不眠症と睡眠薬について養生灸のススメ

category : 西洋医学 2011.11.13

睡眠薬を適切に使う

さまざまな原因によって夜よく眠れなくなり、つらい思いをする人は少なくありません。そこで、「不眠症」の改善のために「睡眠薬」を使用することがあります。睡眠薬にも種類があり、タイプによって使い分けをするので、今回は「睡眠薬」について勉強していこうと思います。

不眠とは

まずは不眠症について簡単に知っておきましょう。不眠症というのは、「夜ねむれないために、昼間も調子が悪くて苦しむ状態」のことです。苦しんでいるかどうかは人によって感じ方が違うため、睡眠時間の長短では表すことはできません。たとえ睡眠時間が短くても、よく眠れていると感じていれば不眠症ではなく、長い時間寝ていても眠れていないと感じるようなら不眠症となります。そして、不眠で苦しい状態が約1か月以上続いたら、医療機関を受診するようにしましょう。

不眠症について詳しく知りたい方は「不眠症とは」を参考にしてください。

不眠のタイプ

夜ねむれないという不眠ですが、実はいくつかのタイプに分かれています。主に次のようなものがあります。

・入眠障害
床についても、なかなか眠れない状態です。年齢に関係なく誰にでも起こります。

・中途覚醒
夜中に何度も目が覚める状態です。高齢者によく見られるタイプの不眠症です。

・早朝覚醒
朝早くに目が覚め、そのあと眠れない状態です。加齢とともに夜は早い時間から眠るために起こりやすくなります。

・熟眠障害
熟眠感がない状態です。多くは、ほかの3つのタイプに伴って起こってきます。

このように、不眠のタイプはさまざまですが、複数のタイプが同時に起こっていることもあります。睡眠薬は不眠のタイプによって使う種類を決めるので、自分のタイプを把握しておきましょう。

睡眠薬の選び方

不眠症の場合、多くは睡眠薬を用いた治療を行います。主に使われるのは「ベンゾジアゼピン関連物質」という種類の睡眠薬です。

ベンゾジアゼピン関連物質は、自然な眠気を起こす薬です。かつてよく使われていた「バルビツール酸系」の睡眠薬のような、呼吸の抑制や、薬の量を増やさないとだんだん効かなくなる「慣れ」が起こりにくく、安全性が高い薬です。正しく服用すれば、安心して使うことができます。

●ベンゾジアゼピン関連物質の効果

ベンゾジアゼピン関連物質には、主に次の2つの働きがあります。さまざまな種類があり、患者さんの不眠のタイプ、不眠に対する不安やこだわりの強さなどによって選びます。

・催眠作用
眠りを導く働きです。一般に、入眠障害に対しては催眠作用の持続時間が短い薬が適しています。中途覚醒や早朝覚醒に対しては、催眠作用の持続時間が長い薬が適しています。

・安定剤的作用
気分をほぐす抗不安作用と、筋肉をほぐす筋弛緩作用のことです。一般に、不眠に対する不安やこだわりが強くない人や、高齢者には、安定剤的作用が弱い薬が適しています。不眠に対する不安やこだわりが強い人や、頭痛や肩こりがある人には、安定剤的作用を持つ薬が適しています。

熟眠障害は単独で起こることは少ないので、熟眠障害以外の症状に応じた薬を選んで使います。

睡眠薬の副作用

ベンゾジアゼピン関連物質は安全性の高い薬ですが、次のような副作用が現れることがあります。

・持ち越し効果
薬の催眠作用が長く続きすぎて、朝、頭がぼんやりしたり、朝まで眠気が続くことがあります。薬の量の調節や、催眠作用の持続時間が短い薬へと変更することなどが考えられます。

・記憶障害
服用してから床に入るまでの間や睡眠中に起こされたときなど、薬が効いている間の記憶が一部抜け落ちることがあります。特に、お酒と一緒にのむと起こりやすくなります。

・筋肉の脱力
筋弛緩作用によるものです。転倒しやすくなるので、一般に、高齢者には筋弛緩作用の弱い薬が使われます。

●服用するときの注意

こうした副作用を防ぐためにも、睡眠薬をのむ際には、いくつかの注意が必要です。

睡眠薬の処方を受けるときは、今使っている薬をすべて医師に伝えてください。花粉症の薬などの「抗ヒスタミン薬」や一部の「降圧薬」「胃薬」などと併用すると、睡眠薬の作用が強くなり、副作用が起こりやすくなるためです。一時的な不眠を緩和する、市販の「睡眠改善薬」は、抗ヒスタミン薬の眠気を起こす作用を利用しています。医師から処方された睡眠薬との併用はやめましょう。また、グレープフルーツの果実やジュースは、睡眠薬の作用を強めてしまうことがありますので、一緒にとらないようにしましょう。

記憶障害を防ぐため、アルコールとの併用も絶対に禁止です。また、服用後いつまでも起きていると記憶障害を招きやすいので、服用後20~30分以内に床につきましょう。筋肉の脱力に対しても注意が必要です。特に、夜中にトイレなどに行くときは、転倒しないように気を付けましょう。

高齢者では、睡眠薬の副作用による記憶障害が、「認知症」と誤解されることがあります。そのため、「睡眠薬をのんでいると認知症になるのでは?」と不安になる人もいるようです。しかし、睡眠薬と認知症は、関係がありませんので安心してください。

薬の止め方

睡眠薬を服用して眠れるようになり、不眠が気にならなくなったら、服用の中止を目指して薬の量を徐々に減らしていきます。服用は急に中止せず、医師とよく相談しながら減らしていきます。

●睡眠薬の量を減らす方法

・漸減法
睡眠薬を徐々に減らす方法です。例えば、通常の服用量の半分の量をしばらくのみ、次に1/4の量、その次は1/8の量というように、毎日薬を服用しながら、少しずつ薬の量を減らしていきます。

・隔日法
休薬日を作り、それを徐々に増やしていきます。例えば、1週間に1日薬をのまない日(休薬日)を作り、1週間に2日、1週間に3日と休薬日を少しずつ増やします。多くは、漸減法で薬の量をある程度減らしてから行われます。

●睡眠薬を減らすときのコツ

不眠症の人は長時間眠ろうとしがちですが、年相応の睡眠時間をとるように心がけましょう。例えば50歳以上の人なら、まず6時間台を目安に床の中にいる時間を減らしましょう。隔日法の休薬日は、眠くなる時刻が遅くなっても問題はありません。眠くなってから床についてください。

まとめ

不眠症の治療というと、「睡眠薬をのむのを止める」ことが目標になっている人もいます。なかには、「薬に頼るのはよくない」といって最初から睡眠薬をのまない人もいます。しかし、不眠症の治療の目的は「苦しい状態を解消する」ことにあります。特に今の薬は依存性もありませんので、しっかりと薬をのんで、快適な生活を送れるようにしましょう。



スポンサードリンク

サイト内検索

ブログランキング

アクセスカウンター

Copyright(c) 2011 養生灸のススメ All Rights Reserved.