じんましんと鍼灸治療養生灸のススメ

category : 鍼灸治療 2011.10.5

鍼灸治療では

じんましんに悩まされている方は大勢いますが、今のところはっきりとした原因が分かっておらず、治療手段も確立されていないのが現状です。そのため、じんましんの治療を受けるために鍼灸院を訪れる患者さんもいらっしゃいますので、今回は鍼灸治療ではどのように治療していくのかを考えていこうと思います。

かゆみを止める

じんましんの特徴的な症状として、非常に強いかゆみが現れるという点があります。このかゆみが厄介で、かゆいからといって掻いてしまうとじんましんは悪化してしまいます。そのため、じんましんが出てかゆくなっても掻かないようにすることが大切なのですが、なかなか我慢するのは難しいでしょう。そこでまず、鍼灸治療する際には、このかゆみをとるための治療をしていきます。

かゆみに対して非常に効果の高いツボがあります。「肩尖(けんせん:鎖骨と肩峰の関節の外側で圧痛のあるところ)」がそうです。このツボはしっかりと指で押さえて圧痛を確認し、そのポイントに灸をしていきます。灸は細めにひねって、熱さを感じるまで何壮もやるのがコツです。基本的には左右ともにやるようにしましょう。ここに灸をすえると、その場でスッとかゆみが引いたり、赤い膨らみがマシになることが多いです。また、かゆみが出ているときだけでなく、普段から肩尖に灸をしていると皮膚の状態がよくなり、じんましんが起こりにくくなります。自分で灸をするのが不安だという人はせんねん灸でもいいので毎日続けていくといいでしょう。

そのほか、かゆみに効くツボとしては背中のツボがいいでしょう。「身柱(しんちゅう:背骨の上で第3,4胸椎の間)」も効果的です。ツボの位置はだいたいこの辺ととらえて、左右の肩甲骨の間の背骨の上を押さえていき、一番こたえるところに灸をするのがいいでしょう。ここも熱さを感じるまでしていきましょう。また、背骨の上だけでなく横の方でもこたえるところがあればそこに灸をするのもいいでしょう。続けているとかゆみにくくなってきます。

そのほかにもかゆみに効くツボはあります。「内庭(うらないてい:足の裏で、足の指を曲げたときに第2指の真ん中が足裏につくところ)」がいいでしょう。このツボは食中毒の名灸穴でもありますが、じんましんにもよく効きます。特に食べ物を食べた後にじんましんが起こる場合には非常に効果的です。ここも灸をするのがいいでしょう。この裏内庭は、健康な人なら1壮すえただけでも飛び上るほど熱いところなのですが、じんましんや食中毒の人は全く熱さを感じなくなります。そこで熱さを感じるまで何壮もすえていきます。場合によっては数百壮すえることもあります。熱さを感じるまですえると、おなかのあたりがポカポカと温もってきてかゆみなどの症状が治まってきます。

このように熱さを感じるまで灸をすえると効果が出てくるのですが、一つ注意しておくことは、熱さを感じにくいからといって灸を大きくしたりしないことです。やってみるとわかるのですが、十壮、二十壮と灸をすえていても全く熱さを感じる気配がないと無意識のうちに灸の大きさが大きくなってしまうものです。しかし、灸の大きさを大きくしたからといって効果が上がるわけではありません。灸は米粒の半分くらいの大きさ(太さ)に統一して、同じところに何壮も繰り返しすえていくことが大切です。

また、せんねん灸をするときも熱さを感じる方がよいでしょう。しかし、これにも注意が必要です。せんねん灸は大きさや太さが決まっています。そのため熱いのに「まだ灸が残っているからもう少しやろう」と我慢すると火傷になることもあります。熱さを感じたところでとるようにしましょう。

体全体の調子を整える

さて、かゆみがうまく治まってもまた出てしまうこともあります。そのため、かゆみが起きにくくなるようにしていかなければなりません。基本的には上で紹介したツボを継続して治療していくことが大切です。

また、体全体の調子を整えていくことも大切です。例えば食物アレルギーによって食べ物を食べた後にじんましんが起こる人でも、その食べ物を食べると必ずなるというわけではありません。体の調子が悪い時に食べるとじんましんが起こりやすく、逆に体調のいい時には食べてもじんましんが起こらないということが多いです。そこで体をいい状態に維持するための治療をしていきますが、これは長期的なスパンで治療する必要があります。治療を続けてじんましんが起こりにくい体にしていく必要があるからです。

治療は主に「快眠、快食、快便」を目指して行っていきます。夜よく眠るためには「失眠(しつみん:かかとの真ん中)」や「天柱(てんちゅう:後頚部で髪の生え際)」などがいいでしょう。ぐっすり眠れるようになります。食欲や便通はおなかのツボが効果的です。「脘(ちゅうかん:おへそとみぞおちの中間)」や「関元(かんげん:へその下1.5cm)」などがいいでしょう。そのほか背中にある「胃の六つ灸」もよく効きます。

また、その日の状態に合わせた治療もプラスしていきます。肩こりや腰痛、膝痛のほかそのときある症状に合わせて治療を行うことで体を常にいい状態にしておき、じんましんが起こりにくくなるようにします。治療を続けるうちに体質も改善されて行くでしょう。

子どもに対して

さて、じんましんに対しての治療を書いてきましたが、じんましんは子どもがなることもあります。子どもにも熱さを感じるまで灸をしたり、鍼をするのかというとそこまでの刺激は子どもには必要ありません。子どもというのは生命力が豊富で、ほんの少しの刺激を与えるだけでよくなることが多いです。灸をする場合は1~3壮やれば十分効果があります。また、鍼も大人とは種類の違う「小児鍼」というものを使っていきます。小児鍼はさまざまな先生が開発されていて、非常に種類が多いです。形や大きさなども違い、変わった形のものも多いです。家庭で手軽でできる小児鍼もあり、その中でも「ローラー鍼」というのがおすすめです。小さいローラーにほんの少し出っ張りがついています。このローラー鍼をおなかや背中に当てコロコロとさすってあげるとじんましんが治まりやすいです。また、このローラー鍼の代わりにスプーンや十円玉でやさしく皮膚をさすってあげるだけでも効果があることが多いですので、一度試してみるのもいいと思います。

まとめ

このように鍼灸治療では患者さんの状態を診ながら、一人一人に合った治療をしていきます。じんましんは繰り返し起こることが多く、治療も時間をかけて長期的に考えておく必要もあるでしょう。しっかりと鍼灸師と話し合いながら二人三脚で治療を進めていくのがよいでしょう。



スポンサードリンク

サイト内検索

ブログランキング

アクセスカウンター

Copyright(c) 2011 養生灸のススメ All Rights Reserved.