ぜんそくによく効くツボとその注意点養生灸のススメ

category : 鍼灸治療 2012.1.2

ぜんそくに対しての治療

ゼーゼー、ヒューヒューという喘鳴が起こる「ぜんそく」ですが、このような患者さんを鍼灸院で診ることがあります。その場合、主に「発作を予防するための鍼灸治療」を行うことになります。上記の記事では、発作の誘因となる風邪やストレス、体の疲れなどを解消することで発作を予防するという内容で書いています。ツボは主に「身柱風門人迎・失眠・安眠・百会膻中」などを紹介しています。

今回はそのほかにぜんそくの治療で使うツボとして「喘息穴」というものを紹介しようと思います。

喘息穴とは

喘息穴とはズバリぜんそくによく効くといわれるツボです。まずは場所について書いておきましょう。

第7・8胸椎の間から外に指2本分いったところに「膈兪」というツボがあります。この膈兪のさらに外2・3分いったところから上に1寸(親指幅)上がったところが喘息穴になります。腕をだらんと下げたときの肩甲骨の一番下を部分を左右で結んだところが膈兪の高さになるのでその少し上にくることになります。

この喘息穴はぜんそくの患者さんにだけ現れてくるといわれるツボです。ほかの病気や症状の人ではあまり反応が現れません。ぜんそくの人はこの喘息穴を触るとコリコリとした硬結が現れます。治療ではこのコリコリとしたところを見つけて、灸をするのがよいでしょう。

通常ならば灸をすればすぐに熱さを感じるものですが、ぜんそくの人は喘息穴に灸をしても熱さを感じにくいことが多いです。そこで、熱さを感じるまで何壮も灸をすることになります。熱さを感じるまで灸をすると息がスッと落ち着くような感じがします。継続して灸を続けると発作の予防にもなります。

また、喘息穴に限りませんが、ぜんそくの患者さんは背中にツボの反応がよく出ていることが多いです。これは、ぜんそく発作などで呼吸がしにくくなり、呼吸筋にダメージが蓄積されているからです。そのため、呼吸筋を楽にするように背中のツボをよく使うのです。

ほかには「膏肓(こうこう:第3・4胸椎の外指2本分いったところ)」も反応がよく出ます。このツボは呼吸筋を緩めて呼吸をしやすくしてくれます。そのほかにも風邪の予防にもなります。昔から「病膏肓に入る」とよく言いますが、この膏肓というのはツボのことなのです。風邪を引きそうだったり、寒気がするときは肩甲間部のところがゾクゾクしますが、ちょうどそこが膏肓にあたるからそのようにいわれています。

ほかにも背中をよく触ってツボを選んで使用することで、ぜんそくの治療をしていきます。

背中のツボは注意も必要

このように背中のツボはぜんそくの患者さんによく反応が出ているのですが、逆に効きすぎてしまうこともあり注意が必要になります。効きすぎるというのは、呼吸筋などにダイレクトに刺激を与えるので、刺激を与えたときに発作が引き起こされる場合があるのです。

ある鍼灸師の先生は、「肩甲間部のツボはまるでメスのように切れ味がよすぎて怖いくらいだ」と言っていました。ぜんそくに対してよく効く代わりに、思わぬ反動(発作)もあるという例えで、まさにその通りだと思います。そのため、肩甲間部のツボは治療に用いる場合、慎重に使用する必要があります。

特に鍼灸治療を初めて間もない人には肩甲間部には強い刺激を与えないようにします。使う場合は、軽い刺激で様子をみながら、刺激がきつくなりすぎない範囲で使用します。

また、呼吸を楽にする効果のあるツボは背中以外にもあるので、そちらを使用することもあります。特に呼吸に影響のあるツボで、足のツボを使うことがあります。

足のツボ

足にあるツボでは「豊隆(ほうりゅう:膝関節から足首まで下に1/3下がったところで、脛骨の外1.5cm)」がいいでしょう。この豊隆に鍼や灸をすると呼吸が楽になります。足のツボは刺激を加えても発作を引き起こすことは少ないので使いやすいツボといえます。

特に毎日灸をすると、発作の予防にもなりますので自宅などで患者さん自身が灸をしてもいいと思います。豊隆の位置を自分で押さえてみて、少しでも呼吸がマシになるところを探して灸をしましょう。

豊隆に灸をすると、気道の炎症を抑える働きがあり、それによってぜんそくを改善していきます。また、豊隆は「足の陽明胃経」に所属するツボなので、脾胃の働きを高めて体力を増やすこともできます。体力が増えると風邪の予防や疲労の改善にもなるため、ぜんそくの患者さんにぴったりのツボといえます。

まとめ

このように、ツボにも特徴があり、同じぜんそくという病気の患者さんでも、その人に合ったツボを選んで使っていくことが大切になります。肩甲間部を刺激しても発作などが起こらないのであれば喘息穴や膏肓などのツボを使っても問題ありません。どの人は平気で、どの人はダメかというのはわかりませんので、実際に使いながら経過を観察して、患者さんに一番合った治療を行うようにしましょう。

ぜんそくの治療は短時間では終わりませんので、鍼灸師と二人三脚で治療を続けていきましょう。



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