進歩する関節リウマチの薬物療法(サイトカイン阻害薬など)養生灸のススメ

category : 西洋医学 2012.1.6

関節リウマチの薬物療法

以前までは関節リウマチは非常に治りにくい病気として知られていましたが、最近は新しい薬などの登場で治療成績も上がってきています。また、治療法の考え方自体も大きく変わってきています。そこで、今回は関節リウマチの薬物療法について勉強していこうと思います。

関節リウマチの治療

近年、関節リウマチの治療効果を実感している患者さんが増えてきています。関節リウマチの患者さんを対象に行った調査では、1年間で症状が改善したと感じた人は、2000年は14.6%でしたが、2005年には21.6%に増えていました。また、2000年には症状がまったくなくなったという人はいませんでしたが、2005年には2%の人が症状がまったくなくなったと答えていました。

これまで「不治の病」とも言われてきた関節リウマチですが、治療の進歩によって症状のない状態を目指すことができるようになってきているのです。

関節リウマチの治療法には、「薬物療法」「基本療法」「リハビリテーション療法」「手術療法」があり、その中心が薬物療法です。

●薬物療法で使われる薬

関節リウマチの治療に使われる薬には、大きく分けて3種類あります。

・非ステロイド系消炎鎮痛薬
痛みを抑える効果があります。関節の炎症の原因を抑える作用はないので、関節破壊の進行は止められません。

・ステロイド薬
痛みや関節の炎症を、速やかに押さえる作用があります。ただし、大量に、または少量でも長期間服用すると、「骨粗しょう症」や「糖尿病」などの副作用が起こることがあるため、量や期間を決めて使う必要があります。

・抗リウマチ薬
現在、薬物療法の中心として使われている薬です。発症にかかわる免疫の働きを抑制したり関節の炎症を抑えたりして、関節破壊の進行を防ぎます。最近は、「サイトカイン阻害薬」という新しいタイプの抗リウマチ薬も使われています。

抗リウマチ薬

従来は、関節破壊はゆっくりと進むと考えられていたため、痛みを和らげることに治療の重点が置かれていました。しかし、最近の研究で、関節破壊は発症後1~2年ほどで急激に進むことが分かってきました。そのため、現在は関節リウマチの診断後、抗リウマチ薬を中心とした治療を3か月以内に開始することが推奨されています。

●抗リウマチ薬の長所・短所

副作用として、「胃腸障害」「発疹」のほか、免疫を抑えるので「風邪や気管支炎、膀胱炎」などの「感染症」を発症しやすくなります。

抗リウマチ薬は、効き目に個人差があり、非常によく効く患者さんとあまり効かない患者さんがいます。効かない場合は、別の抗リウマチ薬を併用するか、薬の種類を替えることになります。

また、効果が現れるまでに時間がかかり、服用を開始してから2~3か月かかることがあります。薬がよく効いて症状が安定していても、2~3年たつと効き目が薄れることがあります。

しかし、抗リウマチ薬を効果的に用いれば、まったく症状がなく検査値も正常を維持する「寛解」という状態を目指すことも可能です。効果が高く最もよく使われている抗リウマチ薬の「メトトレキサート」を、早期から用いた場合の効果を調べたところ、約25%の患者さんが寛解に至っているというデータもあります。

●サイトカイン阻害薬について

メトトレキサートなどの抗リウマチ薬は、免疫全体の働きを抑えて関節破壊の進行を防ぎます。それに対して、サイトカイン阻害薬は、免疫にかかわる物質のなかで、関節に炎症を引き起こす「炎症性サイトカイン」の働きだけを抑えます。

主に次のようなものがあります。

・インフリキシマブ
メトトレキサートだけでは十分な効果がない場合に併用されます。点滴で用いられ、初回に点滴したあとは2週間目と6週間目に点滴し、以後8週間に一度点滴が行われます。

・エタネルセプト
従来の抗リウマチ薬では十分な効果がない場合に使用されます。従来の抗リウマチ薬と併用する方法と、単独で使う方法があります。1週間に2回皮下注射を用い、医師が認めれば自分で注射することも可能です。

そのほか、アダリムマブやトシリズマブといったサイトカイン阻害薬があります。

●サイトカイン阻害薬の効果

治療効果は非常に高く、発症後1年以内にメトトレキサートを単独で使い始めた場合の寛解率は30%だったのに対し、インフリキシマブを併用した場合では67%でした。メトトレキサートも早く使い始めれば効果が高いのですが、サイトカイン阻害薬を併用することで、治療効果が高まるのです。

また、インフリキシマブを併用した場合、3年以内に使用開始した時の寛解率は37%、10年以内だと10%でした。発症早期から使い始めるほど、高い効果が得られることが分かります。

サイトカイン阻害薬の課題

日本で約1万2000人の患者さんを対象に行われた調査では、80%以上の患者さんにサイトカイン阻害薬の効果がみられました。ただ、すべての患者さんに効くというわけではありません。この点は、サイトカイン阻害薬の課題であるといわれています。

また、サイトカイン阻害薬を使用していると、ウイルスや細菌に対する抵抗力が低下するため、「肺炎」「結核」などの感染症に注意が必要になります。すでに結核を発症している人や、重い感染症のある人は使うことができません。発疹、頭痛、吐き気などの副作用が起こることもあります。

薬の値段が高いということも問題です。医療費を保険を使って治療をしても月に数万円かかります。病気を治すためには、これらの問題もクリアしなければなりません。

まとめ

関節リウマチは不治の病などと恐れられてきた病気ですが、医療の進歩によって少しずつ良くなる患者さんが増えてきています。さらにこれからもより良い医療が出てくることでしょう。また、サイトカイン阻害薬は、以前は限られた医療機関でしか使うことができませんでした。しかし、最近ではリウマチ専門医のいる医療機関などで使われるようになり、さらに身近に治療を受けられるようになっています。

また、関節リウマチは免疫の以上によって起こる病気ですので、薬だけでなく日常生活に気を付けることも大切です。風邪を引かない体を冷やさないなどの基本治療をしっかりと行っていきましょう。



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