糖尿病網膜症を治療して失明を防ごう養生灸のススメ

category : 西洋医学 2012.1.16

中途失明の危険!

近年、日本において、中途失明の原因で第2位となっているのが、糖尿病の合併症の1つである糖尿病網膜症です。糖尿病は日本の国民病とも言われる病気であり、決して他人事ではありません。突然目が見えなくなってしまうと、日常生活にも大きな支障が出ますので、十分注意しておく必要があります。そこで、今回は糖尿病網膜症について勉強していこうと思います。

「網膜」とは、外から「水晶体」を通して目に入ってきた光が像を結ぶ部分で、目をカメラに例えると「フィルム」の相当します。網膜には多くの毛細血管が集まっていますが。糖尿病があると毛細血管が障害されてもろくなったり、詰まりやすくなったりします。放置すると、突然失明することもあります。これが糖尿病網膜症です。

毛細血管は、糖尿病を発症してから数年~十数年かけて徐々に障害されていきます。しかし、視力は徐々に低下するわけではなく、多くの場合、ある日突然に急激な視力低下が起こります。それまではほとんど視力が変わらないため、糖尿病網膜症の進行に気づかないことが多いのです。

このように、糖尿病が原因で突然に失明することもあるため、早めの対処が必要です。

糖尿病網膜症の進行

糖尿病は、血糖値(血液中のブドウ糖の濃度)が高い状態が続く病気です。血糖が多いと、全身の血管が障害されます。網膜の毛細血管も例外ではなく、糖尿病の進行に伴ってもろくなったり、小さなこぶができたりします。毛細血管が破れ、網膜に小さく出血することもあります(眼底出血)。

進行すると、血管が詰まり、新鮮な酸素や栄養が十分に網膜に運ばれなくなるため、それを補うために新たな血管が作られます。この「新生血管」は、非常にもろくて破れやすい血管です。

さらに進行すると、新生血管が破れて、水晶体と網膜の間を満たしているゼリー状の「硝子体」に出血を起こします(硝子体出血)。すると、血液によって光が遮られ、網膜に届かなくなるために、突然視力が低下するのです。さらに、新生血管が作られるときに網膜の上にできる薄い膜(増殖膜)が網膜を引っ張り、「網膜剥離」を起こすこともあります。

このように段階を踏んで進行していくものの、硝子体出血が起こるまで自覚症状は現れないことも少なくありません。

黄斑浮腫について

網膜の中でも最もものをみる機能が高い部分を、「黄斑部」といいます。糖尿病によって網膜の毛細血管が障害されると、血液中の水分や脂肪がもれだして黄斑部にたまり、むくんできます。この状態を「黄斑浮腫」といい、徐々に視力が低下してきたり、ものがゆがんで見えたりするようになります。

糖尿病網膜症の人には、黄斑浮腫が並行して起こることが多く、その場合は視力が徐々に低下して行きます。そのため、網膜症と同時に治療を行う必要があります。

治療について

糖尿病網膜症の治療は、病気の進行に応じて異なります。しかしどの段階においても、糖尿病網膜症の背景にある糖尿病の治療が欠かせません。

●血糖コントロールが基本

血糖値を下げるには、食生活の改善や運動療法を行いますが、効果が現れない場合や効果が不十分な場合などに、薬による治療が必要になります。また、最近では初期から食事・運動療法とともに薬物療法を行うこともあります。血糖がコントロールできれば、網膜症の進行を防ぐことも可能です。

●レーザー治療

新生血管がある場合に行うのが、「レーザー治療」です。毛細血管の詰まった部分にレーザーを照射して凝固し、新生血管の増殖を防ぎます。「黄斑浮腫」がある場合、浮腫の原因となっている毛細血管などに対しても行われます。局所麻酔をして行うため、ほとんど痛みはありませんが、痛みを感じる人もいます。

通常、1回の治療で500発ほど照射します。眼底全体に行う場合は、炎症を防ぐために、1週おきに4回程度に分けて行います。

重症の糖尿病網膜症で、レーザー治療を受けなかった人と受けた人の失明率を調べたところ、受けなかった人の30%以上が6年たった時点で失明していましたが、受けた人では20%以下に抑えられています。

●硝子体手術

新生血管が破れて、硝子体出血が起こっている場合は、「硝子体手術」が行われます。白目の部分に小さな孔を3か所開けて、出血を硝子体ごと吸引します。硝子体を取り除いても、「毛様体」という部分から「房水」が分泌されるため、眼球の形は保たれます。出血が除去されれば、また元通り見えるようになることもありますが、網膜自体の傷みが重い場合には、視力が十分に出ないこともあります。

また、硝子体出血を長く放置していると、治療を受けても視力が戻らないこともあります。

●その他の治療法

眼の中に「ステロイド薬」や「抗がん剤」の一種を注射する、黄斑浮腫の治療の研究が進んでいます。これらの治療法は現在さまざまなところで治験が行われています。

糖尿病網膜症を防ごう

糖尿病は自覚症状の乏しい病気です。糖尿病と診断されたら、症状がなくても治療を行い、定期的に目の検査も受けるようにしましょう。

検査では、主に「眼底検査」が行われます。「瞳孔」から眼球の奥をのぞき、網膜や網膜の血管の状態を直接観察する検査です。新生血管を調べるために、蛍光色素を腕の静脈から注射して行う「蛍光眼底造影」が行われることもあります。

眼底検査で「まだ網膜症になっていない」と診断された場合でも、半年~1年に1回は検査が必要です。眼底出血がみられた人やレーザー治療を受けた人は月に1回検査を受けます。

糖尿病網膜症が、早めに発見できれば治療法の選択肢も広がり、失明を防げることもあります。血糖コントロールに努め、定期的に検査を受けることが大切です。

まとめ

糖尿病の半分の人は目に障害をきたすといわれています。そして網膜症を起こした人の約1/4は失明するほどの重症になるとされています。このように気楽に考えていていい病気ではありません。しかし、実際に糖尿病になると症状がないため、軽く考えている人も多いのです。糖尿病網膜症は生活に大きな影響を与える病気であると知っておき、検査を受けて必要な治療を行うことが大切です。

一度悪化すると視力は戻りませんので、食事や運動にも注意して血糖コントロールを行っていきましょう。



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