薬の副作用(スティーブンス・ジョンソン症候群・横紋筋融解症)について養生灸のススメ

category : 西洋医学 2011.12.27

副作用には気を付けよう

薬は病気や症状を治すために使います。それはつまり、現在の体の状態を変化させる効果があるということであり、その結果として不必要な変化(副作用)が現れることもあります。

この副作用を可能な限り減らすために臨床試験などを行い、最大の効果を発揮し最低限の副作用に抑えた薬が使われているのですが、まれに重篤な副作用が現れることもあります。そこで、あらかじめ副作用について知っておき、万が一副作用が現れた場合にはすぐに対応できるようにしておくことが大切になります。そこで、今回は重篤な副作用を2つ取り上げて勉強していこうと思います。

薬の副作用

現在使われている薬は、事前に試験を行って安全性と効果を確かめていますが、それでも年間9万件の副作用が報告されています。重い副作用は10万人に1人、あるいは100万人に1人という低い確率でしかおきませんが、薬を使用する人の数が多いため、まれではあっても現実にはかなりの数の人に重い副作用が起こっているのです。

最近は生活習慣病などで、5年、10年と長期的に薬を使用したり、一度に長期間分の薬を処方されて担当医と接する機会が少なくなったりして、薬を自分で管理することが多くなっています。用法、用量を守って使うだけでなく、薬の副作用が起こった時に早く気づくことも大切です。

そのためにも、重い副作用がごくまれに起こる可能性があることや、どのように気づけばよいのかを知っておくことが大切です。重い副作用の初期症状に注意し、早期発見できるようにするために厚生労働省がマニュアルを作っています。

副作用のタイプ

●過剰反応

使用する薬の量と体調や病状の関係などにより、作用が強く現れてしまう副作用です。例えば、血糖値を下げる「インスリン」を注射して、高めの血糖値をコントロールするとき、運動量や食事量に対してインスリンが多いと、低血糖が起こることがあります。

●副次反応

本来の目的としていない薬の作用が現れる副作用です。「解熱消炎鎮痛薬」は痛みの原因である「プロスタグランジン」という物質を抑える働きをします。しかし、この物質は胃の粘膜を守る働きもしているため、解熱消炎鎮痛薬をのむと、胃が障害されることがあります。

●アレルギー反応

化学合成された薬は、一般定期に分子量が小さく、アレルギー反応を起こしにくいとされています。ただし、薬が肝臓や皮膚などのたんぱく質と結合すると、本来体内に侵入した外敵を攻撃する働きである「免疫」の攻撃対象となり、薬や体の一部を攻撃することがあります。

●過敏症

体内で薬を処理する肝臓や腎臓の能力には個人差があります。ある酵素が足りなかったりすることで、薬の作用や毒性が強くでることがあります。

●中毒反応

薬のなかにはある一定の血中濃度を超えると毒性が現れるものがあります。薬の効果が現れる濃度と、毒性が現れる濃度との差がわずかな場合に起こります。

このように、副作用の起こり方はさまざまです。そのため、薬を使用するときには、副作用が起こるかもしれないと意識しておくことが大切になります。

重い副作用

まれにしか起こらないものの、重い副作用の例として「スティーブンス・ジョンソン症候群」と「横紋筋融解症」を紹介しましょう。

●スティーブンス・ジョンソン症候群

薬によって皮膚に「発疹」が生じる「薬疹」の重症型の1つで、比較的多く現れます。原因となる薬を服用する人で年間約10万人に1人、全体では年間約100万人に1~6人発症するとされています。

最初の症状として、唇などの粘膜部位がただれて、目が充血します。さらに「38℃以上の高熱」や発疹、「水ぶくれ」などが現れてきます。副作用への対応が遅れると、視力を失う場合もあります。

「抗菌薬」や解熱消炎鎮痛薬、「抗てんかん薬」のほか、処方箋がなくても買うことのできる一般的な薬でも起こることがあります。服用開始後の約2週間から3か月程度のうちに現れます。

原因ははっきりしていませんが、アレルギー反応が関係していると考えられています。また、ウイルス感染に伴って発症することもあります。

発症が疑われるときには、すぐに担当医や薬剤師に相談しましょう。この副作用は、原因となっている薬を中断し、「ステロイド薬」を点滴や注射で投与することで、多くは治まります。それでもよくならない場合には、「免疫グロブリン」を使用したり、血液中にある副作用の原因となる物質を取り除く「血漿交換療法」を行ったりします。また、失明を防ぐために、目の炎症を抑える治療が積極的に行われます。

●横紋筋融解症

「横紋筋」とは主に体を動かす筋肉で、「骨格筋」とも言います。横紋筋融解症では、骨格筋に細胞がダメージを受けて壊死したり、溶けたりします。最初の症状としては、多くの場合、「筋肉の痛み」が起こります。手足が痛むこともあれば、腰が痛むこともあります。痛みがなく、「力が入らない」「こわばる」などの症状が現れることもあります。

少し進行すると、筋肉の細胞が溶けた物質が尿に出るため、尿の色が赤褐色になります。この物質が腎臓に負担をかけて腎臓が障害されたり、命にかかわることもあります。

原因となる薬でよく使われているのは一部の「脂質異常症薬」です。「コレステロール値」が高い人に使用されます。服用開始から1日で発症する人もいれば、2年程度で副作用が現れる人もいます。服用量が増えたときに現れる場合もあります。また、ニューキノロン系の抗菌薬で起こることもあります。この薬の場合、多くは服用から約1週間以内で副作用が現れます。

治療では、まず原因となっている薬を中断します。それでも改善しない場合には、「輸血」「血液透析」などによる治療を行います。

早期発見のために

重い副作用の初期症状の現れ方はさまざまで、わかりやすい場合と、そうでない場合があります。

例えば、呼吸器に副作用が現れる場合で、「咳」「息苦しさ」など呼吸器症状が最初に現れると、容易に気づくことができます。しかし重症型の薬疹は、最初に唇や目の粘膜に症状が現れるものもあります。肝臓に現れる副作用は、「全身倦怠感」や発疹が初期症状として現れます。こうした初期症状は、直感的に気づくことは困難です。

そこで、新しい薬を使い始めるときには、使用開始後約2週間から3か月間ほどは何か普段とは違う体調の変化がないか注意することが大切です。

薬の副作用かもしれないと思ったら、自分で判断するのではなく、すぐに担当医に相談します。副作用の原因となっている薬の使用を中断してもよいかどうかを判断する必要があるからです。

服用していた薬を記した「お薬手帳」や、過去にアレルギー反応を起こした物質を記した「アレルギーカード」を持ったり、薬局で渡される薬の説明書を保管しておくことも大切です。また、日頃から薬について薬剤師に相談するようにしておくと、重い副作用の早期発見につながります。

まとめ

今回は副作用について勉強してきました。ここで出てきた副作用以外にもたくさんの副作用が存在します。それらのことを詳しく知っておく必要はありません。大切なのは「薬には病気を治す力と同様に、命にかかわる副作用もある」ということを知っておくことです。

副作用には薬を使用して数週間から数年後に現れるものもあるので、自分が飲んでいる薬についてきちんと把握しておきましょう。正確に使用して、副作用を早期発見できるようにしておけば、むやみに薬を怖がる必要はないということも知っておきましょう。

そのほか、薬にはのみ合わせに注意する必要もあるので、これも頭に入れておくことが大切です。



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