肺がんと薬物療法養生灸のススメ

category : 西洋医学 2011.10.14

薬物療法について

多くの場合、肺がんの治療では手術を行うことになるのですが抗がん剤などの薬物療法も行うことがあります。また、最近では分子標的治療薬などの新しい治療法も出てきていますので、今回は肺がんに対する薬物療法についてを勉強していこうと思います。

薬物療法で使用する「抗がん剤」は、がん細胞の増殖を抑えて、がんを小さくする目的で使用します。抗がん剤は、通院もしくは入院して静脈注射で投与されるほか、内服薬として使われます。

抗がん剤の薬物療法には、手術や放射線療法と組み合わせることで治療効果を高めて、がんを根治させたり、延命を図るなど、さまざまな目的があります。

●病期によって治療方針を決める

「小細胞肺がん」と「非小細胞肺がん」とでは、治療方針が違ってきます。小細胞肺がんの場合は、薬物療法が中心となります。

非小細胞肺がんの場合は、薬物療法を行うかどうかは、病気の進行度を示す病期(ステージ)に加えて、患者さんの体力や年齢、肝臓や腎臓、心臓などの機能が保たれているかどうか、合併症の有無などによって決められます。さらに、今後どのように生活していきたいかということなどを医師と話し合いながら、治療方針を決めていきます。

非小細胞肺がんの薬物療法

肺がん全体の約9割を占めている非小細胞肺がんは、組織や性質の違いなどによって「腺がん」「扁平上皮がん」「大細胞がん」の3種類に分かれます。ただし、抗がん剤による治療法はほとんど同じです。

●標準的な薬物療法

肺がんの薬物療法で使用される主な抗がん剤は、「プラチナ製剤」と、それ以外の抗がん剤の大きく2つに分けられ、それぞれから1種類ずつ組み合わせて使用します。主なプラチナ製剤には「シスプラチン」「カルボプラチン」などがあります。プラチナ製剤以外の主な抗がん剤としては、「パクリタキセル」「ドセタキセル」「ゲムシタビン」「イリノテカン」「ビノレルビン」などがあります。それぞれの治療方法の効果は同等といわれていますが、副作用が違います。

●手術後に行う薬物療法

最近では、ⅠB期という早い段階から手術後に薬物療法が行われるようになっています。ⅠB期の腺がんで手術を受けた患者さんが参加して行われた臨床試験で、その有効性が実証されています。

手術後に「テガフール・ウラシル配合剤」という抗がん剤を2年間使用したグループと、手術のみを受けたグループを比べると、抗がん剤を使用したグループの方が手術5年後の生存率が高いことが分かりました。そのため、ⅠB期以降の手術後における抗がん剤の使用は、標準的な治療として行われるようになっています。

分子標的治療薬について

非小細胞肺がんで、病期がⅢB期以降のために手術ができず、標準的な薬物療法の効果がなかった場合や、標準的な薬物療法を受けた後に再発した場合は、次の治療として、分子標的治療薬の「ゲフィニチブ(商品名:イレッサ)」による治療が行われることがあります。

イレッサは、ある条件を満たしている患者さんについては、イレッサが効きやすく、効果が期待できるといわれています。

イレッサの仕組み

分子標的治療薬は抗がん剤の一種ですが、ほかの抗がん剤とは作用の仕方が異なります。通常、抗がん剤はがん細胞に限らず正常な細胞にも作用します。しかし分子標的治療薬は、がん細胞を選択して攻撃するという性質があります。

非小細胞肺がんの細胞の表面にある「EGFR(上皮成長因子受容体)」は、たんぱく質などの増殖因子と結びつくと、がん細胞の増殖や転移を促進したり、がん細胞の死滅を抑制したりします。イレッサは、このEGFRに作用して、がんの性質を強める信号を遮断するため、がん細胞の増殖や転移が抑えられたり、がん細胞が死滅したりするのです。

●イレッサの副作用

イレッサは当初は副作用が少ないと考えられており、非小細胞肺がんに限らず、ほかのがんの治療にも使用されました。しかし、イレッサが原因と考えられる「間質性肺炎(肺線維症)」や「急性肺障害」という薬剤性肺炎が起こることが分かっています。

その後の調査などによって、イレッサには効きやすい人と、間質性肺炎や急性肺障害などの重い副作用が起こりやすい人がいることが分かってきました。

イレッサが効きやすいタイプ

これまでの調査では、イレッサが効きやすいタイプとして、「女性」「腺がん」「喫煙歴がない」「東アジアの人」「EGFRに変異がある」などの項目があります。

EGFRに変異のある人では、受容体の形がイレッサと結合しやすい形になっているので、効果が高まると考えられています。特に、女性や腺がんの患者さん、喫煙歴がない人、日本や韓国、中国などの東アジアの人では、EGFRの変化が比較的多いといわれています。

また、該当する項目が多い人ほど、イレッサの効果は高まるとされています。

●重い副作用が起こりやすいタイプ

「間質性肺炎がある」「喫煙歴がある」「体力が低下している」などに該当する人は、イレッサを服用すると、重篤な間質性肺炎や急性肺障害などの重い副作用を起こしやすいことが分かっています。よく医師と話し合って、治療法を決めていくことが大切です。

まとめ

今では手術や放射線療法などとともに、薬物療法も行うことが増えてきて、抗がん剤のメリット、デメリットもよくわかるようになってきています。今回紹介した以外の抗がん剤などもたくさんありますので、薬物療法を行う場合には、それによるメリットとデメリットについて医師としっかりと話し合い、患者さん本人が納得して治療していくことが大切になると思います。



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