子どもの肥満と鍼灸治療養生灸のススメ

category : 鍼灸治療 2011.11.15

肥満・メタボリックシンドロームを解消しよう

最近は子どもにも肥満やメタボリックシンドロームが増えてきています。子どもの肥満の何がまずいのかというと、多くは生活習慣が関係しており、大人になっても肥満・メタボリックシンドロームから抜け出せないことが多いためです。そうなると、さまざまな生活習慣病になるリスクが高まるので子どものうちからしっかりと対応していきましょう。

さて、子どものメタボリックシンドロームの診断目安については、「メタボリックシンドロームについて」で紹介しました。参考にしてください。このメタボリックシンドロームは子どもが100人いれば1~2人が当てはまるといわれています。さらに肥満は100人中10人が当てはまるとのことです。子どもが肥満かどうか調べる方法があるので紹介しておきましょう。

●子どもの肥満の判定

成長期の子どもの場合、性別、年齢、身長ごとに細かく「標準体重」が示されています。その標準体重をもとに「肥満度」を計算し、肥満度が20%以上の場合に、肥満とされます。一応簡単な標準体重計算式もあるので、併せて紹介しておきましょう。

・標準体重計算式=身長(m)×身長(m)×身長(m)×13
この計算式によって、子どもの標準体重をまず知っておきましょう。次に子どもの肥満度を計算します。

・子どもの肥満度={体重(kg)-標準体重(kg)}÷標準体重(kg)×100
この肥満度が20%以上になると「肥満」になります。

このような計算式を用いて、実際に計算してみることが大切です。計算してみると意外と肥満になっていることも多いものです。

肥満・メタボリックシンドロームの解消

基本的に子どもは生活習慣である「食事・運動」を改善することが肥満解消につながります。ここで大切なのは親の存在です。両親ともが肥満である場合、その子どもが肥満である確率は80%であるといわれています。これはどういうことでしょうか。この数字をみると「肥満の体質が遺伝しているのではないか」と考える方もいますが、実際には親の生活習慣が子どもに影響を与えていることの方が多いです。その場合、子どもの肥満を解消しようと親が言っても、子どもは親の生活を意識的にも無意識的にも真似してしまいます。そこで、子どもの肥満解消には親の生活習慣の見直しも重要になってきます。

しかし、子どもと大人では違いがあります。それは、体が成長しているかどうかです。子どもはこれからもどんどん大きくなっていくので、肥満を解消するために食事を減らしてしまうのは得策とは言えません。そこで、食事については規則正しく食べるのがまず一番大切になります。可能な限り、家族で一緒に話を楽しみながら食べるようにしましょう。そして、最近多い問題として、お菓子やジュースなどの間食があげられます。これらの食品はカロリー(エネルギー)は多いのに、栄養素としては偏っていますので、ほどほどにしておかなければいけません。しかし、最近は学校から帰ってお菓子を食べ、それでおなか一杯になってしまうので夕食を食べないという子どもが多いです。いきなり「お菓子を食べるな」というのが難しい場合は、間食を果物(ミカンやリンゴなど)に変えてみるなどの工夫をしてみましょう。

また、大切な生活習慣として「運動」が上げられます。昔は子どもは暗くなるまで帰ってこないくらい遊びに夢中になっていたものです。しかし、最近では子ども同士で集まってもゲームなど体を動かさない遊びばかりになってしまいがちです。また、私のいる大阪などは道路で遊んでいる子どもに「危ないからやめなさい」と言わざるを得ない状態で、子どもが遊ぶ場所そのものが少ないという問題もあります。子どもが自然に遊ぶのが一番ですが、あまり遊んでいないようなら親が遊びに連れて行くことも大切です。

鍼灸治療では

次は子どもの肥満・メタボリックシンドロームに対しての鍼灸治療について考えてみましょう。しかし、鍼灸治療をすればそれだけで肥満が解消されることはありませんので、生活習慣の改善もしっかりと行うことが大切になります。

子どもに対して行う治療法に「小児鍼(しょうにしん)」というものがあります。これは、たくさんの鍼灸師が知恵を絞って考えたもので、何種類もの小児鍼が存在します。基本的には鍼を刺さずに、皮膚をササッとなでたり、ポンポンと押し当てるような鍼で痛みはありません。特に簡単にできるものに「ローラー鍼」という小児鍼があります。これなどは自宅で親がすることもできますのでお勧めです。

小児鍼は子どもに使いますが、ある程度子どもが大きくなれば、大人と同じような鍼をしても問題ありません。何歳という区切りなどはなく、治療に必要な刺激量と子どもの感受性にもよりますので、どの鍼灸治療をするのかはその子どもによって違ってきます。

肥満の解消には、体の基礎代謝を上げることを目的にして行います。基礎代謝がよくなれば、同じ食事や運動でも肥満を解消する助けになります。まずは、便通をよくしましょう。意外と便が出にくくなっている子どもも多く、便通を解消することは消化吸収の働きを正常に戻して基礎代謝を上げることにつながります。ローラー鍼を使うならおなかをやさしくなでていくだけでも効果があります。足三里などに灸をしてもよいでしょう。小さい灸(糸状灸)ならばそれほど熱さを感じることもありません。特にお菓子ばかりを食べている子は腸の働きも悪くなり、便秘になりがちですのでしっかりと治療しておきましょう。

次に冷えに対しても治療をしておきましょう。本来は子どもとは動き回って体が熱いくらいなのですが、運動不足の子どもは冷えている場合があります。冷えを解消することも基礎代謝を上げることにつながります。ローラー鍼を腕や脚のほうにもして全身の血行をよくしていくと冷えが解消しやすいです。また、灸をするなら身柱がよいでしょう。肩甲間部の背骨と背骨の間に灸をすると冷えがよくなります。この身柱は別名「ちりけの灸」とも呼ばれ、ここに灸をしておくと体が丈夫になり、風邪なども引きにくくなる効果もあります。

このほかにも、子どもにある症状をそのつどとっていくことで、体を本来の正常な状態に戻し、肥満の解消につなげます。また、子どもに鍼をするときは、多くは母親も同伴しますので、お母さんともしっかりと話し合い肥満解消のアドバイスなどもしていきます。

まとめ

肥満やメタボリックシンドロームとは生活習慣が密接に関係しています。つまり、治療して肥満が解消されればそれで終わりというわけではなく、これからも規則正しい生活や運動を継続していくことが大切になります。そのため、食事の方法や運動などを苦痛と感じずに、ごく自然に行えるようになることが重要になります。親子ともども快適で健康的な生活を手に入れていきましょう。



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