急性白血病の治療はタイプを見極めて行う養生灸のススメ

category : 西洋医学 2012.1.28

急性白血病の治療

白血病にはいろいろなタイプがあります。それぞれのタイプによって治療法などが変わってきます。白血病の中の「急性白血病」の治療は「化学療法」と「造血幹細胞移植」が中心になります。タイプによって治療法や使う薬が異なるので、治療を始める前にタイプを特定しておく必要があります。そこで、今回は急性白血病について勉強していこうと思います。

「白血球」などの血液細胞のもとになる「造血幹細胞」が、血液細胞に成長する途中でがん化するのが急性白血病です。「骨髄性」と「リンパ性」があり、さらにがん化した細胞(白血病細胞)に応じてタイプが細かく分けられます。

急性白血病の治療の基本的な組み立ては、どのタイプでもだいたい同じですが、治療法や使う薬の種類が異なります。そのため、治療の前に詳しく検査を行って、タイプを特定する必要があります。

●タイプを特定する検査

「骨髄穿刺」を行い、採取した「骨髄液」を次の方法で細かく調べます。

・顕微鏡観察

骨髄液に含まれる白血病細胞の顕微鏡で調べます。

・細胞表面抗原検査

白血病細胞にしかない、特徴的なたんぱく(抗原)を調べます。

・染色体検査、遺伝子検査

白血病細胞に特徴的な染色体や遺伝子の有無を調べます。

●急性白血病の治療

「抗がん剤」を使って、体内の白血病細胞を死滅させる「化学療法」が主体となります。化学療法は、「寛解導入療法」と「寛解後療法」の2段階に分けられます。化学療法を行っても再発した場合や、再発する可能性が高いと予測される場合は、「造血幹細胞移植」が検討されます。

急性白血病の「急性前骨髄球性白血病」というタイプや、一部の急性白血病では、「分子標的療法」を行うこともあります。

寛解導入療法

急性白血病では、体内に約1兆個の白血病細胞が存在しています。これを1/100以下に減らすと、顕微鏡観察で白血病細胞を確認できなくなります。骨髄内に充満していた白血病細胞がここまで減少すれば、骨髄で正常な血液細胞がつくられるようになります。この状態を「完全寛解」といいます。完全寛解を達成するのが、急性白血病の治療の最初の目標となります。

寛解導入療法では、白血病のタイプによって抗がん剤などの薬をいくつか組み合わせて、大量に投与します。この治療法で70~90%の患者さんが完全寛解の状態に至ります。

●治療中の合併症

抗がん剤には、細胞が増殖するのを抑えて死滅させる働きがありますが、白血病細胞だけでなく正常な細胞にもダメージを与えます。そのため、治療中は合併症対策を行う必要があります。

・感染症

「白血球」が減るため、「感染症」を起こしやすくなります。予防のために手洗いやうがいを徹底します。あらかじめ抗菌薬などが使われることもあります。

・出血、貧血

赤血球や血小板が減ることで起こる「出血」や「貧血」に対しては、赤血球や血小板の輸血を行います。輸血は、赤血球や血小板が減ってきたから時点から予防的に始めます。

それ以外にも、発熱には「解熱薬」、吐き気には「吐き気止め」を使い、患者さんの合併症による不快感を減少するように治療が進められます。

寛解後療法

寛解導入療法で完全寛解に到達しても、実際には体内からすべての白血病細胞が消えたわけではありません。寛解後も、体内に残った白血病細胞を徹底的に減らすために化学療法を続けます。

寛解後療法は、寛解導入療法で使ったものより少し弱い抗がん剤を点滴で用い、1~2年かけて入退院を繰り返しながら行います。外来で内服薬を使って行われることもあります。寛解導入療法と寛解後療法を行うことで、約30~40%の人で白血病細胞が完全になくなるといわれています。

入院していないときは、職場や学校へ行くこともでき、健康な人と同じような生活ができます。しかし、感染症への注意は必要で、手洗いとうがいを徹底します。激しい運動なども控えましょう。

再発したり再発を予測できる場合

寛解導入療法と寛解後療法である程度白血病細胞が減っても、再び白血病細胞が増えてくることがあります。再び白血病細胞が顕微鏡で確認できるまで増えることを「再発」といい、化学療法を受けた人の約50~60%で再発が起こるといわれています。

特に、「発症時の年齢が60歳以上」「診断時の白血病細胞の数が多い」「特定の染色体異常がある」「完全寛解に至るまでの時間が長い」などの場合は、再発しやすいことが分かっています。

再発した場合、再び化学療法を行っても効果が期待できないため、ほかの治療法が検討されます。以前は、急性白血病の治療は化学療法だけでしたが、最近は造血幹細胞移植や分子標的療法が行われるようになり、高い効果を上げています。

●造血幹細胞移植

強力な化学療法と「放射線療法」で、白血病細胞と造血幹細胞をすべて死滅させて、新しい造血幹細胞を移植します。

●分子標的療法

正常な細胞に悪影響を及ぼさず、白血病細胞だけを狙って死滅させる方法です。主に「分化誘導療法」と「抗体療法」があります。

・分化誘導療法

ある段階以上に成長できない白血病細胞を正常な血液細胞に成長させ、自然に死滅させる方法で、急性前骨髄性白血病というタイプに対しては特に有効な方法です。ビタミンAの一種である「全トランス型レチノイン酸(ATRA)」という薬が使われます。

・抗体療法

急性骨髄性白血病の白血病細胞の多くには、表面に「CD33」というたんぱく(抗原)があります。このCD33だけに結合する「抗体(抗CD33抗体)」に抗がん剤を組み合わせた薬を投与すると、薬が白血病細胞に取り込まれます。薬から切り離された抗がん剤は白血病細胞の核の中の遺伝子を破壊します。遺伝子を破壊された白血病細胞は増殖できず、やがて死滅します。

現在は、化学療法と造血幹細胞移植による治療法が主流です。しかし、白血病細胞の研究が進むことで、より体に負担の少ない治療法が開発されることが期待されています。

まとめ

このように、以前よりも治療法が増えてきており、患者さんに合わせて治療することが可能になってきています。

急性白血病は進行が速く、放置すると1~3か月でなくなってしまうので、症状に気づいた場合はすぐに診察を受けて、タイプを見極め、適切な治療を受けるようにしましょう。



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