変形性膝関節症の治療(保存療法)養生灸のススメ

category : 西洋医学 2011.11.24

膝痛の保存療法

膝の痛みの治療では患者さんが毎日行う運動療法が基本となります。運動療法なしではなかなか膝の痛みはよくなりません。しかし、痛みの原因である膝の炎症を放置していると、さらに膝に水がたまり痛みが悪化し、それによってまた炎症がひどくなるという「炎症の悪循環」が起こります。それを食い止めるためには、炎症を抑える薬を使う「薬物療法」などを、運動療法と並行して行うことが大切になります。

炎症を抑える治療法には、「保存療法」と「手術療法」に大きく分けられます。

保存療法には、薬物療法のほか、「温める、冷やす」「装具を使う」といった方法があります。症状に合わせて、治療法を選んだり組み合わせたりして、治療していきます。

薬物療法

●「非ステロイド性消炎鎮痛薬」の使用

最もよく使われるのが、非ステロイド性消炎鎮痛薬です。炎症を抑える作用があり、症状を和らげることができます。「外用薬」「内服薬」「座薬」があり、痛みの強さなどで使い分けられます。

・外用薬
膝に痛みがある場合に、広く使われます。塗り薬や貼り薬などがあります。

・内服薬
痛みが強い時などに使われます。「胃腸障害」などの副作用が起こることがあります。服用中に「胃の痛みや不快感」などの症状が現れたら、すぐに担当医に相談しましょう。

・座薬
痛みがかなり強い場合や膝が腫れている場合などに用い、症状が治まってきたら外用薬に切り替えます。

このほか、痛みが非常に強いときは、炎症を抑える効果の高い「ステロイド薬」が、短期間用いられることがあります。

●ヒアルロン酸の関節内注射

ヒアルロン酸は関節軟骨や関節液に含まれる成分の1つです。ヒアルロン酸を膝関節内に直接注入することで、「関節軟骨の表面を保護して炎症を抑える」「膝関節の動きを滑らかにする」「関節軟骨に栄養を与える」といった効果があり、膝の痛みの改善が期待できます。

注射は1~2週間に一度うち、それを3~5回繰り返して効果をみます。早ければ1~2日で効果が現れる人もいます。多くは、膝の水(関節液)を抜く治療と同時に行われます。

この治療法は、初期のうちに始めると効果が高いのですが、ある程度進行した状態でも治療の効果は期待できます。

注意したいのは、注射後の感染です。注射でできた傷を不衛生な手で触ったりして、細菌などが入らないように気を付けましょう。

温める、冷やす治療

膝関節を温めたり冷やしたりすることで、血行が改善し、痛みの軽減につながります。

●温める場合

変形性膝関節症の場合、膝関節を温めるのが基本です。ゆっくり入浴したり温めたタオルを膝に当てたりしてよく温め、血行を良くします。

●冷やす場合

膝関節に腫れや熱があるときには、氷のうを当てたりして冷やします。冷やしているときは血管が収縮していますが、冷やし終わったとき、一気に血管が拡張して血行が良くなります。

また、冷やしたあと、1時間以上たってから温めるという、2つを組み合わせた方法もあります。

装具を使う治療

装具を使うことで、膝関節への負担を減らしたり膝関節を温めたりすることができます。それにより、痛みを和らげ、症状の進行を防ぐ効果があります。

●装具の種類と効果

装具には次のようなものがあります。

・足底板
脚の外側を高くすることでO脚を矯正し、膝への負担を軽減する装具です。靴の中に入れるタイプや足に装着するタイプがあり、患者さんの生活様式に合わせて使い分けます。
外出の多い人は靴の中に入れるタイプ、家庭内で過ごすことが多い人は足に直接つけるタイプなどを選んで使用します。

・サポーター
主に、膝関節を温める目的で使用します。保温効果によって血行が良くなります。スポーツ用品店や薬局・薬店などで手軽の購入することができます。

・機能的膝装具
プラスチックや金属などでつくられた装具です。O脚を矯正して、膝を安定させます。効果は高いのですが、装具が大きく、取り外しづらいということがあります。しかし、3つの装具のなかで膝の負担を軽減する効果が最も高いというメリットがあります。

これらの装具を使用したい場合は、医師と相談し、症状や生活様式などに応じて、自分に合ったものを選んでください。こうした装具以外に、つえを使うことでも膝への負担が軽くなり、痛みを軽減できます。

まとめ

このように、膝の痛みに対する治療にはさまざまな種類があります。それぞれの患者さんの状態に合わせて使うことが大切になります。また、痛みがマシになったら無理のない範囲でしっかりと運動療法を続けていくことも重要です。しっかりと治療して生活の質(QOL)を上げるようにしましょう。



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