ダイエットと鍼灸治療養生灸のススメ

category : 鍼灸治療 2011.8.4

ダイエットに鍼灸治療をプラスする

鍼灸院でも肥満の解消を求めて来られる方もおられます。そこで今回は鍼灸治療での考え方を勉強しようと思います。特に最近は「耳鍼」という、耳介に小さい鍼を付ける方法がダイエット目的で多く行われています。しかし、ここでは耳鍼にしぼらずに全体の大きな流れ・考え方について考えようと思います。

肥満は体の異常

鍼灸治療では肥満を単に「食べ過ぎによって脂肪が増えた状態」とは考えず、「体に何らかの異常があるため肥満になっている」と考えます。そのため治療するには、まず体全体の調子を整えていかねばなりません。

人間の体は五臓六腑がバランスよく働くことによって、健康な状態を保っています。しかし、この五臓六腑のどれかの働きが悪くなれば、全体のバランスが崩れてしまい、不健康な状態になってしまいます。そして、この不健康な状態が続いてしまうと病気になってしまうのです。

東洋医学では昔から「未病を治す」という言葉が使われます。これは病気になってしまう前の不健康な状態から治療をして、病気になる前に体を治そうという意味です(予防とは少し異なります)。西洋医学では、検査の数値に異常がなければ患者さんが症状を訴えていても、「異常なし」「病気ではありません」となってしまいますが、これはまだ病気になっていないというだけで、不健康な状態なのです。昔の治療者は機械で検査することなどできずに治療をしていたので、早い段階(病気になる前)に治療を開始して治していたのでしょう。

鍼灸治療では

肥満について話を戻しましょう。肥満とは日常生活で困る症状が出るような病気ではないけれども、体にとって不健康な状態であるといえます。そして、肥満という不健康な状態が長く続くと、「高血圧」「高脂血症」「糖尿病」「動脈硬化」などの病気になってしまいます。これを防ぐためにも肥満を治療せねばなりません。

治療についてですが、「このツボに鍼や灸をすればやせる」というものはありません。あくまでも、乱れた五臓六腑の働きを整えることで、肥満のない健康な体へしていくのです。

例えば肥満の人には東洋医学でいう「脾胃」の働きが悪い人が多いです。脾胃は主に消化吸収の働きをしているのですが、この働きが悪いと、物を食べてもなかなか体の中に取り込むことができなくなります。そこで体は「栄養が足りない」と考え、甘いものを欲しがるようになり、無性に甘いものが食べたくなります。甘いものを食べるとその場は落ち着くのですが、脾胃の働きは悪いままなので、また甘いものが欲しくなってしまいます。そしてこの甘いものというのは、脾胃の働きを低下させてしまう作用があるのです。体が欲しがるからといって甘いものを食べ過ぎると、それによって脾胃の働きが低下して、さらに甘いものを欲しがるという悪循環に陥ってしまいます。

これにより、ついには肥満という不健康な状態になってしまい、生活習慣病へとつながってしまうのです。この場合は脾胃の働きを良くするような治療をすることで消化吸収がうまくできるようになり、自然に甘いものを食べる量が減ってきます。鍼灸治療ではこのように考えて治療していきます。

脾胃の調子を整えるには、中脘(ちゅうかん:みぞおちとおへその中間)や足三里(あしさんり:ヒザ下3㎝で、向う脛から外1.5㎝)などがよく効きます。自分でやるならせんねん灸を毎日行うのがよいでしょう。

食養生

さて、肥満に対する鍼灸治療について書きましたが、当然のことながら食事と運動もないがしろにするわけにはいけません。運動については「ダイエットの理論」でも書いたように、心拍数を測り、体の調子を客観的に把握しながら行うのがよいでしょう。鍼灸治療でも脈診は重要と考えており、脈の速さは体の状態を表すパロメーターの1つと考えています。

食事についても、前回書いたようにトータルの量を減らすことが大切です。しかし、トータルを減らすだけでは、どうもダイエットに取り組んでいる感じがせず、モチベーションが保てない人は、「玄米食」に変えてみるのもいいかもしれません。東洋医学の食養生としての考え方で、玄米食は糖尿病にもいいとされるほど体にいい効果があります。白米よりも食物繊維などもとれ、ダイエットをしている自覚も持ちやすいかと思います。試したことのない人は一度チャレンジしてみるのもいいでしょう。

まとめ

肥満は特に症状がなく、治療としてもダイエットとしても続けにくいものです。鍼灸治療では五臓六腑の働きを整えることで、他の病気や症状(肩こりや腰痛など)も一緒に治療できるので続けていきやすいといえます。ぜひともダイエットには鍼灸治療を活用してみましょう。



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