睡眠時無呼吸症候群の検査と治療について養生灸のススメ

category : 西洋医学 2012.1.20

大きないびきに注意しよう

皆さんは「睡眠時無呼吸症候群」という言葉を聞いたことはあるでしょうか。これは夜寝ている間に大きないびきをかいて、途中で何度も呼吸が止まる病気です。いびきをかくくらいなら問題ないと思ってしまいますが、日中に車の運転中眠ってしまったり、あるいは高血圧や心筋梗塞などの重大な病気を引き起こすこともある恐ろしい病気なのです。そこで、今回は睡眠時無呼吸症候群について勉強していこうと思います。

睡眠時無呼吸症候群とは

睡眠時無呼吸症候群は睡眠中に繰り返し呼吸が止まる病気です。この病気の患者さんは、睡眠中に大きないびきをかきます。このいびきは突然止まりますが、このとき呼吸も止まるのが特徴的です。通常、呼吸の止まった状態は10~20秒ほど続きますが、長い場合には1分間ほど続くこともあります。その後、大きないびきとともに、呼吸が再開します。このように、「大きないびき」と「いびきと呼吸の止まった状態」が、一晩中に何度も繰り返し起こります。

●無呼吸はなぜ起こるのか

睡眠中に呼吸が止まるのは、気道の上部にあたる「上気道」が塞がることによるもので、主な原因は肥満です。

睡眠状態に入ると全身の筋肉が弛緩するため、のどのあたりの筋肉も緩みます。しかも、仰向けの姿勢になると、重力で舌の根元(舌根)などが上気道のほうへ落ち込みます。その結果、上気道が狭くなります。

通常は、上気道が塞がるほど狭くなることはありません。しかし、肥満があると、のどの内側にも脂肪や軟部組織などが付着しており、もともと上気道が狭い状態になっています。睡眠状態に入って筋肉が緩むと、上気道はさらに狭くなります。そこを空気が無理に通るときにいびきが生じ、上気道が完全に塞がると呼吸が止まります。

呼吸が止まると、酸素不足に陥った脳が目覚めます。すると、弛緩したのどの筋肉が活動性を取り戻し、上気道が開いて呼吸が再開します。睡眠時無呼吸症候群では、このように脳が何度も覚醒してしまい、本人は十分眠ったつもりでも、実際には深い睡眠がとれていません。そのため、昼間の仕事中や自動車の運転中などに、強い眠気に襲われたり、体がだるくなるなどの症状が現れます。

肥満している人のほか、あごが小さい人やあごが後退している人も、仰向けになると上気道が狭くなりやすく、睡眠時無呼吸症候群を起こしやすいといえます。

●酸素不足や合併症

睡眠中に呼吸が止まると、血液中の酸素が減少します。酸素不足はすべての臓器に悪影響を及ぼしますが、特に、循環器系は酸素不足の影響を受けやすく、睡眠時無呼吸症候群を放置すると、「高血圧」「狭心症」「心筋梗塞」「脳卒中」などの病気が起こりやすくなります。

最近は、睡眠時無呼吸症候群の患者さんは、心筋梗塞などで死亡する確率が健康な人より高く、寿命が短いという報告もあります。

睡眠時無呼吸症候群の患者さんで特に多いのが、40歳代~60歳代にかけての男性です。女性の場合、更年期までは少なく、更年期を過ぎると男性と同程度に増える傾向があります。

日本では、睡眠時無呼吸症候群の患者数は、200万~300万人と考えられていますが、そのうち、治療を受けている人は10万人程度に過ぎません。早めに病気に気づいて、治療を受けることが大切です。

睡眠時無呼吸症候群の検査

医療機関では、いびきや呼吸の様子、昼間の眠気、肥満の状態などについての問診が行われます。就寝中の様子については、寝室を共にする家族がいれば同行し、答えてあげるとよいでしょう。

問診で睡眠時無呼吸症候群の可能性があると判断された場合、患者さんは小型の測定機器を持ち帰り、自宅で簡易検査を行って、呼吸の状態などを調べます。

簡易検査の結果、睡眠時無呼吸症候群の可能性が高い場合には、1泊入院して精密検査(睡眠ポリグラフ検査)を受けます。この検査は、患者さんの睡眠中に10種類以上のデータを測定しますが、特に重要なのは次の項目です。

・脳波

睡眠の深さなど、睡眠の質について調べます。

・口や鼻の気流

呼吸の状態を調べます。口と鼻の空気の流れを測定し、波形で表します。

・呼吸の伴う胸部・腹部の運動

呼吸するときの胸とおなかの動きを調べます。

・心電図

心拍数の変化や不整脈の有無などを調べます。

・酸素飽和度

血中の酸素濃度を測定します。

睡眠時無呼吸症候群の診断

「無呼吸」あるいは「低呼吸」が、一晩(約7時間の睡眠中)に30回以上、または1時間に平均5回以上あり、「日中の異常な眠気」がある場合に、睡眠時無呼吸症候群と診断されます。

無呼吸とは、口と鼻の気流が10秒間以上停止した状態のことです。低呼吸とは、10秒間以上、口と鼻の気流が通常の呼吸時より50%以上低下し、かつ、酸素飽和度が通常より3%以上低下した状態のことです。無呼吸や低呼吸の回数が多いほど重症とされます。

睡眠時無呼吸症候群の治療

睡眠時無呼吸症候群の治療法には、主に次のものがあります。

●外科手術

扁桃の肥大によって、上気道の閉塞が起こっている場合には、扁桃を摘出する手術が有効です。これは、特に子供によくみられます。

●マウスピース

軽症の場合は、睡眠中にマウスピースを装着し、下あごを前に出して、上気道が塞がるのを防ぎます。マウスピースは歯科で作成します。

●CPAP療法(シーパップ)

全ての例に有効ですが、特に重症例に用いられます。小型の装置を使って、鼻から患者さんに適した圧力で空気を送り込み、上気道が広がった状態を保ちます。

患者さんは鼻マスクをして眠ります。最初は違和感を感じることがありますが、慣れてくると気にならなくなり、熟眠できるようになります。

まとめ

睡眠時無呼吸症候群はまだまだ一般的に知られている病気とは言えないでしょう。実際には大勢の人が睡眠時無呼吸症候群であるといわれていますし、体全体に影響のある病気ということをまずは知っておきましょう。

いびきをかいていると「よく眠っているな」と思われがちですが、スヤスヤと静かに寝ている方が睡眠の質はよいのです。治療を受けると多くの方が、日中のだるさなどが解消され、快適な生活を送れるようになりますので、一度調べてみるのがよいと思います。



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