薬ののみ合わせについて養生灸のススメ

category : 西洋医学 2011.12.16

思わぬ副作用を防ごう

薬には病気を治すためにさまざまな効果があります。通常は適切な量を摂取することで効果を発揮しているのですが、思わぬことで体に悪影響を与えることがあります。その中でも「薬ののみ合わせ」には意外なものが危険な副作用を現すこともあるので勉強していこうと思います。

薬は、体内に入ってからいくつもの過程を経て、効果を発揮します。しかし、場合によっては薬と薬の「のみ合わせ」や、薬と食べ物の「食べ合わせ」による相互作用により意外な症状が現れますので、相互作用が起こる主な仕組みについてみていきましょう。

吸収・分解の変化

薬は、適正な血中濃度で最大の効果を発揮し、しかも副作用を最小にするように、薬の容量や服用回数などが決められています。薬の血中濃度が高すぎると副作用が起こり、低すぎると十分に効果を得られません。併用した薬や飲食物との相互作用によって、薬の吸収や分解、排泄などが正常に行われず、血中濃度が高まったり低下したりすることがあります。例えば次のような場合です。

●水虫の薬と胃薬

爪白癬(爪水虫)などの治療薬である抗真菌薬の「イトラコナゾール」と、胃液の分泌を抑える「H2ブロッカー」を併用すると、イトラコナゾールの血中濃度が低下し、薬効を十分に得られず爪水虫が治りにくくなります。これは、H2ブロッカーによって胃液の酸性度が下がり、イトラコナゾールが十分に溶けないまま小腸まで運ばれてしまい、小腸からの吸収が低下するために起こります。

●降圧薬とグレープフルーツジュース

グレープフルーツに含まれる「フラノクマリン誘導体」という成分は、薬の分解酵素の一種に作用し、その働きを阻害します。この成分が多く含まれるグレープフルーツジュースと降圧薬の「カルシウム拮抗薬」の一部を併用すると、薬の分解が抑えられて血中濃度が高まり、薬の効果が強まって、血圧が下がりすぎることがあります。200mlのグレープフルーツジュースを飲むと、その影響は約3~4日間持続するとも報告されています。カルシウム拮抗薬を服用しているときは、グレープフルーツジュースには注意が必要です。

作用部位での薬効の変化

薬が目的の部位に達した段階で、併用していた薬や飲食物が、薬の作用に影響を及ぼすこともあります。両者の作用が加わって薬効が強くなりすぎたり、両者の作用が拮抗して薬効が弱まったりします。例えば、次のような場合です。

●強心剤と利尿薬

強心剤の「ジギタリス製剤」と、降圧薬の「ループ利尿薬」を併用すると、ジギタリス製剤の薬効が強まることがあります。ループ利尿薬にはカリウムの排泄を促す作用があります。カリウムが排出されて、体内のカリウム濃度が低下すると、ジギタリス製剤の薬効が強まり、心臓の収縮力を高めるのです。ジギタリス製剤の薬効が強まると、吐き気や動悸、不整脈などが起こることがあるので、注意が必要です。

●血栓予防薬と納豆など

抗血液凝固薬の「ワルファリンカリウム」は、ビタミンKの働きを阻害することで、血液凝固因子がつくられないようにし、血栓ができるのを防ぎます。ところが、ビタミンKを多く含む食品を常用すると、血液凝固因子が作られるのが促進されるため、薬の効果が打ち消されて、血栓ができやすくなります。ビタミンKを多く含む食品には、納豆のほか、クロレラ食品、ケル、ブロッコリー、ほうれん草などがあります。ワルファリンカリウムを服用中の人は、これらの摂取を避けるようにしましょう。

のみ合わせに気を付けよう

薬を使用するときは、誰にでものみ合わせや食べ合わせによるトラブルが起こる可能性があります。

しかも、のみ合わせや食べ合わせの危険性は、使っている薬の種類が多ければ多いほど高くなります。特に高齢者の場合は、複数の薬を使用している人が多いうえに、加齢による体調の変化もあり、のみ合わせや重複などの薬の服用を起こしやすくなるので、慎重な対応が必要です。薬を正しく使うためには、次のようなことに注意しましょう。

●薬について知る

薬を使うときには、医師や薬剤師に、のみ合わせや食べ合わせについて確認しましょう。一般に薬を使用するときには、のみ合わせなども含め、薬についての基本的なことを知っておくことが重要です。医師から薬の処方箋を受け取ったり、薬局で薬を受け取るときに、次の5項目について確認するとよいでしょう。

  • 薬の名前
  • 何に効くか
  • 注意すること
  • 副作用
  • のみ合わせや食べ合わせなどの相互作用

●使っている薬を知らせる

薬の処方箋を受け取るときは、現在ほかにどんな薬を使っているかを担当医に伝えましょう。これは「お薬手帳」を活用するとよいでしょう。お薬手帳は、薬の名前や用量、処方箋を発行した医療機関名や担当医名、副作用歴、病歴などを記入する欄がある手帳で、多くの医療機関・薬局が患者さんに配布したり、販売しています。

●かかりつけ薬局をつくる

複数の薬局を利用すると、のみ合わせが見逃されることがあります。かかりつけ薬局を決めて、どの医療機関で処方された薬も、必ずそこで受け取るようにすれば、薬についての情報が一元的に管理され、万一併用してはいけない薬が処方された場合でも、薬局で発見されてのみ合わせを防ぐことができます。

処方箋と、サプリメントや市販薬との相互作用で気になることなども、かかりつけ薬局に相談して、適切なアドバイスをもらえるようにしておきましょう。

●特定保健用食品にも注意

最近は血圧や血糖値などを調節する飲料などの「特定保健用食品」が出回っています。降圧薬と血圧を調節する特定保健用食品を併用すると、血圧が下がりすぎる可能性もあります。これらののみ合わせや食べ合わせにも注意しておきましょう。

まとめ

我々一般人がのみ合わせに気づくのは難しいので、必ず何でも相談できる薬局を作っておいた方がいいでしょう。また、最近はどこでもお薬手帳を出すので、それらを2つ3つともらった数だけ使っている人もいますが、これでは意味がありません。お薬手帳はどの薬局で使っても同じものを出して、1つに情報をまとめておくようにしましょう。

また、食べ合わせにも十分注意しましょう。「朝にグレープフルーツを食べたが、昼なら血圧の薬をのんでも大丈夫だろう」と考える人もいますが、これはいけません。グレープフルーツの成分は3日以上体に残っていますので副作用がでることになります。このように、自分では大丈夫と思っていても実はダメだったということはよくあるので、医師や薬剤師の説明をよく聞いておくことが大切です。



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