慢性腎臓病と透析療法養生灸のススメ

category : 西洋医学 2011.11.11

透析について

腎臓は体の血液をろ過して、老廃物などを尿として排出する働きをしています。しかし、慢性腎臓病が進行して、腎機能が10%程度に低下してしまうと、「末期腎不全」の状態になり、腎臓は本来の機能がほとんど果たせなくなってしまいます。こうなると、老廃物が体から出せずにたまってしまうために、「心不全」などの命にかかわるさまざまな症状が起こるようになります。そこで 、極端に低下した腎機能を補うための「透析療法」についてを勉強していこうと思います。

腎機能を補う治療法

治療法としては、人工的に血液をろ過する「血液透析」「腹膜透析」や、「腎移植」があります。

このうち腎移植は、日本ではまだ限られた場合にしか行われていないのが現状です。多くの場合は、医療機関で受ける血液透析と、自宅や職場などにおいて自分で行う腹膜透析の2つが、治療法として選択されることになります。

日本では、透析療法を受けている人は増加しており、2005年の時点で、約25万8000人に及んでいます。

患者さんによって異なりますが、一般には腎機能が10%以下になると、血液透析あるいは腹膜透析が治療対象になります。

血液透析について

●方法

血液透析を開始するにあたっては、血液の取り出し口である「シャント」を作るため、片腕の皮膚の下の静脈と動脈をつなぎ合わせる手術を行います。血液透析では、まずシャントから血液を体外に取り出して、人工的に血液をろ過する機器「ダイアライザー」に通します。そこで老廃物や余分な水分を「透析液」にこし出し、きれいになった血液を体内に戻します。

週2~3回医療機関に通院し、1回4~5時間かけて行われます。血液透析は現在最もよく行われている透析療法です。そのため、血液透析を行える医療機関は全国に多数あり、多くの人は自宅や勤務先近くの医療機関を選択しています。昼間は仕事を行い、夕方から血液透析を行う「夜間透析」が可能な医療機関もあります。

●日常生活での注意点

食事面では、「たんぱく質や塩分、カリウム」などの制限が血液透析を受ける以前より厳しくなります。血液透析を始めると尿量が少なくなり、水分バランスなどが崩れやすくなるからです。しかし、栄養制限に気を付けていれば、外食することも可能です。

体力低下を防ぐためにも、体力に見合った運動は行ったほうがよいとされています。透析と透析の合間を利用したレジャーや、旅行先で透析を受けることができれば、旅行も可能になります。運動や旅行については、担当医としっかりと話し合い行いましょう。

腹膜透析について

胃や腸などにある臓器は、毛細血管が張り巡らされた「腹膜」に包まれています。腹膜透析では、この腹膜を利用して、1日24時間、血液をろ過します。

●方法

腹膜透析ではまず、おなかに「カテーテル(細い管)」を取り付けます。カテーテルを通して、腹膜に囲まれた腹腔内に透析液を入れます。腹膜の毛細血管から血液中の老廃物や水分は透析液にこし出され、老廃物などがたまった透析液はカテーテルを通して排出し、代わりに新しい透析液を入れます。この透析液の入れ替えを「バッグ交換」といいます。

バッグ交換は、1日に4回行うのが基本です。1回にかかる時間は、30分ほどです。仕事をしている人であれば、出勤前に1回、昼休みに1回、夕方帰宅してから1回、寝る前に1回というように、定期的にバッグ交換を行うのが一般的です。

最近では、「自動腹膜透析」という方法も登場しました。「自動腹膜灌流装置(サイクラー)」と呼ばれる機器を用いて、夜間睡眠中に、自動的に透析液を交換する方法です。

●メリットと注意点

腹膜透析のメリットは、自宅や出先で治療ができ、通院は月に1~2回で済むという簡便さにあります。また、24時間老廃物などをろ過しているので、体液の状態の変動が少なく、体調も安定します。食事や水分制限が血液透析よりも緩やかで、尿量が保てるため、腎機能が長持ちします。

メリットが多い反面、注意点もあります。「腹膜炎」などの感染症を起こす可能性があり、日常的にカテーテルのケアは欠かせません。カテーテルが取り付けてあるため、入浴や水泳時に不便なこともあります。

また、腹膜透析では腹膜に本来受けることのない負担がかかってしまいます。そのため、腹膜透析を行っても、一般的に約5~6年を目安に血液透析に移行する必要があります。しかし、初めは腹膜透析を行ってできるだけ腎機能を保ち、その後、血液透析に移行するのがよいと考えられています。

2005年のデータでは、透析患者数約25万8000人のうち腹膜透析を受けているのは約1万人、そのうち自動腹膜透析を受けているのは約4000人です。血液透析が普及している日本では、遅れて登場した腹膜透析の普及が難しい面もあります。

透析と上手に付き合う

慢性の腎不全での透析療法の場合、健康保険の「高額療養費制度」が適用されます。

一度治療を開始すれば、何十年も付き合うことになるため、透析療法とは上手に付き合っていきましょう。医療機関は、自宅や職場に近いなど、通いやすさで選ぶのがいいでしょう。また、透析の時間には読書をしたり、音楽を聴くなど、時間を有効に活用することが大切です。

そのほか、家族など周りにいる人は、患者さんの状況や病状を患者さんと一緒に医師から聞くなどして、サポートすることも大切です。

まとめ

その昔、透析療法というのは存在せず、末期腎不全になるとお手上げでした。しかし、技術の発達ともに、透析療法が開発されて多くの人が助かっています。ですが、尿の出なくなった体から水分を取り出すという行為は非常に負担のかかるものです。体の負担を減らすためにも、食事制限や水分摂取量の調節などはしっかりと行い、普段から気を付けて生活しておくことが大切です。



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