白血病に対する造血幹細胞移植について養生灸のススメ

category : 西洋医学 2012.1.29

造血幹細胞移植について

白血病の治療では主に化学療法を行います。しかし中には化学療法の効果がない人などがおり、その他の治療法として「造血幹細胞移植」を行う場合があります。造血幹細胞移植は、急性白血病の根治を期待できる有力な治療法です。しかし、移植に伴う副作用や合併症のリスクも高いため、効果とリスクをよく知って慎重に選択する必要があります。そこで、今回は造血幹細胞移植について勉強していこうと思います。

白血病の治療の基本は、「抗がん剤」を使う「化学療法」です。しかし、抗がん剤だけでは、成長途中でがん化した細胞(白血病細胞)を死滅させられず、一度「完全寛解」の状態に至っても再発する人がいます。また、治療を開始する段階で、再発の可能性が高いと予測される場合もあります。

再発した場合や再発の可能性が高い場合には、「急性白血病」の根治を目指す「造血幹細胞移植」が検討されます。

造血幹細胞移植の方法

造血幹細胞移植は、まず「寛解導入療法」を行い、完全寛解の状態を達成してから行われます。「移植前処置」と、それに続けて行う「造血幹細胞移植」の2段階に大きく分けられます。

●移植前処置

体内の白血病細胞を根絶させるために、大量の抗がん剤を投与します。同時に、全身に「放射線」を照射することもあります。

この移植前処置は、強力な治療法であるため、抗がん剤による様々な副作用が起こります。副作用には、抗がん剤を投与してすぐに起こる一時的なものと、数年のうちに起こる長期的なものがあります。

・一時的に起こる副作用

移植前処置をした直後には、多くの場合、「吐き気」や「脱毛」が起こります。また、口や小腸、大腸などの粘膜が障害されると、「口内炎」「下痢」などが起こります。これらの副作用が現れるのは短期間だけで、通常「吐き気止め」や「痛み止め」を用いることで対処できます。

●造血幹細胞移植

移植前処置を行うと、白血病細胞をほぼ根絶させることができますが、同時に血液細胞のもととなる「造血幹細胞」も死滅します。造血幹細胞がなくなってしまうと、新しい血液細胞をつくる「造血機能」が失われます。そこで、健康な人から健康な造血幹細胞を移植し、点滴で移植する治療が行なわれます。

移植される造血幹細胞は、誰のものでもよいというわけではありません。患者さんとドナー(提供者)の「白血球の血液型」である「HLA型」が一致していないと、免疫反応による症状が起こります。しかし、一致していれば、効果の高い治療法です。

造血幹細胞移植では、次のような3つの方法で造血幹細胞を採取します。

●骨髄移植

ドナーの骨髄のなかの骨髄液を採取して移植する方法です。全身麻酔したうえで、ドナーの骨盤の数か所に針を刺し、骨髄液を採取します。

骨髄移植はHLA型が一致すれば成功率が高く、造血幹細胞移植を考えるときに最初に検討される方法です。ドナーの入院と全身麻酔が必要で、ほかの方法よりもドナーの負担は重くなります。

●末梢血幹細胞移植

ドナー、または患者さん自身の血管の中を流れる血液から、造血幹細胞を採取する方法です。通常、血管のなかの造血幹細胞はわずかしかありません。しかし、白血球を増やす「G-CSF」を毎日、1日1~2回皮下注射で投与すると、4~5日後に骨髄の造血幹細胞が血管の中に流入してきます。この状態で、装置を使って血液中の造血幹細胞を取り戻し、残りの血液を体内の戻します。

移植を受けた患者さんには、骨髄移植と比べ正常な造血幹細胞の回復が速いという長所があります。ドナーには、全身麻酔が不要という長所がありますが、G-CSFの使用や血液の採取で「倦怠感」「吐き気」「骨の痛み」「血栓症」「脾臓の破裂」などの副作用が起こることがあります。

●臍帯血移植

出産時に、へその緒(臍帯)に含まれる造血幹細胞を採取して移植する方法です。「ドナーの負担が少ない」「冷凍保存して必要な時に利用できる」
「HLA型が多少異なっていても免疫反応を起こしにくい」という利点があります。ただし、採取できる量が多くないので、成人の患者さんには不十分な場合もあります。

どの患者さんにどの方法で移植を行うのが最も良いかは、現在はまだはっきりしていません。研究が進めば、将来は患者さんにあった移植の方法が選択されるようになると期待されています。

移植を受けた後は

造血幹細胞移植後は、合併症に対して万全の注意が必要です。起こりやすい合併症には、白血球が減少することで起こる「感染症」や「移植片対宿主病(GVHD)」があります。

●移植片対宿主病について

白血球の一種であるリンパ球は、体内に細菌やウイルスなどの異物が入ると、攻撃して排除しようとします。これを「免疫反応」といいます。

ドナーから移植された造血幹細胞には、リンパ球が含まれています。ドナーから移植されたリンパ球や、ドナーの造血幹細胞が成長してできたリンパ球が、患者さんの身体を敵とみなして攻撃することがあります。この合併症を「移植片対宿主病」といいます。

移植片対宿主病には、移植後の3~4か月以内に現れる急性のものと、それ以降から2年ぐらいの間に起こる慢性のものがあります。

・急性

ドナーから移植されたリンパ球が患者さんの皮膚、肝臓、胃腸などを攻撃して、「発疹」「黄疸」「吐き気」「下痢」などの症状が現れます。

・慢性

移植された造血幹細胞からできたリンパ球が、皮膚や口、目、肝臓、肺などを攻撃するものです。「皮膚の発心や硬化」「口や目の乾き」「黄疸」「息苦しさ」などの症状が起こります。

感染症が起こったり、これらの症状が現れ利した場合には、すぐに移植を受けた医療機関に相談してください。

まとめ

このように白血病の治療では、ドナーという協力者の力を借りて治療していきます。一つ注意が必要なのは、HLA型が一致しないと造血幹細胞移植が行いえないということです。HLA型は親から子へと遺伝するため兄弟姉妹の間では一致する可能性が高いですが、それ以外の場合は確率が極端に下がってしまいます。ドナーが見つからない場合は、骨髄バンクの登録者や臍帯血バンクの造血幹細胞から探すことになります。

どのような造血幹細胞移植になるのか、医師としっかりと話し合うようにしておきましょう。



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