めまいと鍼灸治療養生灸のススメ

category : 鍼灸治療 2011.9.21

鍼灸院では

めまいについていろいろと勉強してきました。鍼灸院にめまいの症状がある患者さんが来られることもありますので、今回は鍼灸治療でどのように対応するのかを考えてみようと思います。

めまいとは、体と周囲が実際には動いていないのに動いていると感じることです。そのため、立ちくらみのようなものから、何かの病気によって起こるめまいまで、さまざまなものがあります。なかには危険な病気によって起こるめまいもあります。鍼灸院に来た患者さんにめまいがあった場合は、まずこの危険な病気ではないかを調べて、必要ならば病院にも行ってもらわなければなりません。ほかには、病院でめまいの治療をしている人が鍼灸治療でも何とかならないかと訪ねてくることもあります。西洋医学と鍼灸治療を組み合わせると治りもよくなりますので、一緒に治療していきます。

頚のこりがカギになる

めまいは耳の病気や脳の病気によって起こりますし、いくら検査をしても原因がはっきりしないものも多いです。しかし、多くのめまいは頚のこりが関係しているといわれています。原因のはっきりしないめまいでも頚のこりを解消してやるとめまいの改善がみられることが多いです。耳の病気であるメニエール病や良性発作性頭位めまい症、前庭神経炎なども頚のこりがなくなるとめまいが改善されることが多いです。

頚のこりは、胸鎖乳突筋に現れることが多いです。特に、耳の後ろにある「乳様突起」という少し出っ張った骨に胸鎖乳突筋がついていて、そこがこってくることが多いです。ここには「完骨(かんこつ:乳様突起の後ろのくぼみ)」というツボがあり、ここに鍼をすると頭がスーッとして、気持ちよくなります。この完骨以外にもこっているところを探して、こりを解消することにより、めまいを改善します。

血液循環を改善する

めまいには血液の循環も関係しています。血液の循環が悪くなるとめまいが起こりやすくなり、特に耳の血流は非常に大切です。そのため、鍼灸治療では、悪くなったこの血液循環を改善することでめまいの治療をしていきます。これは薬物治療で使用する「循環改善薬」と同じような効果があり、一緒に治療することで相乗効果が生まれます。

先ほど出てきた「完骨」などの頚のこりの解消は、この血液循環の改善にも一役買っています。頚のこりにより頭に行く血流が低下しているため、こりをとることでよくなるのです。これは胸鎖乳突筋以外でも後頚部のこりや肩のこりなど、もう少し広い範囲を治療してやるのがいいでしょう。「天柱(てんちゅう:後頚部の髪の生え際、頚椎の外1.5cm)」や「肩井(けんせい:首の付け根と肩関節との中間)」など、そのときあるこりを見つけだし治療していきます。

ほかのツボでは「翳風(えいふう:耳の後ろで乳様突起の前)」や「耳門(じもん:耳の前で、口を開けたときにくぼみができるところ)」などがいいでしょう。血流改善には鍼もいいですが、灸もよく効きます。自宅でせんねん灸などを使い、毎日灸するのも効果的です。

また、上半身だけでなく、下半身の血流改善も同時に行うと、全身の血液循環がよくなり、結果的に耳の血流も改善しやすくなります。「陰交(さんいんこう:内くるぶしの上3cm)」などが血流改善に役立ちますので、こちらも合わせて治療していくとよいでしょう。もちろん、毎日せんねん灸を行うのも非常に効果的です。

体の水はけを良くする

めまいなどが起こると、なぜか三半規管の中のリンパ液が増えてしまい、むくんだ水ぶくれのようになることがあります。内耳の水ぶくれはメニエール病などではよくみられます。この水ぶくれの状態が続いていると、めまいの改善も進みにくいので、水ぶくれを改善し、水はけのよい体にしなければなりません。

水はけを良くするツボとしては「失眠(しつみん:かかとの真ん中)」が特に効果が高いです。ここには米粒の半分くらいの大きさのもぐさをすえましょう。失眠というツボは体に水分がたまった状態では灸をしても熱さを感じにくいという特徴があります。灸をすえても熱さを感じない時は、熱くなるまで何壮でもすえていきましょう。熱くなるまですえることで、尿の排出が増えて、体の水はけを良くしてくれます。これも毎日続けることで効果が出てきます。

ほかには、水はけを良くするツボとして、「腎兪(じんゆ:第2腰椎の横1.5cm)」があります。ここは腎臓の働きを助けてくれるツボなので、尿が出やすくなります。鍼の先にもぐさを付けて温める灸頭鍼などをするのも効果的です。

体調を整える

めまいを起こして来院される患者さんに詳しく話を聴いてみると、めまいを起こす前に風邪をひいていたり、疲れがたまっている状態が続いている人が多いのがわかります。めまいの治療としてもそうですが、これからの予防の意味でも、このような風邪や疲れに対しての対処も非常に大切になります。特にめまいを繰り返すと、外出するのが不安になり、家に閉じこもりがちになってしまうことがあるので、体調を整えてめまいの起こりにくい体にすることで、生活の質(QOL)の低下を防ぎます。

体調を整えるためにも無視できないことは、腹部の状態です。健康な人の腹に触ると、適度な張りがあり、温かいものです。しかし、風邪や疲れなどで体力が落ちているような人では、例えば冷えていたり、張りが無かったり、ガスがたまっていたりなどと違いが出てきます。このように、腹部を触ってみて、そのとき現れている異常な反応に併せて治療することで、体調を整えてめまいを起こしにくい体、ようするに健康な体へと少しでも近づけていきます。

まとめ

このようにめまいに対する鍼灸治療では、単に頭や耳だけに鍼や灸をするだけでなく、体全体の様子を観察し、それに合わせて治療していきます。また、めまいというのは何度か繰り返し起こることもあるため、ある程度長期的なスパンで治療していくことが大切です。めまいをなくして快適な生活を手に入れましょう。



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