滲出性中耳炎について養生灸のススメ

category : 西洋医学 2011.10.18

難聴に気を付けよう

滲出性中耳炎という病気になると難聴、つまり耳が聞こえなくなってしまいます。しかし子どもは「耳が聞こえにくい」と表現し、伝えることがなかなかできません。そこで大人の方が子どもが聞こえにくい状態になっていることに気づいてやる必要があります。今回はこの滲出性中耳炎について勉強していこうと思います。

滲出性中耳炎とは

●滲出性中耳炎の起こり方

子どもの場合「急性中耳炎」になった後に、中耳に貯留液が溜まる「滲出性中耳炎」を起こすことがよくあります。

急性中耳炎による炎症は、中耳だけでなく耳管にも及ぶため、耳管の粘膜が赤く腫れます。通常は、耳管を通じて中耳に空気が入りますが、急性中耳炎で粘膜が腫れて耳管が詰まった状態になると空気が中耳に入らなくなってしまいます。すると、中耳内の気圧が低下して、粘膜の血管から滲出液がしみだして、中耳にたまるのです。これが滲出性中耳炎で、この貯留液には粘膜から分泌された粘液なども混じっています。

●症状

滲出性中耳炎の主な症状は「難聴」で、急性中耳炎のような「耳の痛み」「発熱」などの症状はありません。

難聴は中耳にたまった貯留液によって鼓膜が振動しにくくなったり、音の振動が伝わりにくくなるために起こります。

子どもに次のような様子が見られるときには、耳の聞こえが悪くなっていることが考えられます。

  • ・声をかけても振り向かない
  • ・何度も聞き返す
  • ・テレビの音量を大きくする

子どもがいつもぼんやりしているような場合や、最近、急性中耳炎を起こしたことがある場合は、難聴のサインがないかどうか周囲に大人が気を付けることが大切です。声をかけて振り向くかどうかを確かめるときは、右と左の両方から声をかけて、左右それぞれの耳の聞こえを確かめてください。

滲出性中耳炎による難聴が原因で、子どもが不活発になっている場合もあります。気になる様子があれば耳鼻咽喉科を受診して聴力検査を受けることが大切です。

また、3歳児検診や、小学校入学前の就学時検診、幼稚園や小学校などの健康診断で難聴の疑いがあるといわれることもあります。その場合も耳鼻咽喉科を受診するようにしましょう。

●子どもに起こりやすい理由

滲出性中耳炎は、6~7歳くらいまでの子供に多い病気です。なかには10歳くらいまで症状が長引く例もあります。

滲出性中耳炎が子どもに起こりやすいのは、免疫の働きが弱く、急性中耳炎がスッキリ治らず長引くことも多いためといえます。

また、子どもの場合は上咽頭にリンパ組織の「アデノイド」が耳管ののど側の開口部をふさぐように存在しています。そのため空気が耳管へと入りにくいことも影響しています。なお、アデノイドは大人になると縮小していきます。

●真珠腫性中耳炎

滲出性中耳炎が重症化すると、「真珠腫性中耳炎」が起こることがあります。これは鼓膜の一部が中耳内に入り込んで、白い塊(真珠腫)ができる病気です。

真珠腫が徐々に大きくなると、中耳内の耳小骨が溶けて難聴が起こったり、内耳の骨が溶けて「めまい」が起こることがあります。耳の骨の中は顔面神経が通っているため、この骨が溶けると「顔面神経麻痺」が起こったり、脳に炎症が及んで「髄膜炎」が起こることもあります。

治療

●中耳の通気をよくする

滲出性中耳炎の治療で重要なのは、中耳に空気を入れることです。中耳に空気を入れる治療法には、次のようなものがあります。

・鼓膜切開術
滲出性中耳炎の基本的な治療法として、外来で行われています。小さなメスで鼓膜を切開します。切開した孔から中耳にたまった貯留液を抜き取り、空気を送り込みます。切開した部分は2~3日で事前にふさがります。

・換気チューブ留置術
鼓膜切開術を繰り返し行っても、貯留液がたまってしまう場合に行われます。鼓膜を切開したあと、そこに換気チューブを置いておきます。換気チューブから常に中耳に空気が送られ、貯留液が耳管からのどへと排出されるようになります。通常は半年から1年間、長い場合は2年間ほど換気チューブを留置したままにします。
手術は外来で行われますが、幼児の場合には一般に1泊程度入院して全身麻酔で行われます。換気チューブを留置していても、耳に違和感を感じることはほとんどありません。また、日常生活が制限されることもほとんどありません。

・耳管通気
「ポリツェル球」という器具を使って、鼻から空気を入れて、耳管から中耳へと送り込みます。主に少なくとも1~2回、可能であればそれ以上通院して治療を受けます。

中耳に空気を入れる治療のほか、中耳の滲出液を減らすことを目的に、「マクロライド系抗菌薬」を服用することもあります。

●鼻の病気にも注意する

鼻に炎症が起こっていると、滲出性中耳炎が長引きやすいので、副鼻腔炎やアレルギー性鼻炎がある場合は、同時にその治療を受けるようにします。

●根気よく治療を続ける

難聴を改善するために、また、真珠腫性中耳炎へ移行させないために、滲出性中耳炎の治療を早めに開始することが重要です。また、完治させるためには、月単位、場合によっては年単位の治療が必要です。焦らず、根気よく治療を続けていくようにしてください。

まとめ

一番大切なことは、子どもの難聴に早く気が付いて、すぐに治療を開始することです。家庭のことや仕事のことなどで忙しいこともあるでしょうが、子どものことで何か違和感を感じたりしたときには、耳鼻咽喉科を受診しておくようにした方がいいと思います。普段から子どもさんをしっかり観察しておいてください。



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