呑気症と鍼灸治療養生灸のススメ

category : 鍼灸治療 2011.11.19

鍼灸治療では

「呑気症」の患者さんは、おなかが張ったり、腹部の不快感や腹痛のほか、オナラやゲップを頻繁にするため日常生活で大変困っています。この呑気症という病気はどのように起こるのかというと、「空気をたくさんのみ込んで腸にたまってしまう」ためです。人は誰しもが口から空気が入ってしまうものですが、ストレスや食べ方の癖などが原因で通常以上に空気が入りすぎて起こります。この呑気症の患者さんは鍼灸院にも来られることがあるので、どのように治療をしていくのか考えてみましょう。

ストレスについて

呑気症は食べ方の癖や呼吸や話し方のほか、入れ歯があっていない時に起こりますが、中でも多いのがストレスによって起こるものです。そこで、まずはストレスについて基本的なことを知っておきましょう。

最近はさまざまな病気にストレスが関係していることが分かってきており、テレビなどでもよくストレスをテーマに特集が組まれたりしています。しかし、多くの人はストレスについてなんとなくわかっているようで、実はよく分かっていないがほとんどでしょう。「ストレスがたまると体調が崩れる」と聞いたことがある人も多いでしょうが、これについて心理学的にみてみましょう。

人間はストレスを受けただけでは体調を崩したり、病気になるほどやわではありません。ではなぜストレスがたまると体調が崩れるのかというと、ストレスに耐えられる限界点を超えてしまうためです。ストレスがたまっても一定範囲ならば体に影響が出ないボーダーラインがあります。このボーダーラインは人それぞれ違っており、これをストレス抵抗力といいます。人によってはいくらストレスがたまってもピンピンしている人もいれば、ほんの少しのストレスでも体調が悪くなる人もいるのはこのストレス抵抗力が違うからです。

そして、もう一つ重要なことは、同じくらいのストレス抵抗力の人でも仕事など社会生活でストレスを受けたときに、体調に影響が出るかどうかは違ってきます。これはなぜでしょうか。実はストレスにも種類があります。皆さんもよく知っているストレスは、仕事でのストレスや学校でのストレス、人間関係のストレスなど家の外のストレス(外部ストレス)ということになります。反対にどんな仕事をしていようが、どこの学校に行っていようが変わらず降りかかるストレスとして家庭内でのストレスや自分の体にある症状によるストレスなどの基礎ストレスがあります。ストレス抵抗力が低くても、基礎ストレスが少なければ少々仕事でストレスを感じても体調に変化はありません。しかし、基礎ストレスが高ければ社会生活でのちょっとしたストレスでも身体は敏感に反応してしまいます。

この社会生活での外部ストレスは、職場を変えたり学校を変わったりすれば減らすことも可能ですが、基礎ストレスはそう簡単に減らすことはできないとされています。しかし、この基礎ストレスを少しでも少なくできれば、少々ストレスを感じたくらいでは体への影響が出ないようになります。そこで鍼灸治療を行う際には常にこの基礎ストレスを減らすように治療していきます。

傾聴することの大切さ

鍼灸治療の特徴として、必ず肌と肌を合わせながら体の状態を感じ取り治療することと、治療時間が長いため患者さんの話に耳を傾けることができるという点があります。呑気症などの病気はストレスが大きく関わっており、その多くは患者さんがストレスとして認識していません。しかし、鍼灸治療を行いながら患者さんの仕事や家庭での生活に対する話を傾聴していると、患者さんが気づいていないストレスに鍼灸師側が気づくことがあります。その時は、そのストレスが呑気症の引き金になっていることを伝えて、少しでも改善を試みるように促します。また、家庭のことなど、例えば子どもの教育などでストレスを感じているときには、患者さんの話を親身になって傾聴しているだけでも患者さん自身のストレス発散になります。その面からも、話をよく聴くということはそれ自体が治療になります。

症状を改善する

また、体にある症状そのものを改善することも大切です。呑気症はストレスによって起こっているので、症状をよくしてもまたストレスによって現れてくるのではないかと思うかもしれません。しかし、体にある症状というのはそれ自体がストレスになってしまうのです。このストレスは基礎ストレスになりますので、治療して解消しておく必要があります。また、呑気症の症状だけでなく、体にあるほかの症状も治療していくと基礎ストレスを減らすことができ、それが結果的に呑気症の改善につながります。例えば肩こりや腰痛、膝痛などや、不眠や生活習慣病などその患者さんに合わせて治療をしていきます。

呑気症の症状として多い、おなかの張りや腹部の不快感、腹痛などや呑気症に合併して起こる便通異常(便秘、下痢)や過敏性腸症候群などはおなかのツボを使って治療することがよくあります。「関元(かんげん:おへその下3cm)」や「太巨(だいこ:関元の横1.5cm)」などが効果的です。これらのツボに鍼をしても効きますし、灸も効果があります。できれば続けて行うほうがいいので、自宅で灸をしてください。夫婦や親子で灸をしあうとそれがコミュニケーションにもつながりますのでおススメです。灸は使い方が簡単なせんねん灸などでも構いません。毎日決まった時間に行うのがよいでしょう。

ほかにも食欲不振などの症状や、よく合併して起こる機能性胃腸症に対しても治療していきます。これらは胃の働きをよくする目的で「中脘(ちゅうかん:おへそとみぞおちの中間)」や「足三里(あしさんり:膝の下3cm、脛骨の外1.5cm)」などがいいでしょう。このようなツボは気持ちよく響くように鍼をすると、その場で胃が動いてくるような感じが出てきます。また背中の「胃の六つ灸」なども胃の働きを良くしてくれます。これは継続的に灸をする必要があります。ツボの場所は胸椎の横1.5cmのところで、肩甲骨より下で骨盤よりも上の範囲で押さえて気持ち良くこたえるところを左右6か所見つけましょう、背中は自分で灸することはできませんので、これも家族とお互いに灸しあうのがいいと思います。

このほかにも体にある症状に対して治療を加えて、健康な体を作ることがストレス抵抗力を高めることにもなり、呑気症を改善する助けになります。

まとめ

このように呑気症は治療していきます。この鍼灸治療は単独で行うだけでなく、そのストレスへの対処や食べ方の癖、呼吸や話し方の改善、入れ歯の調整などと併せて行うことで呑気症をなるべく早く改善するようにしていきます。ストレスに対処しても症状が治まるまではしばらくかかるものですが、鍼灸治療を合わせて行うとすぐに症状が改善するので、治りが早いともいえます。呑気症に困っている方は一度鍼灸師に相談してみましょう。



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