心の不調と鍼灸治療養生灸のススメ

category : 鍼灸治療 2011.7.25

鍼灸治療では

さて、心の不調によるさまざまな病気について勉強してきました。そこで今回は心の不調に対する鍼灸治療についていろいろと考えてみようと思います。

まず、鍼灸院に心の不調を訴えて来院される方は少ないかと思います(あくまで一般論としてです)。多くは体が悪い、痛いなどの理由で来院されて、診てみるとどうも心の不調が関係していそうだなということが多いかと思います。うつ病や心身症、パニック障害や統合失調症などさまざまな病気を持つ患者さんが来られます。

治療で一番大切なこと

ストレスなどが原因で心の不調がある患者さんを治療する際、どんな治療法を行うときも大切なことがあります。それは「患者さんの話をしっかり聴く(傾聴する)」ことです。よく病院や鍼灸院などでは、「いつから、どこが、どのように症状があるか」という「問診」をします。この問診では患者さんは例えば、「先月から、腰が、ズーンと痛い」などと質問されたことに対してだけ答えます。これでも病気を判断して治療することはできるので、問診でもいいと考えてしまうかもしれませんが、これでは患者さんは心のなかで思っていることを話せません。

体の症状は腰の痛みかもしれませんが、例えば患者さんは「知り合いの腰痛ががんのせいだったから、自分もそうかもしれない」と考えているかもしれません。もしそうであればがんかもしれないという不安がストレスとなって、そのストレスが腰の痛みを引き起こしていることもあり、その場合はストレスをとることが大切になります。(もちろん体に潜む病気についても調べます)

例えにがんという大きな病気を出してしまいましたが、他にもいろいろなストレスが原因となって病気として現れることがあります。このストレスの多くは患者さんの心の中に隠されており、治療者が相槌などを打ちながら、患者さんの思いを真摯に聞くことにより、それだけでストレスが解消されてしまうこともあります。病院などは3分診療などといわれるほど次々と患者さんを診ていきますが、鍼灸治療の場合、治療時間が比較的長いこともあり、じっくり患者さんの思いに耳を傾けることができるという特徴があります。

心と体のつながり

東洋医学では昔から、「心身一如」といい、心と体は密接に関係していると考えて治療しています。分かりやすく言えば、体が悪くなれば心にも現れ、心の状態が悪くなれば体にも症状がでるということです。鍼灸治療では傾聴を行い、患者さんのストレスを和らげるといいましたが、鍼や灸では体にアプローチして、体の状態を良くすることで心にも落ち着きを取り戻そうと考えて治療します。

例を挙げてみましょう。例えば毎日頭痛が起こっていると痛みによって普段からイライラしてしまいます。これは頭痛を治療して治してやると自然とイライラも治まってくるものです。これが体の状態(頭痛)を良くすると心の状態(イライラ)が治まるということです。

心の不調がありストレスで症状が出ている場合、その症状が続くと今度は今までよりも弱いストレスでも体に影響が出るという悪循環に陥ってしまいます。この悪循環を断ち切るためには、ストレスを取り除くことも大切ですが、体に現れている症状をとってやることも非常に効果的です。普段から起こるちょっとした症状に対応することで、次第にストレスに対しても体に影響が出にくくなってきます。不眠、頭痛、めまい、胃の痛み、動悸、胸の痛み、ぜんそく、倦怠感などそのときある症状を治療していきます。

ほかにも、ストレスなどがあると体に反応として出やすい場所があります。この反応が出やすいところを治療することで精神を落ち着かせる効果も期待できます。

おなかなどはよくストレスの影響が出てきます。日本語には「腹が立つ」「はらわたが煮えくり返る」など、感情が高ぶった時に使う表現で腹が出てきます。実際ストレスがたまるとおなかが張って一番下の肋骨の少し下側が硬くなります。このようなときには、その部分をゆるめるように治療すると「ふぅ」と一息つけるようになり呼吸も楽になりスッキリします。

ほかには頭のツボもよく使います。心の不調があるときには、頭を押さえると痛いところがあったり、頭の皮膚がブヨブヨと軟らかくなっていることがあります。頭のてっぺんの「百会」というツボやそのときある圧痛点に鍼や灸をすると落ち着いてくることが多いです。頭のツボは他に頭痛や不眠、のぼせ、イライラにもよく効きます。

あとは背骨(脊柱)の上や背骨の外2㎝くらいのところを押していくと、痛みがあることもあります。心の不調があるときにはこの背中もしっかりと診ておかないといけません。精神症状があるときには、肩甲骨の間がよくはっています。そこよりもう少し下には胃の症状に効くツボもあります。この辺りも治療していきます。また、肩のこりや首(胸鎖乳突筋)のこりなどもストレスがあるとよく現れます。こちらにも鍼灸治療をしておくといいでしょう。

まとめ

以上いろいろと鍼灸治療について書いてきました。鍼灸治療では話をよく聴きながら、体の症状に細かく対応することが分かったかと思います。しかし、心の不調はなかなか良くならず治療期間も長くなることがあります。やはりその場合には、患者さんが心療内科などできちんと診察を受けているか確認をとり、薬物療法や認知療法、カウンセリングと合わせて鍼灸治療を行うことが大切になると思います。治療を組み合わせてしていくことで、相乗効果が期待でき効果も上がります。心の不調で悩んでいる方は、一度鍼灸院に相談してみるのもいいでしょう。



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