B型肝炎について養生灸のススメ

category : 西洋医学 2011.12.13

危険で身近な感染症

身近には危険な感染症というものがあります。今回紹介するB型肝炎もその一つです。このB型肝炎の患者さんは日本で100万人以上もいるといわれていますので、他人事ではありません。どのように感染し、どのような症状が現れるのかを知っておきましょう。

B型肝炎とは

B型肝炎は「B型肝炎ウイルス(HBV)」に感染して起こります。B型肝炎ウイルスは、血液や体液を介して、人から人へと感染していきます。

B型肝炎ウイルスに感染している人は、日本で100万~150万人ほどいると推定されています。その多くは、ワクチンなどの感染防止策がないころに「母子感染」によって母親から感染した人です。現在は、感染防止策がとられており、新たに母子感染が起こることはほとんどありません。(感染防止策は1986年以降に徹底して行われています)

最近の傾向としては、大人になってから、性交渉などで感染する人が増えています。また、欧米で多かった「慢性化しやすいタイプのB型肝炎ウイルスの感染が増えている」とも言われており、B型肝炎に対しする治療や対策が新たな課題になっています。

感染後の経過

ウイルスに感染した後、さまざまな経過をたどるのが、B型肝炎の特徴です。大人になってから感染すると、多くは急性肝炎を起こしたのちに自然治癒します。しかし、一部のウイルスが体内にすみついて、慢性肝炎を起こしたり、肝機能は正常なもののウイルスは体内にいる「無症候性キャリア」へ移行することがあります。

慢性肝炎になると、肝機能が悪化し、「ALT(GPT)」などの値に異常が見らせるようになります。さらに肝臓の線維化が進行すると肝臓が硬くなって、肝機能が悪化し、肝硬変を経て肝臓がんを発症する危険性が高まるので、肝硬変や肝臓がんが起こらないように治療する必要があります。

無症候性キャリアでは、肝炎が起こっておらず、肝機能は正常です。しかし、血液中にはB型肝炎ウイルスが存在し、他人への感染が生じるおそれがあります。また突然悪化して、肝硬変や肝臓がんを発症することもありますので、経過を見守り、肝機能に異常が起これば治療を行います。

治療薬について

B型肝炎の治療の中心は、薬を使ってB型肝炎ウイルスの増殖を抑える「抗ウイルス治療」です。薬は次の2つに大別されます。

●インターフェロン

もともと体内でつくられるたんぱく質で、免疫の働きを強めてB型肝炎ウイルスの増殖を抑える働きがあります。注射薬として使います。

副作用として「発熱、頭痛、関節痛、筋肉痛、不眠、吐き気、おう吐、食欲不振」などさまざまな症状がほとんどの人に起こります。

●核酸アナログ

B型肝炎ウイルスの遺伝子の合成を阻害して、増殖を抑える働きがあります。ラミブジン、アデホビルピボキシル(アデホビル)、エンテカビルの3種類の内服薬があり、長期間にわたって服用を継続する必要があります。これらは、比較的副作用が少ないといわれています。

ラミブジンは効果が高い薬として、2000年から広く使われています。しかし、この薬には長期間使い続けると薬が効かない「耐性ウイルス」が出現しやすいという欠点があります。耐性ウイルスが出現する確率は、1年間で20~30%、約5年間で50%以上といわれています。耐性ウイルスが出現すると、多くの場合、肝炎が悪化します。

アデホビルは、ラミブジンの耐性ウイルスに対しても有効な薬です。ラミブジンの耐性ウイルスが出現した場合には、肝炎の悪化を防ぐことを目的としてアデホビルを併用します。ラミブジンとアデホビルの併用は2004年に承認されました。

2006年に承認されたエンテカビルには、ウイルスの増殖を抑える効果がラミジブンより高く、しかも耐性ウイルスが出現しにくいという特徴があります。ただし、耐性ウイルスは全く出現しないわけではなく、出現する確率は3年間で数%といわれています。

現在ではエンテカビルが核酸アナログの第一選択薬として使用されるようになっています。

B型肝炎の治療法

●35歳未満の人の場合

若いうちから核酸アナログの内服を開始すると、服薬期間が長くなり、患者さんの負担が大きいため、35歳未満では核酸アナログでの治療をできるだけ避けるようにします。

HBe抗原陽性の場合は免疫力によってHBe抗原が陰性化したり、炎症が静まることもあるので、インターフェロンでの治療(長期間欠=約6か月間、週2~3回注射が一般的)が基本となります。ただし、まれですが、若いうちから肝機能が悪化し、肝臓の線維化が進行している患者さんの場合には、エンテカビルが使われます。

●35歳以上の人の場合

35歳以上の場合には炎症が進んでいることが多く、エンテカビルによる治療が勧められます。

ただし、HBe抗原が陽性で、HBV-DNAの値が高く、ウイルス量が多い場合には、エンテカビルの耐性ウイルスが出現することが考えられます。それを避けるために、インターフェロンを選択することもあります。

●すでにラミブジンで治療中の人の場合

ラミブジンの耐性ウイルスは服用開始から3年以内に出現することが多く、服用期間が「3年未満」「3年以上」で、適する薬が異なります。

服薬3年未満で、HBV-DNAの値が検出限界未満の患者さん、また検出範囲内であっても肝機能が悪化していない患者さんは、エンテカビルへ切り替えることが可能です。ただし、HBV-DNAの値が検出可能範囲内で肝機能が悪化した場合は、耐性ウイルスがいることが考えられるので、ラミブジンにアデホビルを併用します。

服薬3年以上で、HBV-DNAの値が検出限界未満の患者さん、また検出範囲であっても肝機能が悪化していない場合は、今後ラミブジンの耐性ウイルスが出現する可能性が低いと判断して、ラミブジンの服用を続けます。ただし、HBV-DNAの値が検出範囲で肝機能が悪化している場合は、耐性ウイルスが出現していることが考えられるので、ラミブジンにアデホビルを併用します。

現在ラミブジンを服用している人は、エンテカビルへの切り替えが可能かどうか、医師と相談してみましょう。

まとめ

B型肝炎は、どのような経過をたどるか予測が難しいため、経過を診ながら適切な時期に適切な治療を受けることが大切です。感染した場合は肝臓病の専門医と相談して、自分の肝臓の状態を知って治療を受けるようにしましょう。無症候性キャリアで肝機能が悪化していない場合でも、定期的に受診することが大切です。



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