腫瘍マーカーについて養生灸のススメ

category : 西洋医学 2011.12.15

がん発見の手がかり

最近はがんを見つけるために「腫瘍マーカー」というものを調べることが多くなってきています。皆さんはこの腫瘍マーカーがどのようなものか知っているでしょうか?実は検査で腫瘍マーカーの数値が高ければすぐにがんの治療が必要になるかというとそうでもありません。そこで腫瘍マーカーとはいったいなんなのか勉強していこうと思います。

腫瘍マーカーとは

がんの存在を示す目印(マーカー)になりうるものが、「腫瘍マーカー」と呼ばれています。主に、がん細胞がつくる特徴的な物質が目印として使われており、その物質が増えたときにがんがあるのではないかと疑います。

ようするに「がんができたときに増える物質」があるならば、「その物質が増えたときはがんがある」のではないかを疑うための検査というわけです。

腫瘍マーカーの検査は、主に血液によって行われ、血液中にどれだけ含まれているかを測定します。腫瘍マーカーの種類によっては、尿などで調べるものもあります。

腫瘍マーカーの検査は、がんの診断、治療、経過観察のそれぞれの過程で行われ、主に次のように用いられています。

●がんの診断の補助

健康診断でがんを発見するためのスクリーニング(ふるい分け)検査として行われたり、症状があって受診した患者さんにがんがある可能性を判断する1つの目安とされています。病変ががんかどうかを判断する助けにすることもあります。

ただし、腫瘍マーカーだけでがんかどうかを診断することはできません。

●治療効果をみる

腫瘍マーカーの値の変化によって、治療効果をみます。治療を行って腫瘍マーカーを値が下がれば、治療の効果が現れていると判断されますし、治療を行っても腫瘍マーカーの値が上がり続けるようであれば、治療法の見直しも行われます。

●治療後の経過観察

がんの治療を行った後、定期的に測定して値の推移をチェックすることで、再発がないかを見ていきます。

どんながんを調べられるのか

腫瘍マーカーには多くの種類があり、全身のさまざまながんが検査の対象となります。ただし、腫瘍マーカーには、どこでできたがんかを特定できる「臓器特異性」が高いマーカーと低いマーカーがあります。

臓器特異性が高いマーカーには、前立腺がんのマーカーである「PSA(前立腺特異抗原)」や、肝がんのマーカーである「AFP(α-フェトプロテイン)」や「PIVKA-Ⅱ」などがあります。前立腺がんでは高齢の男性、肝がんではB型・C型のウイルス性の慢性肝炎や肝硬変の人に、発生頻度が高いことが分かっています。そうした「ハイリスク群」の人では、その臓器に特異性の高い腫瘍マーカーが、がん発生を監視する有効な方法になります。

一方、現在用いられている腫瘍マーカーのほとんどは、臓器特異性が低いマーカーです。例えば「CEA」の場合、胃がんや大腸がんのほか、肺がんや乳がんなどでも値が高くなります。いくつもの臓器のがんについて一度に調べられる反面、がんの存在が疑われても、どこにがんがあるかはわかりません。

ただ、臓器特異性が低いマーカーでもそれぞれ見つけやすいがんに特徴があるので、いくつかのマーカーを組み合わせると、疑わしい部位をある程度絞り込むことができます。そこに対してCTやMRIなどの画像検査を行い、詳しく調べていきます。

検査値の高低について

がんの診断のために行われる腫瘍マーカー検査の結果は、一般に、健康な人の検査を基に決められる「基準値」と比較して測定されます。腫瘍マーカーの値が基準値以下であれば「陰性」、基準値を超えた場合は「陽性」です。基準値は検査の方法によって異なるので、判定は検査を受けた医療機関の基準値と比較して行います。

ただし、陽性と判定されてもがんがあるとは限りません。腫瘍マーカーの値は、良性疾患や感染症、体調や喫煙などの影響で高くなること(偽陽性)もあります。逆に、がんがあっても検査した腫瘍マーカーの値が高くならない場合(偽陰性)もあり、値が低いからとがんがないとも言い切れません。がんがあるかどうかは、他の検査の結果と総合して判断されます。

早期発見できるか

人間ドックなどの健康診断でも、がんのスクリーニングを目的に、腫瘍マーカー検査が取り入れられています。PSAでは前立腺がんの早期発見も期待できます。しかし、その他の腫瘍マーカーについては、それだけで早期発見することは難しいのが現状です。

とはいえ、自覚症状がでる前に腫瘍マーカー検査でがんが疑われ、詳しい検査を受けた結果、がんを早く発見できることもあります。腫瘍マーカー検査で陽性であれば、CTやMRI、内視鏡などの精密検査を必ず受けるようにしてください。がんの確定診断には原則として、組織を採取して顕微鏡で調べる「生検」が行われます。

定期検査を指標にする

PSAのような臓器特異性の高い腫瘍マーカーを除き、同じ臓器にがんがあっても、どの腫瘍マーカーの値が上がるかは人によって異なります。がんの治療を行う前には、さまざまな腫瘍マーカーを調べて、その患者さんのがんで高くなっている腫瘍マーカーを見つけ、それを治療効果の判定や経過観察の際の指標として使います。

不特定多数の人を対象としたスクリーニング検査では、調べた腫瘍マーカーががんの発見に役立たないことも多いのですが、がんの治療中や治療後の定期検査では、反応の現れているマーカーをあらかじめ選んでおくことで、より信頼性の高い目印になります。

治療前に高くなっていた腫瘍マーカーの値が手術などの治療後に大きく下がれば、その後の経過観察ではその腫瘍マーカーを定期的に検査し、がんの再発の兆候がないかをチェックしていきます。

ただし、さまざまな要因で検査値が変動するのはがんの治療後も同様ですから、わずかな数値の動きはあまり気にしないでかまいません。

画像検査ではわからないことも

経過観察中の腫瘍マーカー検査は、1回高い値が出たらがんの再発を示すというものではありませんが、上昇が続くようなら画像検査などを行って確認します。

ただ、CTやMRIなどの画像検査で発見できるのは、一般にがんが5mm~1cm以上の大きさになってからです。画像検査で異常がみられなかった場合も、定期検査の頻度を上げたりして注意深い経過観察を行います。腫瘍マーカーの値が大きく上昇した場合には、がんの転移が起こりやすい部位を調べる検査を行うこともあります。

抗がん剤治療中の検査値の変動

抗がん剤治療を始めると、がん細胞が破壊されて腫瘍マーカーとして調べている物質が大量に流出するために、検査値が上昇することがあります。これは一時的なものなので心配はいりません。その後、治療が進むに従い、値が下がってくるのが普通です。

もしその後、腫瘍マーカーの値が再び上がってくるようなら、その抗がん剤の効果が得られなくなったと考えて、薬の種類を変えることもあります。このように、腫瘍マーカーは治療方針を検討するうえで重要な指標となるのです。

検査の間隔

スクリーニング検査であれば、1年に1回の健康診断で受ければよいでしょう。PSAなどの値がグレーゾーンにある場合は、半年に1回調べることもあります。

がんが見つかった人では、がんの種類や行う治療によって違いますが、一般には治療前に上昇していた腫瘍マーカーを、治療後1・2・3・6カ月後、1年後、その後は年に1回などと、徐々に間隔をあけて調べます。検査の間隔は、調べる目的や状況によって変わりますので、医師の指示に従って必要なチェックを受けるようにしましょう。

まとめ

このように腫瘍マーカーはがんの目安として期待されているものですが、完璧ではありません。そのため、がんがあるかどうかは総合的な判断で行うことになります。しかし、最近は研究も進んできており、これから臓器特使性の高い腫瘍マーカーも出てくることでしょう。

腫瘍マーカーを調べるときには医師に納得のいくまで説明してもらいながら検査を受けて、早期発見に努めましょう。



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