腱板断裂とは養生灸のススメ

category : 西洋医学 2011.11.3

肩を支える腱板の断裂

肩の痛みの起こる病気に「腱板断裂」というものがあります。五十肩などと勘違いされることもあるので、今回はこの腱板断裂についてを勉強していこうと思います。

「腱板」とは、肩関節を支える複数の筋肉の端にある組織です。上腕骨の先端(骨頭)と複数の筋肉は腱板によってつながっています。

肩や腕を動かすときは筋肉が伸び縮みしますが、それだけでは筋肉のついている方向にしか動かせません。腱板が上腕骨を回転させることで、さまざまな方向に動かすことができるのです。この肩の複雑な動きを可能にする腱板が、裂けたり切れたりするのが「腱板断裂」です。

腱板断裂が起こる仕組み

腱板はいくつかありますが、障害が起こりやすいのは上の腱板です。例えば、腕を上げ下げするときには、上の腱板が腕をつり上げるように働きます。片方の腕の重さは、5~6kgもあるので、上の腱板には大きな負荷がかかります。また、腕を動かすときに、骨(肩峰)と靭帯の下の狭い空間を出入りするため、こすれて減ったり、裂けたりしやすいのです。

また、腱板断裂は50~60歳代に多く、転倒などで肩に衝撃が加わって起こる場合や、自然に切れる場合があります。特に、加齢によって腱板の柔軟性が低下している人や、日常生活ではあまり肩をいろいろな方向に動かさない人は、腱板が弱っているので切れやすくなります。

腱板が自然に切れた場合、「肩こり」や「五十肩」と思ってしまうこともあります。放置していると、腱板が完全に切れて手術が必要になることもありますので、早めに治療を受けましょう。

腱板断裂の症状

●肩の痛み

腱板が裂けたり切れたりするため、痛みが出てきます。また「滑液包」に炎症が起きるため、安静時にも肩が痛みます。

●肩が動かしづらい

腱板は肩を動かす「かじ取り」の役目をしているため、切れたり裂けたりすることで、肩や腕を上に動かしづらくなります。

●肩を動かすと音がする

腱板が切れて肩にずれが生じ、肩を動かすと音がすることがあります。

●肩の筋肉が痩せてきた

切れた腱板とつながっていた筋肉が使われなくなるので、次第に筋肉が萎縮してきます。

こうした症状がある場合は、病院を受診しましょう。腱板断裂は、MRI(磁気共鳴画像)検査などの画像検査で診断されます。

腱板断裂のチェック法

これらの症状に当てはまる場合は腱板断裂が疑われます。

  • ・肩が安静時にも痛む
  • ・肩が動かしづらい
  • ・肩を動かすときに音がする
  • ・肩の筋肉が痩せてきた
  • ・腕の付け根を押すと痛む
  • ・肩を横に上げたとき、30度から120度の範囲で痛む

腱板断裂の治療

腱板断裂の治療法には、大きく分けて「保存療法」と「手術療法」があります。

腱板が完全に切れていない場合には、薬を使って痛みを抑える保存療法が行われます。まず、「消炎鎮痛薬」の内服薬や湿布薬などが使われます。さらに痛みが強い場合には、「局所麻酔薬」と「ステロイド薬」を混合したものを患部に注射します。

腱板が完全に切れた場合や保存療法で効果がない場合には、手術療法が行われます。上腕を覆う「三角筋」を傷つけないように腱板を露出し、上腕骨の腱板がつく部分に孔をあけて糸を通し、切れた腱板の先端をつなぎます。手術は、肩を切開して患部を目で見ながら行うのが一般的ですが、最近は内視鏡の一種「関節鏡」を使って関節内をモニターで見ながら行うこともあります。

予防

腱板断裂の予防には、腱板で上腕骨とつながっている筋肉に適度に力をかけて、いろいろな方向に動かすことが大切です。

例えば、テーブルや窓を拭くときには肩がさまざまな方向に動くので、筋肉をバランスよく使うことができます。ただし、腱板が弱っている場合は、断裂の原因になることがあるので注意して行ってください。また、テーブルふきや窓拭きは「石灰性腱板炎」の予防にも役立ちます。

まとめ

五十肩では腕が動かなくなるのに対し、腱板断裂では腕を上げたとき決まった角度で痛みがでるという特徴があります。治療の基本は痛みを抑えながら、動かせる範囲で腕を動かし筋肉を鍛えることになります。しかし、適切な診断と治療を行うことが大切ですので、まずは病院を受診することが大切です。



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