大腸がんの進行度により手術法を選択する養生灸のススメ

category : 西洋医学 2012.1.12

大腸がんの手術

最近増加傾向にある大腸がんですが、治療は主に手術を行います。検診を受けて自分ががんだとわかり、手術が必要などといわれると大変なことだと感じてしまうでしょう。しかし、最近は手術の技術が上がってきており、体への負担が少ない方法も行われるようになってきています。そこで今回は大腸がんの手術について勉強していこうと思います。

大腸がんの治療の基本は、手術によるがんの切除です。手術の方法や切除する範囲は、大腸がんの「進行度(ステージ)」と、「結腸がんか、直腸がんか」によって決められます。

大腸がんの進行度(ステージ)

大腸壁は、「粘膜」「粘膜下層」「固有筋層」「漿膜下層」「漿膜」の5層からなります。大腸がんは5層の最も内側にある粘膜に発生し、外側へと進行していきます。大腸がんはどれだけ広がっているかによって、次のように分類されます。

・0期
がんが粘膜内にとどまっている状態です。

・Ⅰ期
がんが粘膜下層、あるいは固有筋層にとどまっている状態です。

・Ⅱ期
がんが固有筋層を越えていたり、漿膜まで達している状態です。

・Ⅲ期
がんの深さにかかわらず、がんが「リンパ節」へ転移している状態です。

・Ⅳ期
がんが、肝臓などのほかの臓器へ転移していたり、おなかを覆っている「腹膜」に散らばって転移している状態(腹膜播種)です。

なお、「早期がん」とは、リンパ節転移の有無にかかわらず、がんが粘膜や粘膜下層にとどまっているものをいいます。早期がんでは、内視鏡による治療が可能な場合もあります。一方、「進行がん」というのは、がんが粘膜下層を越えているものをいいます。大腸がんの場合、がんが進行していても、手術をすることで治療効果が期待できる場合があります。

結腸がんの手術

結腸がんの手術では、がんがある「腸管」と、転移する可能性が高い周囲のリンパ節を取り除くのが原則です。

手術では、がんを中心に口側と肛門側の腸管をそれぞれ10cm程度切除し、残った腸管をつなぎ直します。リンパ節は腸管に沿って存在するものと、腸管に栄養などを送るための血管に沿って存在するものがあり、通常、血管を含めて腸管とリンパ管を扇状に切除します。

結腸は長いので、腸管を20cmぐらい切り取っても通常大きな問題はなく、リンパ節も大腸の近くにあるものだけを切除するので、体に影響を及ぼすことはほとんどありません。

●結腸がんの手術方法

おなかを大きく切開する「開腹手術」と、小さな孔をおなかにいくつか開けて行う「腹腔鏡手術」があります。どちらの方法も、切除する腸管とリンパ管の範囲は同じです。

・開腹手術

一般に、進行度がⅠ期の後半あたりからⅣ期までの結腸がんに対して行われ、広く実施されている手術です。ただし、傷痕が大きいので手術後に痛みが残りやすく、大腸と腹膜などの癒着が起こりやすくなります。

・腹腔鏡手術

基本的に、0期のがんでも内視鏡での切除が難しいものや、Ⅰ期の結腸がんに対して行われます。腹部に小さな穴を4か所程度開け、そこから内視鏡の一種である「腹腔鏡」や手術器具を挿入します。モニターで映像を確認しながら体内で病変部を切除したり、病変部のある腸管を体外に取り出してから、切除します。

傷が小さいので痛みが少なく、治療後の癒着も起こりにくい手術ですが、特殊な器具や技術が必要なので、行える医療機関は限られています。また、開腹手術より手術時間が長くなります。

直腸がんの手術

かつては、直腸がんの手術では肛門まで切除し、人工肛門をつくるのが主流でした。しかし現在では、肛門を残し、排便機能を維持する手術も行われています。

また、直腸の周囲には、排尿・排便機能や性機能をつかさどる「自律神経」が通っています。この自律神経を、できるだけ傷つけたり切除しないようにしながら、直腸がんの手術ができる場合も多くなりました。ただし、がんの進行度によっては、自律神経の温存が難しいこともあります。

●直腸がんの手術方法

直腸がんでは、次の3つの方法が行われています。

・肛門機能温存術

がんのある位置が肛門から3~4cm以上離れている場合に行われます。肛門と肛門を締める筋肉(肛門括約筋)は残して、がんを含めた直腸の一部を切除し、切除後の端と端を縫合(吻合)します。肛門を残すことができるので、手術後も自然に排便することができます。

最近では、直腸がんの約70~80%で、肛門機能温存術が行われるようになっています。ただし、高齢者などで肛門括約筋が弱っているような場合は、手術後に「頻便」が起こったりするので、人によっては人工肛門を作った方が、活動的な生活を送れることもあります。

・直腸切断術

がんが肛門の近くにある場合は、肛門を含めた直腸を切除し、人工肛門を作ります。一般に、人工肛門はがんを切除してから左側の下腹部の体表に孔をあけ、そこから結腸の先端を引き出し、おなかの皮膚と縫合して作ります。

人工肛門は、毎日の手入れが欠かせません。体型などから、手入れしやすい位置には個人差があるため、下腹部のどの位置に人工肛門を作るのかを、事前に医師とよく相談しておきましょう。

・局所切除術(経肛門的切除)

特殊な手術器具を肛門から挿入し、直腸を切開してがんを切り取る方法です。リンパ節転移がなく、粘膜にとどまっているがん、あるいはがんの直径が2cm以内で、粘膜下層の上部にとどまっているがんに対して行われます。また、肛門はそのまま残せます。

大腸がんの手術を受ける場合は、病状をきちんと把握し、手術後の障害や生活への影響も理解したうえで、担当医とよく相談しながら自分に適した方法を選択することがとても大切です。

まとめ

このように大腸がんの手術といってもさまざまな方法があります。それぞれ自分に合った方法で、自分の生活などのことも考えながら選ぶ必要があります。人工肛門も使い方が分かればそれほど日常生活には支障はありません。あらかじめ、どのようなものかを説明を受けておいてもいいと思います。



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