風邪に対する鍼灸治療養生灸のススメ

category : 鍼灸治療 2012.2.8

鍼灸治療は風邪にも効く

人は皆、風邪を引きます。特にこのような寒い時期などは気を付けていても風邪をひいてしまいます。そのようなときは鍼灸治療を試してみましょう。鍼灸治療は風邪に対して非常によく効きます。しかし、これは鍼灸院で普段から治療を受けている人も知らない人が大勢います。「風邪を引いたので、鍼灸治療はやめておこう」と考えてしまうのでしょう。このように考えている人は逆に「風邪を引いたから鍼灸治療を受けに行こう」という発想になってもらえればと思います。そこで今回は風邪に対する鍼灸治療について考えていこうと思います。

風邪とは

人はなぜ風邪を引くのか知っているでしょうか。これは体の生体反応によるものです。我々は普段の生活でさまざまな病気の危険にさらされています。その代表的なものが「風邪」です。この風邪は体の外から「ウイルス」が侵入してきたのを撃退するために、体が防御反応を示します。そのときの反応のひとつとして、発熱や咳、くしゃみ、鼻水などの「風邪症状」が現れるのです。

発熱によりウイルスを殺し、咳やくしゃみ、鼻水などは体からウイルスを出す働きがあります。

このように、風邪症状は体が外からの侵入者を倒すために必要な症状であるともいえます。熱が出たときなどは「体が頑張って守ってくれているんだな」と考えておきましょう。

さて、治療の話ですが、西洋医学の場合は熱が出たら解熱剤を出して熱を下げたり、鼻水があればそれを止める薬を処方します。しかし、鍼灸治療の場合は少し違います。鍼灸治療では鍼や灸をすることで、自然治癒力を高めてやることで風邪を治していきます。そのため、鍼をしたあとの晩などにさらに熱が高くなり、翌朝にはスッキリとよくなっているという経過をたどることが多いです。自然治癒力が高まったことにより体がより高熱を出してウイルスを倒すことによる現象です。

このように鍼灸治療はもともと体に存在する自然治癒力を高めることで風邪を治していくのですが、これにも限界はあります。あまりに高熱の人などは体に鍼や灸をしても、自然治癒力を高めるほどの体力が残っていないので、治りが悪いのです。そのため、38℃以上の高熱の患者さんには治療を控える場合があります。

それよりも鍼灸治療のいいところは風邪のひきはじめに治療することで悪化を防止できる点になります。「少し体がだるいな」「熱っぽいかな」「鼻水が少し多いな」というような風邪の前兆を感じたときに治療を行うことで、症状の悪化を防ぐことができます。自宅でもせんねん灸などを活用し、普段から体調管理を行うとよいでしょう。

ツボ紹介

まずは、風邪症状全般によく効くツボがありますので、風邪を引いたかなと思った時にはここに灸をしましょう。

身柱(しんちゅう:背骨の上で、肩甲骨の中間、第3,4胸椎の間」と「風門(ふうもん:第2,3胸椎の間の外2cm)」がよく効きます。身柱と左右の風門で逆三角形になりますので、ここに灸をしてください。この部は風邪を引くときに寒気がする場所で、この部に灸をすることは風邪予防にもなります。背中になるので、家族の人などにしてもらうとよいでしょう。してもらうことができない人は、この部にカイロを当てておくのもいいでしょう。

咳のツボ

風邪の症状として咳が出る人は多いものです。特に咳は全身の筋肉に負担をかけてしまうので、思った以上に体力を消耗してしまいます。また、解熱薬などを服用して熱は落ち着いても、咳症状だけがいつまでも残ってしまうこともあります。そのような人も次のツボを使うとよいでしょう。

節紋(せつもん:足の母指の内側、第1関節のシワの端)」に灸をしましょう。直接灸をする場合は熱さを感じやすいところなので細くした糸状灸を用いるようにしましょう。ここに灸をすることで、咳が改善されたり、のどのイガイガなどもよくなります。

鼻水・くしゃみ

鼻水やくしゃみなど鼻の症状も風邪を引いたときにはよく出てきます。これらの症状も風邪が落ち着いた後もずるずる引きずってしまうことが多いです。そのようなときは次のツボを使ってください。

豊隆(ほうりゅう:脛骨の外2cm、膝の皿と足首の中間)」や「上星(じょうせい:鼻の上に真っ直ぐ上がり、髪の生え際から少し入ったところ)」がよく効きます。上星には髪の毛が生えているのでせんねん灸は使えません。ここには直接灸をするようにしましょう。鼻がすっきりと通るようになります。

頭痛

ほかにも風邪を引いたときには頭が痛くなることが多いです。これも鍼灸治療を行うとよくなります。次のツボを使いましょう。

列缺(れっけつ:前腕内側、手首の母指側から指2本分あがったところ)」がいいでしょう。ここは袖口から見える部分ですので、痕の残らないせんねん灸のほうがいいかと思います。朝起きたときに灸をするようにしましょう。また、出先で痛みが強くなったときなどは、このツボを指で押さえるだけでも痛みを軽減する効果があります。

食欲不振

熱が出ると食欲が低下し、ものを食べる量が減ってしまいます。しかし、体はウイルスと闘っていますので、少しでも食べて体力を補うことが大切です。そこで、少しでも食欲が出るように、またよく体に吸収できるようにしてくれるツボとして、次のツボを使いましょう。

足三里(あしさんり:膝の下に指4本分下がったところで、脛骨の外1.5cm)」に灸をしましょう。この部は消化吸収をよくしてくれ、体力を高めることができます。風邪をひいていないときでもなるべく継続して灸をしておくと風邪予防にもなるでしょう。

まとめ

このように、鍼灸治療は風邪を治すために自然治癒力を可能な限り高めて体を治していきます。風邪といってもさまざまな症状があり、人それぞれ現れる症状も異なります。その患者さんに合った治療を行うことが大切になります。

風邪は日常生活でポピュラーな病気ですので、普段から身柱・風門の灸を行っておくとよいでしょう。健康な体を維持するように努めましょう。



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