水虫の治療薬について養生灸のススメ

category : 西洋医学 2011.12.17

水虫の治療について

水虫は真菌(カビ)の一種の「皮膚糸状菌(白癬菌)」が皮膚の角質層に感染して起こります。白癬菌の感染はさまざまな部位で起こりますが、そのうち足と手に起こったものを水虫と呼んでいます。

白癬菌は角質層の成分である「ケラチン」を栄養源として増殖します。角質層が変化してできた爪や毛も、ケラチンが豊富なため白癬菌が感染しやすいといえます。

日本は高温多湿の国ですが、もともとは下駄や足袋を履いていたので水虫はそれほどいなかったそうです。しかし、明治維新後は靴文化が広まり、足が蒸れた状態になることで水虫で悩んでいる人が多くなりました。そこで、今回は水虫の薬物療法についてを勉強していこうと思います。

感染経路

水虫のほとんどは足にでき、白癬菌の住む角質がはがれ落ちて、足ふきマットや畳、床、じゅうたんなどを介して他の人の足に付着し、感染していきます。白癬菌が皮膚についても、すぐに水虫になるというわけではありませんが、皮膚についたまま靴下や靴を履き、高温多湿の状態が続くと、白癬菌が角質層の中に入り込んで増殖し、感染が成立します。そのため、長時間靴を履くような生活をしている人に起こりやすい病気だといえます。

感染が成立するには、白癬菌が24時間以上角質層に付着し続ける必要がありますが、角質層に傷があると白癬菌がなかに入り込みやすく、12時間ほどで感染が成立してしまうこともあります。

症状によるタイプ

水虫は主な症状により、次の4つのタイプに分けられています。

●趾間型

指の間の皮膚がふやけたようになり、ジクジクしたり(湿潤型)、カサカサして皮がむけたり(乾燥型)します。一般に、かゆみなどの症状は夏に現れ、冬には治まります。

●小水疱型

足の裏などにポツポツと小さい水ぶくれができます。一般に、かゆみなどの症状は夏に現れ、冬には治まります。

●角質増殖型

角質が増殖して、足の裏全体が厚く、硬くなります。かゆみはほとんどありませんが、冬になると、硬くなった皮膚がひび割れて痛んだりすることがあります。多くは次の爪白癬を合併しています。

●爪白癬

爪の水虫です。皮膚に起こった水虫を長年放置して、白癬菌が爪に入り込むと起こります。爪が白く濁って厚くなったり、ボロボロと欠けたりします。かゆみはなく、季節による症状の変化もあります。

一般に水虫というと、夏にかゆくなる皮膚の病気というイメージがあります。しかし、実際にはかゆみを伴わない水虫も多く、夏だけの病気ではありません。

治療法

水虫の治療では、「抗真菌薬」による薬物療法を行います。水虫の治療で使う抗真菌薬は外用薬が基本ですが、外用薬では治療が難しいタイプの場合や、外用薬がつかえないときには、内服薬も用いられます。

●外用薬による治療

趾間型や小水疱型の水虫は、白癬菌が角質層の表面近くにいるため、通常、抗真菌薬の外用薬を適切に用いれば治ります。

●内服薬による治療

角質増殖型や爪白癬の場合は、角質層や爪が厚いため、外用薬が届かないので、治療には内服薬が必要になります。趾間型で患部のただれやひび割れがひどい時や、外用薬でかぶれた時などに、短期間だけ内服薬を用いることもあります。

水虫は、治ったつもりでも再発しやすい病気です。再発を防ぐには、白癬菌が完全にいなくなるまできちんと薬を使うとともに、再感染を防ぐための日常の注意が大切です。

治療薬について

水虫の治療に用いる抗真菌薬は、原因となる真菌の殺菌・増殖抑制作用を持つ薬です。外用薬か内服薬かが、使い分けの基本となります。

外用薬について抗真菌薬の外用薬には「ビホナゾール」「リラナフタート」「ブティナフィン塩酸塩」「テルビナフィン塩酸塩」「ルリコナゾール」ほか、多くの種類があります。白癬菌だけに効く薬と、カンジタなどほかの真菌にも効く薬がありますが、水虫に対する治療効果としては、種類による大きな違いはありません。

水虫の外用薬は、以前は1日2~3回塗るのが普通でしたが、最近では1日1回塗ればよい薬が主流になっています。4週間以上、毎日塗るのが基本ですが、最近使われるようになったルリコナゾールは、2週間の使用で同等の効果が認められています。

水虫の外用薬には、液剤、クリーム剤、軟膏などがあり、剤状の違いによって、それぞれ次のような特徴があります。

●液剤

乾きやすく使用感はよいのですが、皮膚への刺激は最も強くなります。

●クリーム剤

皮膚への浸透がよく、最も広く用いられます。

●軟膏

べたつきはありますが、最も刺激は少なく、ただれやひび割れがあるような患部にも使えます。

どの種類の薬を用いる場合にも、毎日欠かさずに、症状が現れている部分だけでなく、指の間から足の裏全体にまんべんなく塗ることが大切です。

●副作用・使用上の注意

外用薬の場合、重篤な副作用はあまりありませんが、皮膚の刺激感、かぶれなどが起こることはあります。

内服薬について

水虫に用いられる内服薬としては、「イトラコナゾール」「テルビナフィン塩酸塩」「グリセオフルビン」があり、それぞれ使い方が異なります。

●イトラコナゾール

白癬菌だけでなく、ほかの真菌にも有効な抗真菌薬です。角質増殖型の治療では毎日服用するのが基本ですが、爪白癬の場合は、服薬と休薬を交互に繰り返す「パルス療法」が一般的になっています。通常、「1週間毎日服用、3週間休薬」を1サイクルとして、3サイクル繰り返します。

内服薬は外用薬より副作用の心配がありますが、パルス療法では1日量は多いものの、休薬期間があるため実際の服用期間が短くて済み、副作用の軽減も図れます。服用を終えた時点ではまだ治りきっていないですが、その後も爪に蓄積した薬が効き続けます。

・副作用・使用上の注意

副作用で、胃腸障害や肝障害などが起こることがあります。もともと肝臓の病気がある人、妊娠中の人などは使えません。服用中は定期的に血液検査を行い、肝機能などをチェックします。降圧薬や脂質異常症の治療薬、睡眠薬、片頭痛治療薬などの一部に併用が禁じられているものがあります。ほかにも併用に注意を要する薬が多いので、使用している薬はすべて医師に伝えるようにしましょう。

●テルビナフィン

主に白癬菌に対する殺菌作用を持つ薬で、1日1回、毎日服用します。爪白癬の治療では、爪が伸びる速さによる個人差もありますが、通常、3~6カ月間のみ続けることになります。

・副作用・使用上の注意

副作用で肝障害や血液障害などが起こることがあるため、もともと肝障害や血液障害がある人、妊娠中の人は使えません。服用を開始する前に必ず肝機能・血液検査を行うことになっており、服用中も定期的な血液チェックが必要です。抗うつ薬や胃潰瘍などの薬などのほかに、併用に注意を要する薬があります。

●グリセオフルビン

白癬菌の発育を抑制する作用を持つ薬です。水虫の内服薬として古くから使われており、子どもにも使えます。ただ、イトラコナゾールやテルビナフィンに比べて効果が現れるのに時間がかかり、爪白癬の治療では1年以上、連日のみ続ける必要がります。そのため、この薬が使われるケースは減ってきています。

・副作用・使用上の注意

腹痛や頭痛など、患者さんが自覚できる副作用の頻度は他の内服の抗真菌薬よりも高く、肝障害などが起こることもあります。妊娠中の人や肝障害のある人などは使えません。細胞分裂を抑制する効果があるため、服用終了後も女性では1か月、男性では女性よりも長い6か月の避妊が必要です。

そのほかの薬

水虫そのものに対する治療薬ではありませんが、趾間型などで患部がジクジクとしているときには、患部を保護し、乾燥させる目的で、水分吸収をする性質をもつ「酸化亜鉛」の軟膏がよく使われています。

また、角質を柔らかくする作用をもつ「サリチル酸」を含む軟膏なども、用いられることがあります。

まとめ

水虫の治療薬についてさまざまなものがあると分かったと思います。よくあるのが、かゆみが治まっただけで治ったと判断してやめてしまうことがあるのですが、これは絶対にやめておきましょう。ほとんどは再発してまたかゆくなってしまいます。しっかりと決められた期間はきちんと薬を塗り、しっかりと治すようにしましょう。



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