痛みを改善するペインクリニックについて養生灸のススメ

category : 西洋医学 2012.1.3

慢性的な痛みを解決

皆さんは体が「痛い」という経験をしたことがあると思います。この痛みとは非常に嫌な感覚ですが、生物にとっては必要なものでもあります。痛みを感じなければケガや病気など体に悪いところがあっても気づくことができなくなるからです。

しかし、いくら必要とは言っても、長期間にわたって痛みが続くようならば治療をした方がよいでしょう。ですが、ケガや病気が治った後も、検査では異常がないにもかかわらず痛みが続くような場合があります。このようなときにはペインクリニックで治療を行うと改善することがあります。そこで、今回はペインクリニックとはどのようなところかを勉強していこうと思います。

ペインクリニックとは

ある調査によると、日本では約13.4%の人が日頃から慢性的な痛みに悩んでいるとされています。医療機関を受診する人の約7割が、何らかの痛みを訴えているというデータもあります。

痛みの起こる原因は1つではありません。また、痛み方にもさまざまな種類があり、原因によって治療法も異なります。痛みは原因をきちんと把握して治療を行わないと、さらに強まったり、慢性化したりすることもあります。

しかし、患者さんはどこにどんな種類の痛みがあっても「痛い」という言葉でしか表現できないことがほとんどです。こうした患者さんの痛みを正面からとらえて診断・治療を行う痛み専門の診療科が、「ペインクリニック」です。どのような痛みに対しても、痛みが起こっている原因を突き止めて、その原因に合った治療法を選択していきます。

痛みがなぜ続くのか

痛みは、「痛みの悪循環」によって慢性化します。

ケガなどで体に刺激が加わると、痛みなどの刺激を脳に伝える「知覚神経」が刺激されます。その刺激が脊髄と経て脳に届くと、痛みを感じます。

知覚神経から脊髄に伝達された刺激は、同時に血管を収縮させるなどの働きをもつ「交感神経」や、筋肉に動きの指令を伝える「運動神経」も刺激します。交感神経の刺激で血管が収縮し、運動神経の刺激で筋肉の緊張が起こると、刺激を受けた部分とその周囲の組織の血流が悪くなって、組織から痛みを発する物質が出てきます。この「痛み物質」は、再び知覚神経を刺激して新たな痛みを起こします。すると、痛みの悪循環が生じてしまい、痛みが慢性化するのです。

●痛みの発生原因

痛みの発生原因も慢性化に関係します。痛みには大きく分けて「ケガや手術などで体の組織の一部が傷ついて起こる痛み」「神経が傷ついて起こる痛み」「心理的要因で起こる痛み」の3つがあり、複数の原因が重なって起こる痛みもあります。

例えば、手術を受けると体の組織が傷つくだけでなく、微細な神経も傷ついて神経が過敏になったり、神経の働き方が変わったりすることがあります。すると、通常では痛みとして感じられないはずの刺激も痛みとして感じるようになり、手術の傷が治っても痛みが取れないことがあるのです。

痛みが慢性化する背景には、患者さんが医師に、自分の痛みをうまく説明できていないことが多いのに加えて、医師の側の問題として、痛みの原因が複数重なっている可能性があることを認識できていないことも多い点にあります。

実際、どんな痛みに対しても、「鎮痛薬」の処方だけで済ませる医療機関も少なくありません。鎮痛薬で痛みが改善されないと、患者さんは不安になり、その心理的要因によって痛みがさらに強まり、慢性化していきます。痛みは慢性化すると、治療を受けても治りにくくなることがあります。それだけに、正しい診断と適切な治療が欠かせません。

痛みの原因を調べる検査

痛みの原因をきちんと把握するためには、さまざまな検査が行われます。

最も重要なのが「問診」です。「体のどこが、いつから、どのくらい痛むのか」、ズキズキ、ビリビリ、ヒリヒリなど「どのように痛むか」、「痛みは発作的か持続的か」など、できるだけ詳しく具体的に医師に伝えることで、痛みの原因が推定されます。

どこに痛みの原因があるかは、医師が患部をみる「視診」、触って調べる「触診」、反射や感覚を調べる「神経学的診察」などで確認します。さらに、「血液検査」や「画像検査」などを組み合わせて、総合的に痛みの原因を診断します。

こうした検査でも原因が分からない場合、最近では「疼痛機序判別試験」を行うこともあります。点滴の中に、「抗炎症剤」「抗うつ薬」「抗痙攣薬」「モルヒネ」「抗不整脈薬」などのさまざまな薬を1種類ずつ入れて試し、どの薬が有効かを判別します。そして、効果のあった薬を内服薬で使用して治療を進めていきます。

痛みの治療

治療は原因に応じて組み合わせて行われます。

●薬物療法

ペインクリニックの治療の基本です。痛みの原因に応じてさまざまな薬を使い分けます。例えば、けがなどの炎症による痛みは、抗炎症薬に代表される鎮痛薬を主に使いますが、神経が傷ついて起こる痛みには抗うつ薬、抗痙攣薬、モルヒネ、抗不整脈薬など、鎮痛薬以外の薬を主に使用します。

●神経ブロック

痛みを伝える神経に「局所麻酔薬」を注射し、痛みの刺激が脳に伝達されないようにして、痛みの悪循環を遮断します。がんなどで痛みが強い時には、「神経破壊薬」を使い、長期間、刺激の伝達を遮断することもあります。

●光線療法

熱さを感じない程度の強さのレーザー光線を、痛みのある部分の皮膚の上から照射します。痛みを感じることなく、神経の興奮を鎮めたり、炎症を抑えたりする効果が期待できます。

●理学療法・リハビリテーション

痛みを軽減させると同時に、痛みで動かせないために低下した、体の機能の改善・温存を図る目的で行います。患者さんのQOL(生活の質)が向上することで、心理的要因が取り除かれる効果もあります。

●心理療法

心理的要因による痛みに対しては、認知行動療法やカウンセリングを行います。

●神経刺激療法

神経が傷ついて起こる痛みは、神経に電気刺激を食わせ、神経の過敏性を抑えたり、働き方を変える治療を行うことがあります。

まとめ

痛みがある時に放置していると、そこに心理的要因などが加わり、さらに悪化することがあるのでしっかりと治療を受けることが重要です。

かつては、検査結果に異常がないのに痛みがあるというと、鎮痛薬が出されるだけか、あるいは「気のせいだ」などといわれることもありました。しかし、現在では痛みのメカニズムも解析されてきておりしっかりと痛みに対しての治療を行うことができるようになってきています。まずは一度ペインクリニックに相談してみるといいでしょう。



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