変形性膝関節症と手術療法養生灸のススメ

category : 西洋医学 2011.11.25

膝の手術療法について

膝に痛みがある場合には、まず運動療法を行います。これでかなりの人は良くなりますが、それでも痛みが解消されない人は運動療法と並行して薬物療法などの保存療法を行います。しかし、日常生活に支障をきたすほど膝の痛みが強い場合などには、手術療法を行うことがあります。そこで今回は手術療法について勉強していこうと思います。

手術療法

膝が痛いからといって動かないでいると、症状が進行して筋力や骨が弱り、寝たきりになる恐れがあります。運動などや保存療法では痛みが改善せず、日常生活に支障があるときには手術療法が検討されます。

手術療法には、「関節鏡手術」「骨切り術」「人工関節置換術」があります。それぞれ膝の症状やほかの病気などを考慮しながら、医師とよく相談して決めていきます。

関節鏡手術

炎症の原因は、変性した「関節軟骨」や「半月板」です。そこで、特殊な器具を使ってこれらを取り除き、痛みを改善する手術が行われます。

膝に5mm程度の孔を2~3か所開けて、関節専用の内視鏡である「関節鏡」と手術器具を入れます。関節鏡で映した膝関節の内部をモニターで見ながら、手術器具で関節軟骨や半月板のけばだった部分を切除したり、軟骨のかけらなどを取り除きます。

大きく切開しないので入院は2~3日間で済み、社会復帰が早いのが特徴です。傷痕が小さく、術後の痛みが比較的少ないという利点もあります。

●関節鏡手術の対象になる人

まだ関節軟骨の摩耗がそれほど進んでいない、70歳くらいまでの人に適しており、痛みを改善する効果が期待できます。

また、「エックス線検査」や「MRI(磁気共鳴画像)検査」などで、膝関節の中に関節軟骨や骨のかけらが見つかり、それが炎症の原因と考えられる人が対象になります。半月板が切れて膝関節の内部で引っかかっている人や、骨の変形(骨棘)があって膝が十分に伸ばせない人なども対象です。

骨切り術

変形性膝関節症でO脚になると、膝関節の内側に負担がかかり、内側がさらにすり減りやすくなります。この手術は、脛骨の一部を楔形(くさびがた)に切り取ってO脚を矯正し、内側にかかる負担を減らして、痛みを軽減させる手術です。

手術後は1か月程度入院する必要があり、切った骨がつながるまでに2~3か月間かかります。

しかし、一度手術を行って痛みが改善すれば、その効果は10年以上続きます。手術後は、活動的な仕事やスポーツをすることも可能です。

●骨切り術の対象になる人

膝の内側の摩耗が強く、外側の関節軟骨は比較的保たれている人が適しています。年齢としては、40~60歳代の人が対象です。また、スポーツをする人や農業・漁業などで膝をよく使う人など、日常生活の活動性が高い人に向いています。

人工関節置換術

残念ながら、一度すり減った関節軟骨を元通りにすることはできません。そのため、膝関節の変形が進み、関節鏡手術や骨切り術では痛みの改善が期待できない場合は、人工関節に置き換える手術が選択されます。

変形した骨の表面を削り、金属とポリエチレンでできた人工関節に置き換えます。入院期間は3週間~1か月程度です。

痛みがある部分を人工関節に置き換えるため、ほとんどの場合、手術後は痛みがなくなります。

●人工関節置換術の対象になる人

関節の両側が大きく変形し、強い膝の痛みのために日常生活に大きな支障をきたしている人は対象になります。人工関節の素材である金属やポリエチレンは、長ければ20年ほど持つとされており、基本的には65歳以上の人が対象になります。

手術後は、歩行やイスを使った生活は問題なくできますが、小走りやしゃがむなどの動作が難しくなります。正座ができる人工関節もありますが、基本的には正座などの膝を深く曲げる動作をすることは難しいと考えたほうがよいでしょう。

手術の注意点

どの手術であっても、手術中や手術後に、合併症が起こる可能性があります。

例えば、手術中や手術後に長時間足を動かさないため、血流が滞って血栓ができ、それが肺などの血管を詰まらせることがあります。こうした合併症は命にかかわる症状を引き起こす可能性があります。

また、手術後に「感染症」が起こることもあり、特に人工関節に置き換える手術を受けた場合に多くみられます。「膝が赤く腫れる」などの症状が現れたら、すぐに担当医の診察を受けてください。

最新の治療法について

基本的に一度損傷した関節軟骨というのは元に戻りません。しかし、最近ではさまざまな研究により関節軟骨を修復する技術が開発されています。まだ、研究段階で広まっていませんが一例を紹介しておきます。

関節軟骨を修復するために、患者さんの軟骨組織を採取して、特別な方法で培養します。培養した軟骨組織を関節軟骨が欠けた部分に移植することで、関節軟骨の修復が促されます。治療後は、1~1カ月半程度で体重を膝にかけて歩けるようになります。

今のところこの治療法は、まだ一部の医療機関でしか行われておりません。また、60歳以下の人で関節軟骨が一部だけすり減っている人という条件があります。しかし、今後はこのような方法が広がっていくことが期待されています。

まとめ

痛みが強く日常生活に支障がある場合には手術療法を行うことになります。手術療法には様々な方法があり、それぞれの患者さんに合わせて行います。どの治療法にもメリットとデメリットがありますので、患者さんの今後の生活をどうするかにも踏み込んで、医師としっかり話し合いながら納得のできる治療を受けるようにしましょう。



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