飛蚊症に対する鍼灸治療の考え方と方法養生灸のススメ

category : 鍼灸治療 2012.1.19

飛蚊症に対する鍼灸治療

皆さんは実際には何もないのに目の前に虫が飛んでいるように見えたことはないでしょうか。単に見間違えということもありますが、「飛蚊症」という病気の場合もあります。多くは心配いらないものなのですが、一度気になりだすと、ずっとそのことが頭から離れなくなってしまうこともあります。そのようなときには治療を行い、飛蚊症を気にならないようにしておくのがよいでしょう。そこで、今回は飛蚊症に対する鍼灸治療について考えていこうと思います。

飛蚊症とは

先に飛蚊症についてもう少し詳しく知っておきましょう。

先ほども書いた通り、目の前を過が飛んでいるように見えるのが飛蚊症です。そのほかにも、視野の中に小さなほこりのようなものが連なって見えたり、フワフワとしたものが浮かんで見えることもあります。

飛蚊症の原因は一般に硝子体の老化現象のためと考えられています。

硝子体とは、瞳の後ろにある水晶体のさらに後方にあって、眼球の内部の大部分を占めています。中身は大半は水分ですが、ゼリーのようにゲル状になっており、すぐ外側にある網膜を支え、外部からの衝撃によって網膜が傷つかないように保護する役目をしています。

ところが、年をとるにつれてこの硝子体の構造が次第に変化し、ゼリーのように均一でなくなり、一部が水分と繊維質とに分解してしまいます。そして、その線維が縮んで毛玉のようになって漂い、それが網膜に影を映すために、目は糸くずのように見えるのです。

こうした変化は20歳代から始まり、ゆっくりと進行しますが、強い近視の人では、この変化が若い時からはっきりしています。2~3個の浮遊物がときどき見えるのは、生理的なもので心配はありません。

しかし、一面に炭の粉をまいたようなものが見える場合は、硝子体出血やぶどう膜炎が原因なので注意が必要です。

また、硝子体ゲルの変化が進行すると、あるとき急に硝子体が縮んで網膜から剥離(硝子体剥離)します。その際は、新しい浮遊物が出るので、急性の飛蚊症を自覚することがあります。通常、50歳代から60歳代にかけて起こります。硝子体剥離自体は無害な変化ですが、人によっては網膜に孔が開き、そこから網膜剥離が起こることがあるのです。

このように、飛蚊症には単なる生理的なものと、ほかの病気の初発症状であったり、前駆症状であるものとがあります。急に飛蚊症を感じたら、一度眼科を受診するようにしましょう。

鍼灸治療では

さてそれでは、飛蚊症に対する鍼灸治療について考えていきましょう。まず、注意しておかなければならないのが、網膜剥離などの前駆症状として出ている飛蚊症ではないかという判断です。網膜剥離ならば飛蚊症のほかにも、光視症という目を閉じても光が見える症状が現れることもありますが、このような症状が現れないこともあります。そのため「最近急に目の前を虫が飛ぶようになった」というような患者さんの場合には、念のためにも眼科を受診してもらいます。

網膜剥離などの失明につながるような病気ではない飛蚊症は基本的に心配する必要はありません。しかし、実際には目の前に虫が飛んでいるように見えていれば誰でも気になるでしょう。鍼灸治療を行うと、そのような飛蚊症があまり気にならなくなります。飛蚊症自体がなくなってしまうわけではありませんが、患者さんが気にならなくなれば問題ない病気ですので、そのような治療を行っていきます。

よく使うツボとしては、「臂臑(ひじゅ:肩関節から上腕の下に指三本分下がったところ。腕の前側にとる)」があります。この臂臑穴には灸をしていきます。ツボを探すときにしっかりと抑えると痛み(圧痛)が出るかどうか確認し、一番圧痛が強いところに熱さを感じるまで灸します。普通なら数壮灸すれば熱いものですが、飛蚊症の患者さんなどはなかなか熱さを感じないことが多いです。熱さを感じるまで何十壮と繰り返し灸をすえるのがポイントです。

ほかにも「合谷(ごうこく:手の甲。親指と人差し指の骨の付け根の間)」や「瞳子髎(どうしりょう:目の外端(目尻)から外に指1本分のところ)」などが効果的です。これらは鍼も灸もいいでしょう。合谷は手にあるツボで水仕事のときに水がかかりますし、瞳子髎は顔の目立つところですので、灸をする場合は「灸点紙(きゅうてんし)」というものを使います。この灸点紙をツボの上に貼り、その上から灸をすえると直接肌にするわけではないので痕が残りません。また、家庭で行う場合でしたらせんねん灸を使うのもよいでしょう。

そのほかに変わったところで「光明(こうめい:足の外くるぶしの上に指4本分上がったところ)」などもあります。足のツボが目の疾患に効くというのは不思議ですが、よく効きます。このツボも鍼と灸どちらも効果があります。

体の調子を整える

このように飛蚊症に対しては目の疾患によく効くツボを使っていきますが、それ以外にも体の調子を整えるような治療を行っていくことが大切です。飛蚊症は体に疲れがたまったり、ストレスがたまった時などのほうが気になるからです。常に体が楽な状態であれば、飛蚊症があってもあまり気にならなくなります。

そこで、鍼灸治療を行うときは体の調子を整えるように全身のツボを使用していきます。快眠・快便・快眠が健康の基本ですので、それらを目指して治療していきます。「曲池(きょくち)」「中脘(ちゅうかん)」「関元(かんげん)」「足三里(あしさんり)」「腎兪(じんゆ)」など、それぞれの患者さんに合ったツボを選んで使用して行きます。

まとめ

このように飛蚊症が気にならなくなれば、煩わしさも解消されるでしょう。一度気にならなくなっても、また再び飛蚊症が気になりだすということもありますので、継続して鍼灸治療を受けておくのがよいと思います。継続して治療されている方は、常に体の調子を整えていることになるので、飛蚊症に対しては簡単な治療だけでも効きやすいからです。ぜひ鍼灸治療を試してみるとよいでしょう。



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