ぜんそくは薬物療法でコントロールを目指す養生灸のススメ

category : 西洋医学 2011.12.30

ぜんそくの治療について

ぜんそくは非常につらい症状が現れて、場合によっては命にかかわることもあります。そのため、ぜんそくの患者さんは適切な治療を受ける必要があります。ぜんそくの治療は、この20~30年間に大きく進歩し、ぜんそく発作でつらい思いをしなくてもいいようになっています。そこで、今回は、ぜんそくに対する薬物療法について勉強していこうと思います。

ぜんそく治療の考え方

「ぜんそく」の治療の基本は、薬物療法です。薬物療法には、次の2つがあります。

●気道の慢性的な炎症を抑える治療

長期管理薬(コントローラー)を毎日使います。

●発作を止める治療

発作時に発作治療薬(リリーバー)を使います。

以前は、ぜんそくの治療といえば、主に発作を止める治療を指していました。患者さんは、発作が起きると、夜中や明け方に救急外来を受診したり、入院して治療を受けることが多かったといえます。しかし、発作が起こる原因の根底に、気道の慢性的な炎症があることが明らかになり、現在では、慢性的な炎症を抑える治療を積極的に行って、発作を予防することに治療の重点が置かれています。こうした予防的治療で発作が起こりにくくなるため、患者さんは毎日の管理で、病気をコントロールすることが可能になっています。

慢性的な炎症を抑える治療

●中心となる薬

長期管理薬の中心は、吸入ステロイド薬です。大人にも子どもにも使われ、ぜんそくの慢性的炎症を抑ええるための標準薬とされています。

吸入ステロイド薬には、粉末状の薬を使う「パウダー式」と、霧状の薬を使う「スプレー式」の2つのタイプがあり、薬を口から吸入して気道に行き渡らせます。薬が粘膜に沈着して、慢性的な炎症を鎮めます。吸入の方法は、パウダー式とスプレー式で異なります。

・パウダー式
速く大きく吸い込みます。
・スプレー式
ゆっくりと大きく吸い込みます。スプレー式の場合、薬が出てくるタイミングに合わせて吸うことが大切です。

いずれの場合も吸い込んだら5秒間ほど息を止めます。また、後で必ずうがいをします。

1回の薬の量や1日の吸入回数は、発作の程度や頻度によって異なります。だいたい1週間~10日間ほど吸入を続けると、咳が少なくなるなどの効果を実感できます。効果が感じられない場合は、正しく吸入できていないこともあるので、担当医に相談して、吸入の指導を受けるとよいでしょう。

吸入ステロイド薬の場合、のみ薬や注射薬のステロイドに比べて、薬の量が約1000分の1で済むとされ、副作用は少ないといえます。ただし、次のような副作用が起こることがあります。

・声のかすれ
多くの場合、慣れるにつれて、徐々に起こらなくなります。改善しない場合は担当医に相談しましょう。

・口腔カンジダ症
カンジダはカビの一種で、口の中に白くポツポツと増殖することがあります。吸入後に、よくうがいすることで防ぐことができます。

●併用する薬

発作の程度や頻度によって、次のような薬が併用されることがあります。

・長時間作用性β2刺激薬
平滑筋のβ2受容体を刺激することで、筋肉の収縮をゆるめ、気道を広げる働きがあります。吸入薬、貼付薬、内服薬などがあり、使いやすさなどから患者さんにも適したものが選ばれます。

・徐放性テオフィリン薬
炎症を抑えるとともに、平滑筋に作用し、気道を広げる働きがあります。

・抗アレルギー薬
さまざまな種類があります。よく使われているのが「ロイコトリエン受容体拮抗薬」で、炎症細胞から出され、気管支の収縮や炎症を起こすロイコトリエンという物質の働きを抑制し、炎症を抑える働きがあります。

●長期間使い続ける

主な症状が咳だけで軽い場合には、長期管理薬を2~3か月間使用したら、使用をやめて様子を見ることもできますが、必ず担当医と相談しましょう。大きな発作を起こしたり、入院したことがある場合には長期間使い続けます。

発作を止める薬

●自宅治療で使われる薬

患者さん自身が自宅などで使う発作治療薬が、「短時間作用性吸入β2刺激薬」です。長期管理薬の長時間作用性β2刺激薬に比べて、即効性があり、速やかに気道を広げる働きがあります。

患者さんは、常にこの薬を携帯し、発作が起きたらすぐに吸入します。ただし、時間がたってから使ったり、発作が強い場合には効果がなく、医療機関での治療が必要になります。

●医療機関で使われる薬

医療機関では、さまざまな薬を使って治療が行われます。その代表が次のような薬です。

・短時間作用性吸入β2刺激薬
ネオライザー(吸入器)を使って、十分な量が気道に行き渡るようにします。

・静脈内注射用テオフィリン(アミノフィリンなど)
気道を広げる働きが強力で、発作を抑える効果の高い薬です。点滴で使われます。患者さんの状態によっては、ステロイド薬も同時に点滴されることがあります。

薬を使うほかに、必要に応じて酸素吸入などが行われます。

治療での注意

調子が良いからといって、自己判断で長期管理薬の使用を中止したりせず、毎日、処方どおりに使い続けることが大切です。

長期管理薬を処方どおりに使っているにも関わらず、症状が十分に改善しなかったり、発作治療薬に短時間作用性吸入β2刺激薬をたびたび使わなければならないような場合は、長期管理薬によるコントロールが十分ではないといえます。この場合は、吸入ステロイド薬の量や併用薬の見直しが必要です。逆に、長期間発作が起こらない場合には、薬の減量が可能なこともあります。

治療が適切かどうかを見直すためには、「ピークフロー値」や「ぜんそく日記」で、客観的に病気の状態を知ることが大切です。治療中には、これらを使って気道の状態や症状、薬の使用状況などについての記録をとり、受診した時に担当医に見せるようにするとよいでしょう。

まとめ

このように、最近ではいかに発作を起こさず快適な生活が送れるかを重視して治療を進めています。ぜんそくなどのつらい病気になった人は、「何としても病気を治そう」と頑張りすぎてしまうことが多いのですが、考え方を「薬を使い、少しでも楽な生活をしよう」と変えることが治療のポイントです。

考え方ひとつでも治療の効果は違ってきますので、まずは一度落ち着いて自分の身体と向き合い、付き合っていきましょう。



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