脳卒中のリハビリテーション養生灸のススメ

category : 西洋医学 2011.11.5

脳卒中のリハビリとは

脳卒中」とは、「脳血管障害」ともいわれるように、脳の血管が詰まったり、破れたりして起こる病気の総称です。

脳の血管が詰まったり破れたりすると、その先に血液が送られなくなってしまい、酸素や栄養が不足して脳細胞が壊死してしまいます。また、血管が破れると血液の塊やむくみで脳が圧迫されることも障害を起こす原因になります。脳卒中が起こった場合にはすぐに対応する必要があります。脳卒中の救急医療についても詳しく書いてあるので参考にしてください。

また、脳卒中は発症直後の問題だけでなく、発症後に後遺症が残ることも多いので気をつけなければなりません。寝たきりなどの「要介護5」となる原因としては、脳卒中が半数近くを占めています。

脳卒中の障害について

脳は全身のさまざまな機能をコントロールする司令塔の役割をしています。脳のどの部位がどの程度の損傷を受けたかによって、患者さんに起こる障害の種類や程度はさまざまです。主な障害には次のようなものがあります。

●手足のまひ
身体の片側が動かせない、力が入らないという症状です。脳の運動にかかわる部位が障害されて起こるもので、右脳が障害されると左半身に麻痺が起こるというように、通常は障害を受けた脳とは反対側の阪神に症状が現れます。

●嚥下障害
飲み込み(嚥下)に関係する唇や舌、のどなどの筋肉が麻痺して起こる症状です。食べ物や飲み物が飲み込みにくくなってしまいます。

●言葉がもつれる
発生に関係する唇や舌、のどなどの筋肉が麻痺して、ろれつが回らない、言葉がもつれるなどの症状が起こります。

●高次機能障害
言葉や物事を認識する能力が低下する障害です。言葉が出てこなかったり理解できなかったりする「失語症」、はさみなどを使えないなど、日常的な動作ができなくなる「失行」、見たり聞いたりしたものを認識できなくなる「失認」などがあります。

これらは日常生活に密接なかかわりを持つ機能であるため、障害が残ると、患者さんの日常生活は大きく制限されてしまいます。

リハビリテーションの効果

脳卒中のリハビリテーションには、脳に刺激を与えて機能を回復させる効果があると考えられています。

例えば、手を動かすことにかかわる脳の部位が障害を受けると、手が動かせなくなります。しかし、早期からリハビリテーションを開始し、他動的にでも手を動かし続けていると、多くの場合、やがて少しずつ機能が回復してきます。これは、脳の障害を受けた部位の周辺部が、手を動かすという刺激を受けて活性化し、新たな神経のネットワークが作られることなどによって、失われた機能が補われるためだと考えられています。

リハビリテーションの流れ

一般に脳卒中のリハビリテーションは、発症からの時期によって、「急性期」「回復期」「維持期」の3段階に分けられて行われます。

●急性期
発症直後から1~2週間ごろまでを指します。脳卒中を発症して入院した医療機関で、治療と並行して行われます。

●回復期
発症後3~6か月ごろまでを指します。主にリハビリテーション専門の医療機関や専門病棟に移り、集中的に行われます。

●維持期
退院して自宅に戻ってからの時期です。これまでのリハビリテーションで回復した機能を維持する目的で行います。

急性期のリハビリテーションのポイント

脳卒中の発症直後、機能は一時的に最低レベルまで落ち込みます。この時期は、一般に全身状態が不安定なので、以前は「安全が第一」とされていました。しかし現在では、安全性に注意しながら、「可能な限り早くからリハビリテーションを始める」ことが最も重要とされています。

患者さんを寝かせた状態のまま動かさずにいると、急激に体の機能が低下していきます。これを「廃用症候群」といいます。主なものには、「筋肉や骨の委縮」、関節が固まって動かしにくくなる「関節硬縮」、「褥瘡(じょくそう:床ずれのこと)」「知的能力の低下」「心肺機能の低下」などがあります。

健康な人でも、体を動かさずにいると、3週間後には筋力が半分ほどに低下してしまいます。脳卒中を起こした人の場合は、麻痺した側だけでなく、麻痺のない側にも筋力低下などが起こるので、少しでも早くからリハビリテーションを行い、後遺症を最小限にとどめるようにします。

全身状態が安定していれば、入院した当日からリハビリテーションが行われます。リハビリテーションは意識レベル、血圧、脈拍、呼吸、心電図などをモニターしながら慎重に行い、患者さんが動けない場合でも、医療スタッフがベッド上で患者さんの体を動かすことなどから始めます。

回復期のリハビリテーションのポイント

回復期は機能が大幅に回復する時期です。機能の回復には、この時期に行うリハビリテーションの密度と強度が大きく関係することが分かっています。集中的に「高密度・高強度」のリハビリテーションを行い、最大限の回復を目指します。

維持期のリハビリテーションのポイント

維持期のリハビリテーションは、患者さん自身が自宅で行うほか、通院したり、通所や訪問サービスなどを利用し、身体を動かす習慣を継続するようにします。

リハビリテーションの目的

リハビリテーションは、最大限の回復を目指して行われます。元通りに回復しない場合でも、患者さんの生活の質(QOL)のさらなる向上を目指します。

リハビリテーションには、「脳の機能を回復する」ほかにも、「残された機能を強化する」働きが期待できます。例えば利き手に麻痺が残っていても、訓練によって反対側の手を自由に動かせるようになれば、生活のなかでさまざまな動作が可能になり、生活の質を向上させることができるようになります。

また、例えば「布団から立ち上がって歩き、和式トイレを使用する」ことは難しくても、「ベッドから立ち上がって、手すりにつかまって体を支えながら移動し、洋式トイレを使用する」ことは実行しやすいといえます。このように、自宅を改修したり、職場では配置換えをしてもらうなど、患者さんが生活しやすいように「環境を整える」ことも、リハビリテーションの重要な役割の一つです。

患者さん一人ひとりの状態を見極めて、患者さんに合わせたリハビリテーションをバランスよく行っていくことが大切です。

まとめ

このように、脳卒中が起こった場合には、それからの生活のことも考えてなるべく早くしっかりとリハビリテーションを行う必要があります。リハビリテーションは時に、つらいこともあるかもしれません。しかし、脳卒中の患者さん自身も、そして家族もリハビリテーションの重要性を理解して積極的の行っていくようにしましょう。



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