首の痛みと鍼灸治療養生灸のススメ

category : 鍼灸治療 2011.7.20

首の痛みを解消しよう

さて、 いろいろと首の痛みについて勉強してきましたが、今回は鍼灸治療で首の痛みを訴える患者さんをどのように治療していくのかを考えてみましょう。

まず、首の治療を始める前に、首の痛みの原因を調べておく必要があります。首の痛みは9割の人は放っておいても問題ないのですが、残りの1割である可能性も考えなければなりません。特に「がんの転移」や「感染症」など、危険なものもあるので、病院を受診していない人には受診してもらうことになります。頚椎症頚椎椎間板ヘルニアなどは鍼灸の適応症ですが、脊髄(中枢神経)が障害されている場合は受診を勧めます。

脊髄症状のチェック法

脊髄を障害されているかどうか分かる簡単なチェック法があるので、紹介しておきましょう。まず手を胸の前に挙げてください。そのまま手を開いたり握ったりする動き(グーパー運動)を、できるだけ速く10秒間繰り返します。「グーパー」で1回と数えて、10秒間に20回以下の場合は脊髄症状が疑われます。

鍼灸治療

さて、問診や検査を行い、すぐに病院に行かなければならない病気でないと判断したら、いよいよ鍼灸治療を行っていきます。

まず、首の痛みに対する治療ですが、首のこりでも頚椎症、頚椎椎間板ヘルニアでも大体共通しています。

首の痛みには筋肉のこりが大きく関係しています。鍼灸治療は筋肉のこりを解消することが得意ですので、積極的に鍼や灸をしていきます。

首でよくこるところは、後頚部の筋肉がよくこります。うなじ部分の髪の生え際の上下2㎝のラインはよくこって、血流も悪くなっています。この部位には天柱(てんちゅう:生え際の少し上で、頚椎から外側に2㎝いったところ)というツボがあり、よく効きます。ここに鍼や灸をして、筋肉を緩め血行をよくしていきます。

そのほか、頚椎の横1㎝の縦のラインもよくこっていることが多いです。触診をして押すとこたえるところを探し、そこに刺激を加えると首の痛みが楽になることがあります。この辺りは、後頭下筋群や頭板状筋といった比較的小さな筋肉が多いので、患者さんにどこがこたえるのかしっかり確認をとりながら施術していきます。

また首の痛みには、肩や背中の筋肉のこりも関係しています。特に影響のある筋肉は、頭の骨から肩、背中に広くついている僧帽筋や、肩甲骨の内側から首の骨についている菱形筋や肩甲挙筋といったものがあります。また、肩甲骨の中央にある天宗(てんそう)というツボもよく使います。鍼灸治療によって首や肩、背中の筋肉のこりをとると、「肩にのっていたおもしがとれたようだ」という人もいます。

ほかに首のこりを解消するのに、前腕部に鍼灸治療をすることもよくあります。曲池(きょくち:肘のしわの外端)や手三里(てさんり:曲池から手首に向かって指三本分下がったところ)などに反応があれば、そこに刺激を加えると首のこりをとってやることができます。また首のこりをとるツボで、失眠(足のかかとの真ん中)というのがあります。このツボは首のこりをとって、夜もぐっすり眠れるようになる効果があります。

しびれがあるとき

首の痛みに手のしびれがある場合、頚椎症や頚椎椎間板ヘルニアの可能性があります。頚椎の病気について書いたときに、どの神経根が障害を受けたときにどこにしびれが出るのか説明しましたので、確認してみましょう。

例えば、第7頚神経根が障害を受けたときには中指に感覚の異常が現れます。これを逆手にとって考えると、中指に感の異常があるときは第7頚神経根に障害が発生している可能性に気づきます。(当然違う可能性もあるため、他の症状や検査で確認をとります)もし、中指のしびれが第7頚神経根の異常が原因だとわかれば、中指のしびれをとるために、首にも鍼や灸をしていきます。中指に限らず、ほかの部分の感覚異常でも頚椎に障害があると分かれば、首を治療していくことが大切です。しかし、首が原因だから首だけを治療するというわけではなく、指や腕の感覚異常があるところにも治療をすることによって、さらに治りを良くします。

痛みの悪循環を断ち切る

首に限りませんが、痛みが長期間続くと、筋肉が緊張して血行が悪くなってしまいます。血行が悪くなると疲労物質がうまく処理できなくなり、さらに痛みが強くなってしまいます。そしてその痛みのせいでまた筋肉が緊張し血行が悪くなるという、「痛みの悪循環」が起こります。この状態を解消するには、悪循環を一度断ち切ってやる必要があります。

鍼灸治療では、首の痛みを治療する際にはこのような考え方から筋肉の緊張をほぐし、体の血行を良くするように治療していきます。



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