)」があります。

中封に対しても灸を使うのがよいでしょう。肩尖は自分ですえにくい場所でしたが、中封ならば足首にあるツボなので自分で普段から灸することもできます。ここも直接灸を行うのがよいのですが、自宅で行う場合にはせんねん灸を使ってもいいでしょう。せんねん灸は毎日決まった時間に行うと効果が高まります。朝なら朝、夜なら夜と自分でいつ灸するかを決めておいて、毎日続けましょう。

床ずれについて

かゆみとは違いますが、高齢者に起こることがある「褥瘡(床ずれ)」という皮膚疾患に対しても灸はよく効きます。

高齢者などが長時間じっと同じ姿勢で動かずにいると(寝たきりなど)、褥瘡(床ずれ)が起こります。褥瘡は皮膚が圧迫されることによって、圧迫部位に血液が十分いかなくなってしまい、壊死して起こる症状です。

褥瘡は傷口の大きさは大したことがなくとも、皮膚の下が思った以上に広い範囲で壊死しています。このようなときに皮膚を触り、壊死している範囲を均等に1壮ずつ灸をしていくと皮膚の治りが早くなります。その後は、薬局などで打っている褥瘡治療のシートなどを付けておくことで、より早く治癒します。

鍼灸治療で褥瘡の治療ができることはあまり知られていませんが、寝たきり患者さんに対して鍼灸治療を行っているときにはよく注意して観察し、なるべく早く治療するようにしていきます。

しかし、褥瘡に対しては治療も大切ですが、予防のほうがもっと大切になります。寝たきりの患者さんは自分で寝返りなどできないため、家族の人が2時間をめどに体の向きを変えてあげることが大切です。体が動かしにくい人を寝返りさせるのは、少しのコツで簡単にできますので医療者に効いておくのがいいでしょう。

まとめ

このように鍼灸治療は皮膚疾患に対して非常に良い効果があります。しかし、最近の鍼灸師は上手に灸をすることができない人もいますので、鍼灸を専門に行っている鍼灸師に治療してもらうのがいいでしょう。

また、普段から中封などにせんねん灸を行っていると予防にもなりますので、継続して灸をしておくのもいいと思います。



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