慢性白血病に対する治療法について養生灸のススメ

category : 西洋医学 2012.1.27

慢性白血病の治療

血液のがんともいわれる「白血病」ですが、それにはいくつかのタイプがあります。その中に一つに「慢性骨髄性白血病」というものがあります。この慢性骨髄性白血病は白血病のなかでも特に治療法が進歩している病気です。そこで、今回は慢性骨髄性白血病について勉強していこうと思います。

「慢性骨髄性白血病」は、血液細胞のもととなる造血幹細胞ががん化する病気です。初期はほとんど症状がありませんが、放置すると確実に進行します。
以前は治りにくい病気とされていましたが、最近では発症にかかわる遺伝子を標的とした治療が開発され、早期に治療を始めれば症状のない状態を長期間維持することも可能になってきています。

慢性骨髄性白血病の進行

一般に、「慢性期」から「急性期」へと病気が進行していきます。

・慢性期

発症初期の段階で、血液細胞が必要以上につくられています。血液細胞の産生にエネルギーが多く費やされるために、「体重が減少する」「微熱が続く」などの症状が起こることがありますが、特に症状がない場合も少なくありません。

・急性期

病期が進行し、造血幹細胞の成長が途中で止まります。骨髄でがん化した細胞(白血病細胞)が増殖し、正常な血液細胞が減少するため、「貧血」「感染症」「出血」が起こります。急性期に入ると、死亡率が極めて高くなります。

治療を受けていないと、慢性期から数年で急性期に進行します。また、慢性期から「移行期」という段階を経て進行する場合もあります。

●治療の目的

慢性骨髄性白血病は、慢性期のうちは健康な人とほとんど同じように生活できますが、急性期に入ると急性白血病と似た症状が現れます。さらに、急性白血病の治療では抗がん剤を使った治療が効果を示すのに対して、慢性骨髄性白血病の急性期ではあまり効果が見られません。急性期に入ると治療は難しいのが現状なのです。

そのため、慢性期から急性期に進行するのを抑え、慢性期の状態を維持することが治療の目標になります。

慢性骨髄性白血病の治療では、慢性期のうちに病気を発見することが最も大切です。慢性期は、白血球の数が増加しているのが特徴です。健康診断などの血液検査で、炎症や風邪などの感染症がないにもかかわらず、白血球数の増加が認めら得た場合は、必ず再検査を受けて原因を確かめるようにしておきましょう。

治療法

以前は、慢性期を維持する主な治療法は、「造血幹細胞移植」でした。大量の抗がん剤を使ったり全身に放射線を照射したりして、がん化した造血幹細胞を死滅させた後に、体外から新しい造血幹細胞を移植するという治療法です。副作用が強いため、症状があまりない慢性期の患者さんにとっては、厳しい選択でした。

しかし、慢性骨髄性白血病では、その発症のメカニズムの解明が進み、「イマニチブ」という新しい薬が開発されました。この薬を使うことで、従来より体に負担の少ない治療が行なえるようになっています。

●イマニチブを使った「分子標的療法」

イマニチブは慢性骨髄性白血病の白血病細胞だけに効果を発揮する薬です。こうした薬を使って、正常な細胞にダメージを与えず、異常な細胞だけを狙う治療法を「分子標的療法」といいます。

分子標的療法は、さまざまな病気の治療で行われていますが、なかでも効果が高いのが慢性骨髄性白血病に対するイマニチブです。イマニチブを毎日続けて服用した場合、5年後の生存率は約95%です。

慢性骨髄性白血病の白血病細胞には、「フィラデルフィア染色体」という異常な構造をもった染色体が含まれていることが分かっています。この異常な染色体があると、正常な細胞にはない「異常なたんぱく(BCR-ABL融合たんぱく)」がつくられます。この異常なたんぱくが、白血病細胞を増殖させたり、細胞が自然に死んでいく仕組みを抑えたりしているのです。イマニチブは、白血病細胞の中に入り込んで、この異常なたんぱくに結合し、その働きを抑える作用があります。

造血幹細胞移植よりも副作用が軽く効果が高いため、慢性骨髄性白血病の治療で最初に選択される薬です。現在、造血幹細胞移植を最初に検討することはほとんどなくなっています。

●イマニチブの副作用

イマニチブも副作用がないわけではありません。元雄も多いのは「皮膚の発疹」で、それ以外にも「目の周りやふくらはぎのむくみ」「吐き気」「下痢」「肝臓や腎臓の機能の低下」「筋肉の痛み」などが起こることがアリアンす。

しかし、むくみには「利尿薬」を使ったり、吐き気には「薬を食後に服用する」といった対処を行うことで、イマニチブの副作用を軽減することが可能です。こうした対処によって、ほとんどの患者さんはイマニチブを使った治療を続けることができます。

イマニチブにも課題がある

イマニチブは病気の進行を抑えるのに高い効果がある薬ですが、一定期間服用すれば完全に白血病細胞を死滅させることができるというわけではありません。基本的には、慢性期の状態を維持するためにイマニチブの服用を続けます。薬を服用して、検査で白血病細胞が見つからなくなると、治ったと思う人もいます。しかし、途中で薬の服用をやめてしまうと、再び白血病細胞が増殖して病気が再発することがあります。

最初は薬の効果があっても、薬を使い続けるうちに薬が効かなくなることもあります。また、まれに初めから薬が効きにくい人もいます。

●再発した場合やイマニチブが効かない場合

薬の服用の中止などによって再発した場合や、イマニチブの効果があまり見られない場合もあります。そういった場合は、イマニチブを増量して服用したり、異常なたんぱくの働きを抑える作用を持つ、ほかの薬に切り替えて薬物療法を続けます。薬の効果が期待できなかったり、患者さんの状態が悪化している場合には、薬物療法ではなく送血幹細胞移植を考えることもあります。

慢性骨髄性白血病はイマニチブが開発されたことで、治療の効果が大幅に向上しました。現在、イマニチブの他にも様々な薬が開発されており、さらに効果のある新しい治療法に期待が寄せられています。

まとめ

このように、かつては治らない病気とまで言われていた白血病ですが、最近ではさまざまな研究によって少しずついい治療法が見つかってきています。

また、どんな治療もそうですが、早期に発見することが大切です。健康診断などで異常があっても再検査を受けない人などもいますが、これはいけません。しっかりと再検査を受けて、病気が隠れていないかどうかを調べることが大切です。慢性白血病も症状からは気がつきにくいので、きちんと調べておきましょう。



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