C型肝炎に対する薬物療法について養生灸のススメ

category : 西洋医学 2012.1.9

C型肝炎とは

C型肝炎」は、血液を介して感染する「C型肝炎ウイルス」によって起こる肝臓病です。主な感染経路は、ウイルスにお汚染された血液の輸血や血液製剤です。現在、日本ではこれらを介した新規感染はほとんど防ぐことができるようになっているのですが、かつて感染していながら、気づいていない人が多いと考えられています。そこで、今回はC型肝炎について勉強していこうと思います。

C型肝炎ウイルスに感染すると、多くの場合、自覚症状がないままに慢性肝炎になって徐々に進行します。進行とともに肝臓が「線維化」し、肝硬変から肝がんへと進む人が多くなるので、自覚症状がなくても、慢性肝炎の進行をくいとめる治療が重要です。

治療法

最も有効なのは、原因となっているウイルスを排除することで、そのために行われるのが「抗ウイルス療法」です。抗ウイルス療法が行えない場合や、抗ウイルス療法でウイルスが排除できない場合には、肝機能を改善することで肝硬変や肝がんの予防を目指す「肝庇護療法」を行います。

●抗ウイルス療法

「インターフェロン」を用いる治療で、注射薬のインターフェロンを単独で用いる場合と、内服薬の「抗肝炎ウイルス薬」を併用する場合があります。インターフェロンの効果はウイルスの型や量によって差があり、従来の治療では、日本で最も多いタイプである「1型・高ウイルス量」のC型肝炎にはあまり効果がありませんでした。しかし、近年新しい薬が登場し、有効性が格段に向上しています。

●肝庇護療法

主に「肝庇護薬(肝機能改善薬)」を用いて、肝機能の改善を図ります。また、体内に鉄が過度にたまると肝炎を悪化させるといわれることから、鉄を減らす目的で、静脈から注射器で血液を抜き取る「瀉血療法」が行われることもあります。

●食事・生活の注意

慢性肝炎の人には、かつては「高エネルギー・高タンパクの食事、安静」が必要とされていましたが、最近ではむしろ肥満を避けて、適度に運動することが勧められています。

治療に使う薬について

薬物療法の中心はインターフェロンで、肝庇護薬が補助的に用いられます。

●インターフェロン

インターフェロンは、もともとウイルスに感染したときに体内でつくられる抗ウイルス作用をもつたんぱく質で、遺伝子工学的な手法により人工的に生産したものを薬として用います。C型肝炎の原因であるウイルスの排除を期待できる薬は、今のところインターフェロンだけです。

インターフェロンは注射薬で、「α型」と「β型」に大きく分けられます。

α型は筋肉注射や皮下注射で用いられ、従来型のほか、「ペグインターフェロン」という新しいタイプのものもあります。単独で用いたり、一部は後述の「リバビリン」との併用療法に用いられます。

ペグインターフェロンとは、従来のα型インターフェロンに「ポリエチレングリコール(PEG)」という化合物を結合させて、血液中に薬の成分が長くとどまるようにした薬です。従来のインターフェロンは作用時間が短く、週3回は注射が必要なのに対し、ペグインターフェロンは、1回の注射で約1週間、比較的安定した作用が続きます。単に長時間作用するだけでなく、治療効果が高いことが確認され、現在C型肝炎の中心的な治療薬となっています。

β型は静脈注射や点滴で用いられ、連日または週3回注射します。副作用が比較的少ないのが利点で、副作用のためにα型が使いにくい人によく用いられます。

・用い方

従来型のインターフェロンを用いる場合は、通常最初の2週間は入院して毎日、その後は外来で週3回注射します。α型のなかには、2週間に1回の受診を条件に、自己注射が認められているものもあります。

ペグインターフェロンの場合は、外来で週1回注射します。

・副作用・使用上の注意

インターフェロンを使うと、ほとんどの人に副作用が起こります。特に治療開始から1~2週間に現れやすいのが、発熱、関節痛、筋肉痛、頭痛など、風邪のような症状です。吐き気・おう吐、食欲不振、全身倦怠感などが起こることもあります。治療を始めて2~3か月してから現れやすいのが、脱毛、うつ状態などです。また、うつ病や間質性肺炎、自己免疫性疾患などがある人では、それらの病気が悪化することがあります。

ペグインターフェロンでは、血液中の白血球や血小板などが減ることもあります。

副作用のほとんどは症状に応じた薬を用いることで対処できますが、生命を脅かす危険性もある間質性肺炎、うつ状態や、皮疹などのために治療が続けられなくなる場合もあります。インターフェロンの使用中は、定期的な検査で、治療効果とともに副作用をチェックする必要がります。

●抗肝炎ウイルス薬

C型肝炎に対して用いられるのは「リバビリン」という薬です。単独で服用してもウイルスの増殖を抑えたりウイルスを排除することはできませんが、インターフェロンと併用することで効果を発揮します。

リバビリンは必ずインターフェロンと併用して、1日2回、連日服用します。使用量は体重に応じて決められますが、副作用の軽減のために調節することもあります。

・副作用・使用上の注意

リバビリンの服用中は貧血傾向になりやすく、心不全のある人は使いにくいといえます。高血圧や糖尿病などがある人は悪化することがあり、眼底出血や脳出血が起こる頻度が高くなるといわれています。

また、胎児に影響する可能性があるので、リバビリンを使い始めるときには、妊娠してないことを確認し、服用中と服用終了後6カ月間は、男女ともに避妊が必要です。授乳中の女性も使えません。

●肝庇護薬(肝機能改善薬)

抗ウイルス作用はありませんが、肝機能の改善を期待できる薬で、インターフェロンがつかえない場合などに用いられます。

・ウルソデオキシコール酸

「熊の胆」と呼ばれて、古くから肝臓病の治療に用いられてきた内服薬です。肝細胞の細胞膜を安定化させて肝細胞を守る働きをするとされ、7割くらいの人に肝機能の改善がみられます。重篤な副作用はほとんどありません。

・グリチルリチン製剤

注射薬と内服薬がありますが、C型肝炎の治療では主に注射薬が使われます。薬の効き方に個人差があり、用いる薬の量や注射の回数も患者さんによって異なります。

副作用で低カリウム血症が起こりやすいので、定期的な血液検査が必要です。

・漢方薬

慢性肝炎の治療では「小柴胡湯」などの漢方薬が用いられることもあります。小柴胡湯は副作用で間質性肺炎が起こることがあり、肝硬変の人やインターフェロン治療を受けている人は使えません。

まとめ

かつてC型肝炎は「非A型非B型肝炎」といわれていました。これは、当時はまだA型とB型の肝炎ウイルスしか発見できておらず、これら以外のウイルスによる肝炎という除外診断によってこう呼ばれていたのです。しかし、現在は研究の結果C型肝炎ウイルスが見つかり、さらにインターフェロンの登場で、同じC型肝炎ウイルスでもインターフェロンで治りやすいタイプと治りにくいタイプがあることが分かってきました。このように治療法は日々進歩しています。

しかし、自分がC型肝炎であると気づいていない人もまだ大勢いますので一度きちんと検査をして、治療を受けることが大切です。



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