総入れ歯について養生灸のススメ

category : 西洋医学 2011.12.3

総入れ歯は悩みが多い

歯は日常生活において非常に重要な働きをしています。しかし、年をとるとともに歯は抜けていき、入れ歯を使うことになります。さらに、歯が抜けてしまうと部分入れ歯ではなく「総入れ歯」を使用することになりますが、この総入れ歯に悩まされる人も多いでしょう。

総入れ歯では「がたつく」「当たる」「痛む」など、総入れ歯が合わずに不快な症状がでることが多いです。なかには、「総入れ歯はそんなものだ」とあきらめている人もいます。しかし、自分に合った総入れ歯になるように調節すれば解消されることも多いので、今回は総入れ歯について勉強していこうと思います。

歯の本数

年齢が上がるにつれて、虫歯や歯周病などで失う歯の本数が増える傾向があります。厚生労働省に調査によると、年齢別の失った歯の本数の平均は、60~64歳では約7本ですが、80~84歳では約19本と増えています。また、70歳以上の約4人に1人は、自分の歯が1本もないという報告もあります。

何歳になってもおいしく食べて、生活を楽しむためには、歯がすべてなくなった場合は、「自分に合った総入れ歯」を使うことが大切になります。

総入れ歯の構造

総入れ歯は、人工歯(じんこうし)と、それを支える義歯床(ぎししょう)からなります。前歯から奥歯まですべての歯が人工歯でできていて、義歯床をあごや歯ぐきに密着させて使います。

義歯床には、プラスチックの一種である「レジン」でつくられる「レジン床」と、金属でつくられる「金属床」があります。

ほとんどの総入れ歯は、健康保険が適用されるレジン床で問題なく作ることができますが、より快適さを求める場合には、健康保険適用外の金属床を使うこともできます。

・レジン床
強度を保つために厚みがあります。「食べ物などの熱が伝わりにくい」「吸水性があるため汚れが付着しやすい」という難点があります。反対に、調整しやすいという利点もあり、よく使用されています。

・金属床
薄く、熱を伝えやすいため、温かい飲食物を温かく感じることができます(レジン床では温かかさを感じにくい)。吸水性がないため、汚れが付着しにくいのですが、レジン床ほどの調整のしやすさはないといえます。

総入れ歯の作り方

総入れ歯は、あごの形など患者さんの口の中にぴったりと合い、正しい噛みあわせになるように、多くの手順を経て作られます。何回も口の中を型取りして精密な型を作ったり、仮の入れ歯をつくって試したりします。

健康保険が適用される総入れ歯の場合は、通常、完成までに1か月から2か月ほどかかります。

おおよそ次のような工程で作られていきます。

第1回:検査と大まかな型取り

1.唾液の分泌状態や歯ぐきの弾力性など、口の中の状態を触診で調べる。
2.あごや歯ぐきの大まかな型を取る。金属でできた枠に、型取りのための印象材などを塗って、口の中に入れ、型を取る。
3.その型から、個々の患者さん専用の枠をつくる。

第2回:精密な型取り

4.患者さん専用の枠に、各種の印象材を塗り、それらを口の中に入れて、精密な型を取る。
5.それらを基にして、ろうで仮の入れ歯をつくる。

第3回:噛みあわせを決める

6.仮の入れ歯を口の中に入れて、目や鼻との位置関係を調整しながら、噛みあわせの高さや人工歯の位置、大きさ、色などを決める。
7.仮の入れ歯に人工歯を並べる。

第4回:仮の入れ歯を試す

8.人工歯の並んだ仮の入れ歯を装着し、噛みあわせや外見などを調整する。
9.8の結果に基づいて、実際の入れ歯をつくる

第5回:完成

10.入れ歯を装着し、噛みあわせや表情などをチェックして、調整する。

●完成後の注意

総入れ歯が完成したら、最初は、例えば豆腐などの柔らかいものを食べたり、一口の量を少なくして食べるようにし、徐々に総入れ歯で噛むことに慣れていきます。時間をかけて完成した総入れ歯も、実際に使ってみると、多くの場合は合わない部分が出てきますので、最初の1~2週間歯、細かい調整を受けることが大切です。

その後、さまざまな食べ物を噛むようになると、新たな不具合を感じることが多いので、1~2か月間は調整を繰り返すようにしましょう。

総入れ歯の自己チェック法

●人差し指と中指で、総入れ歯を歯ぐきのほうへ押して、痛みの有無を調べる

痛みがある場合は、義歯床がぴったりと合っていないことが考えられます。

●上下の人工歯を噛みあわせて、あごを左右に動かす

動かしにくいと、野菜の線維や肉の筋などを噛み切りにくくなります。

●入れ歯を装着した状態で鏡を見て、口元のしわのでき方を調べる

不自然にシワが多い場合は、人工歯の位置が低いことが考えられる。

使い続ける場合

●徐々に合わなくなることもある

多くの場合、長い期間使い続けていると、合っていた総入れ歯でも、徐々に合わなくなってきます。

誰にでも噛み方の癖があり、噛みやすい部分で噛む傾向があります。その結果、人工歯が部分的にすり減ってきます。また、噛み方の偏りからあごに無理な力が加わると、あごの骨が減って歯ぐきの形状が変わったりして、徐々にがたついてきます。このような不具合を放置すると、ますますがたついて、痛みが生じるようになります。すると、痛む部分に力が加わらないように、つい不自然な噛み方をしてしまいます。このようにして、ますます合わなくなることがよくあるのです。

●がたつきを感じたら調整する

総入れ歯が合わないと感じたら、歯科を受診して調整するようにしてください。

歯科では、まず総入れ歯が密着しているかどうかなどを調べます。そのうえで、例えば、レジン床なら、あごと密着していない部分に、レジンを補充することなどによって、がたつきを改善します。

また、噛みあわせの状態を調べ、不自然な力が加わっている部分の人工歯を削って、噛みあわせのバランスを調整したりします。

自分では問題ないともっていても、実際には総入れ歯があっていないことがよくあります。自己チェック法で日頃から調べておき、該当する項目がある場合には一度受診してみてもらいましょう。

●定期的に受診する

総入れ歯でよく噛める場合でも、総入れ歯や口の中の状態のチェックを定期的に受けて、よい状態を保つようにすることが大切です。半年間に1回は受診するのがよいでしょう。

まとめ

総入れ歯は自分に合ったものをうまく使うと、食事もおいしく食べられます。これは生活の質(QOL)にもかかわってきますので、めんどくさがらずにきちんと調節しましょう。

また、使い始めの時期に「食べ物の味が分からない」と感じる人もいます。しかし、慣れてくると、味が感じられるようになることがほとんどです。最初は「自分の歯がないのは恥ずかしい」などとマイナス思考になる方も多いですが、「総入れ歯を上手に使って、おいしいものを食べよう」と前向きに考えるようにするのがよいでしょう。



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