不整脈と鍼灸治療養生灸のススメ

category : 鍼灸治療 2011.8.14

鍼灸治療で対応する

不整脈について勉強してきました。今までは主に、不整脈には命にかかわる可能性があることを説明し、危険性の高い不整脈への対応を書いてきました。場合によっては一刻を争うことにもなるため、どうしたらいいのかを常に頭に置いておく必要があります。このように命にかかわる状態では、鍼灸でどうこうする余裕はないでしょう。しかし、不整脈には普段の生活での問題点もいろいろとあるのです。今回はそちらの方面から鍼灸治療で何ができるのか考えていこうと思います。

生活を整える

不整脈の多くは、普段の生活が関係しています。ほとんどの不整脈はストレスや睡眠不足などによって、自律神経が乱れてしまうことによって起こってしまいます。ストレスなどのほかには、不規則な生活や疲労、過度の飲酒や喫煙、カフェインの入った飲み物などでも自律神経に影響を与えます。鍼灸治療での不整脈の治療はこの自律神経の乱れを治して、不整脈が起きにくい体を作っていくことになります。

自律神経の調整には『中封(ちゅうほう:足首を曲げたときにできるシワの内側、内くるぶしの前方)』がよく効きます。このツボは毎日お灸をするのがよいでしょう。一度灸しただけでは効果はなかなか出ないのですが、続けていくことによって自律神経を正常な働きにしてくれます。この中封は他には足の疲れや腰の痛み、便秘や皮膚の状態の改善など、さまざまな効果がありますので、不整脈でない人も使うといいでしょう。

頭のツボも使用する

ほかには頭のツボを使うこともあります。頭のツボでは一番有名で効果の高い『百会(ひゃくえ:頭の頂上。両耳を曲げて、とがった先を結んだ中間のところ)』がいいでしょう。この百会は、体中を通っている経絡がこの場所に集まるという意味があります。生活環境の乱れで疲れた自律神経がここにも影響しており、逆に百会を使うことによって全身の調子を良くすることができます。百会は鍼も灸もよく効きます。患者さんのなかには、「頭に鍼をしたら、必○仕事人みたいにはならないの?」と、冗談のような本気のような質問をされる方もおられますが、頭への鍼は問題ありません。頭は人間の体でも特に大切な場所のため、頭蓋骨という骨でしっかり守られているので、鍼をしても安全に治療できるのです。

ストレスと肝の関係

そのほか、東洋医学ではストレスと「肝」が関係しているといわれており、この「肝」の働きを調整することで自律神経の働きを調整することもあります。ストレスは人間が生きているうえで避けては通れないものなのですが、あまりにストレスが強いと気が高ぶり「肝気上逆」という状態になってしまいます。この肝気上逆は高ぶった気により、肝の働きが乱れてしまうのです。さらにこの状態が続くと、気の流れが停滞して肝の働きが低下してしまいます。

東洋医学では「肝」は血液の流れも調整していると考えます。夜になると全身の血液を肝に集めることによって眠りやすい状態にしているというもので、「肝」がうまく働かなくなると夜によく眠れなくなります。そうすると睡眠不足になってしまい、さらにストレスがたまり、不整脈になりやすくなってしまうのです。

肝の状態が悪くなるとおなかに反応が現れます。おなかのみぞおちの横、肋骨の下(季肋部)が盛り上がって「胸脇苦満」になります。肝臓は右側にありますが左右どちらでもなります。この時は、季肋部にあるツボ、『期門(きもん:正中線から外3cm、肋骨の下)』に鍼や灸をすることにより、肝の働きを正常に戻し体の状態を整えることができます。これも日頃から体の反応を観察して、胸脇苦満があるときはすぐに治療していくことで不整脈を起こりにくくしていきます。

また、先ほど紹介した『中封』も肝に関係するツボです。これは体を通っている経絡のうち、『足の厥陰肝経』に属するツボの一つです。肝の働きを調整する際には、ほかの肝経のツボも使うことがあります。肝経は足の親指から上がり、内くるぶし(中封)から足の内側を通っておなか(期門)にいき、さらに胸を通り肝臓に入ります。また、一部はそのまま胸から上に上がり最後には頭(百会)にまで行くことになります。この肝経をしっかりと観察し、反応をとらえて治療することにより不整脈を防ぎます。

薬の影響

不整脈は自律神経の乱れ以外にも、心臓や甲状腺の病気によって起こることがあります。そのほかにも、薬の副作用でも不整脈が起こることがあります。鍼灸治療をするときはこのことも頭に置いて治療していきます。

どのような薬で不整脈が起こるかというと、「気管支拡張薬」、「抗うつ薬」、「血管拡張薬」などの高血圧の薬などがあります。もしその場合は、それらの病気に対しても鍼灸治療を行うと薬の量などが減らせるかもしれません。そうなれば副作用である不整脈を抑えることも可能です。抗うつ薬を使ううつ症状に対しても鍼灸治療は効果がありますし、高血圧や気管支の状態も鍼灸治療で改善することは可能です。治療前にどのような薬を服用しているか伝えておくことが大切です。

まとめ

不整脈は常に起こっているわけではありません。原因となる病気や薬の副作用、自律神経の乱れなどによって起こりますが、体が元気であれば少々のストレスでは起こりにくくなります。普段から鍼灸治療を定期的に続けることで、不整脈を起こしにくい体になります。



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