網膜剥離の起こり方と治療法養生灸のススメ

category : 西洋医学 2012.1.18

突然起こる飛蚊症に注意

失明する病気の一つに「網膜剥離」があります。この網膜剥離は目の前を虫のようなものが飛んで見える「飛蚊症」が病気のサインとして現れることがあります。突然飛蚊症が起こったり、見えるものが急激に増えたりした場合は、できるだけ早く受診する必要があります。そこで、今回は網膜剥離について勉強していこうと思います。

飛蚊症は、目の前で小さな虫が飛んだり、糸くずが舞ったりしているように見える病気です。治療の必要はないことがほとんどですが、目の奥にある「網膜」が本来の場所から剥がれてしまう網膜剥離が原因で起こっていることもあるため、注意が必要になります。飛蚊症は加齢によっても起こります。実際に60歳以上の人に多く、年齢とともに増加します。目の「水晶体」と網膜の間はゼリー状の「硝子体」で満たされていますが、加齢とともに硝子体に濃淡ができると、飛蚊症が起こることがあります。これは生理的な現象なので、通常問題ありません。

しかし、今まで飛蚊症がなかったのに突然に現れたり、見えるものが急に増えたりした場合には注意が必要です。急な変化があったときは、網膜剥離を起こしている可能性があります。

網膜剥離の起こり方

硝子体は99%が水分でできたゼリー状の組織ですが、加齢とともに、水っぽくなってきます。その結果、硝子体に濃淡ができ、網膜に影ができて起こるのが、生理的な飛蚊症です。

硝子体が縮んで網膜から離れていきますが、硝子体が離れるだけなら問題はありません。このとき、網膜との癒着が強い部分があると、網膜が一緒に引っ張られ、網膜に孔が開きます。孔が開くと、網膜の外側にある「網膜色素上皮細胞」と網膜の間に液化した硝子体が流れ込み、網膜が剥がれてしまうのです。

●主な症状

・飛蚊症

網膜剥離の代表的な症状です。網膜の孔を通って硝子体に入ってきた色素や、孔が開くときの起こった出血が、影のように見えるために起こります。

・光視症

収縮した硝子体が網膜を引っ張ると、光が走るように見えたり、目を閉じていても光を感じるようになります。これを「光視症」といいます。硝子体が網膜から離れるときに、網膜が引っ張られることもあるため、光視症の有無だけで、網膜に孔が開いているかどうかを判別することはできません。そのため、光視症が起こったら、早めに眼科を受診し、診断を受ける必要があります。

・視野欠損

網膜の剥がれた部位に応じて、像の一部が欠けて見えるとようになります。

・視力低下

網膜のなかで最もものをみる機能の高い「黄斑部」に剥離が及ぶと、視力が急激に低下します。

●若い人にも起こる網膜剥離

若い人に多い「網膜格子状変性」によって、網膜剥離が起こることもあります。網膜格子状変性とは、何らかの原因で網膜の一部が薄くなるもので、薄くなった網膜に孔が開き、そこから液化した硝子体が入り込んで、網膜が剥がれることがあるのです。網膜格子状変性があるだけでは症状は出ませんが、網膜剥離が進むと症状が現れます。

網膜格子状変性は、強い近眼の人に起こりやすいことが分かっています。強い近眼の人は、網膜が薄かったり、眼軸(目の奥行)が長くて網膜がはがれやすいため、起こりやすいのではないかと考えられています。

アトピー性皮膚炎の患者さんにも、網膜剥離が多くみられます。強いかゆみのために目の周囲を叩いてしまい、外傷性の剥離が起こることがあるのです。

網膜剥離の治療

網膜の剥がれた部分を修復して進行を食い止めるために、次のような治療を行います。治療技術の進歩によって、早期に発見し、早期に適切な治療が行われれば、網膜剥離による失明が起こることは少なくなってきます。

●レーザー治療

網膜に孔はあるものの、剥がれ方が小さい場合や、ほとんど剥がれていない場合に行われます。

孔や剥がれた部分のまわりにレーザーを照射して、焼き付けることで、網膜をくっつけます。治療そのものは短時間で終わり、痛みもほとんどありません。外来で受けることができます。

●網膜復位術(強膜バックリング)

レーザー治療の対象にはならないものの、孔や剥離部分が比較的小さい場合に行われます。

孔の開いた部分の周囲の網膜を冷凍凝固して癒着させてから、眼球の外側にシリコン製のスポンジを縫い付けて押さえ、剥がれた網膜と網膜色素上皮細胞をくっつけます。スポンジは基本的に入れたままにしておきます。通常、1~3種間程度の入院が必要です。

●硝子体手術

剥がれた部分が大きい場合に行われます。

眼球の房水(毛様体から分泌される液体)に似た性質をもつ「灌流液(かんりゅうえき)」を注入しながら、網膜を引っ張っている硝子体を吸収し取り除きます。そこに空気を入れて、その圧力で剥がれた網膜をくっつけ、孔のまわりをレーザーで凝固します。最後に硝子体のあった部分にガスを注入します。ガスは1~2週間でなくなり、房水と置き換わります。

ガスは軽く、上方に移動する性質があります。手術後は、ガスの位置を安定させて網膜に圧力をかけるために、うつぶせの状態で安静に過ごします。通常、1~3週間程度の入院が必要です。

また、高齢者の場合、硝子体手術を行うと、「白内障」が起こりやすくなることが分かっています。そのため、同時に「眼内レンズ」を挿入する、白内障の手術も行うことがあります。

いずれの治療法の場合も、手術後しばらくは激しい運動は避けてください。

●症状があれば安静にして、すぐに受診する

網膜剥離は、時間の経過とともに剥がれた部分も広がってきます。黄斑部に剥離が及ぶと、視力の回復が難しくなることもあります。そのため、できるだけ早く治療を受けることが大切です。

また、網膜剥離が疑われる症状があるときは、激しく動くとさらに剥がれる可能性があるため、激しい動きを避けて安静にし、すぐに医療機関を受診してください。

まとめ

網膜剥離は確かに怖い病気ですが、早期に発見して治療を行えば90%以上は治るともいわれています。我々は常に目を使って生活していますので、失明につながるようなことがあると生活の質(QOL)が大きく低下してしまいます。飛蚊症など、網膜剥離の症状が現れた場合には、ぜひ一度検査を受けてみるとよいでしょう。



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