不眠とうつ養生灸のススメ

category : 西洋医学 2011.10.10

うつ病が隠れていることがある

不眠症の人のなかには、うつ病が原因であることが少なくありません。しかし、「眠れないのは不眠症のためだ」と思い込んでおり、うつ病の治療を受けていない人が多いといわれています。うつ病がある場合、その治療を行わなければ不眠症も改善されないことも多いため、今回は不眠とうつ病の関係について勉強していこうと思います。

うつ病との関係

不眠で病院を受診する人の約半数にうつ病が関係しているとされています。ある調査では、不眠症がないグループにはうつ病を含む精神症状のある人が約16%だったのに対して、不眠症があるグループでは約40%であると報告されています。

不眠はうつ病のサインの1つです。軽いうつ病では、不眠、全身倦怠感などの肉体的な症状だけで、「憂うつな気分」などの精神症状が現れないこともあります。こうした体の症状がある場合、体の症状だけに注目してしまいがちですが、そこでうつ病が見逃されると、さらに悪化してしまうこともあります。

不眠がある場合には早めに睡眠障害専門の外来や精神科などを受診し、きちんと原因を突き止めて治療を受けることが大切です。

うつ病の症状

うつ病の場合、不眠のほかにもさまざまな症状を伴うのが特徴です。そして、こうした症状が2週間以上続くとうつ病が疑われます。

●うつ病が原因の不眠のタイプ
・早朝覚醒…通常起きる時刻よりも1~2時間早く目が覚め、それ以降眠れなくなる。
・熟眠障害…朝起きたときに、よく眠れたという熟眠感が得られず、疲労感が取れません。
・入眠障害…眠ろうとしてもなかなか寝つけません。比較的若い、うつ病の人の多くみられます。

●不眠以外の症状
・やる気が起きない…意欲が低下して、仕事や家事ができなくなります。
・物事を楽しめない…これまで興味を持っていたことを楽しめなくなります。高齢者では孫がかわいいと感じられなくなることもあります。
・食欲が低下する…食欲がなくなって、体重が減ってきます。
・体の不調がある…「頭痛、めまい、胃の不快感」などの自律神経症状が現れます。

●日内変動がある
うつ病による症状は、1日のうちでも強さが変動します。特に、朝起きてから午前中は症状が重く、夕方から夜にかけて軽くなる傾向があります。

うつ病に対する薬物療法

うつ病で引き起こされた不眠は、「睡眠薬」だけでは改善されません。治療は「抗うつ薬」を使って、うつ病そのものを治し、睡眠薬は補助的に使います。

●抗うつ薬
うつ病の人では、脳内の神経伝達物質である「セロトニン」と「ノルアドレナリン」の量が不足していることが分かっています。そこで、セロトニンの働きを促す「SSRI」や、セロトニンとノルアドレナリンの両方に作用して働きを促す「SNRI」の2種類が主に使われます。

これらの薬では、「吐き気や食欲低下、便秘」などの副作用が起こることがあります。

●睡眠薬
抗うつ薬は効果が現れるまでに、少なくとも10日から2週間程度はかかります。そのため不眠に対しては補助的に睡眠薬を使います。

主に使われる睡眠薬には、「ベンゾジアゼピン系」と「非ベンゾジアゼピン系」があります。作用時間が短いものと長いものがあり、不眠の提訴やタイプ、患者さんの年齢、不眠に対する不安の有無などによって使い分けられます。

睡眠薬の多くは「筋弛緩作用」があるため、高齢者ではふらつきや転倒に注意が必要です。また、お酒と一緒にのむと薬をのんでからのことを忘れる「記憶障害」がお起こることもあるため、絶対にお酒と薬を一緒にのんではいけません。

●自己判断でやめない
不眠が改善されても、自己判断で抗うつ薬や睡眠薬をのむのをやめてはいけません。急に薬をやめると、症状が急激に悪化することがあります。担当医と相談して、徐々に薬の量を減らしながら、服用を中止していくようにしましょう。

認知療法について

うつ病の治療では、薬物療法に合わせて、「認知療法」が行われることがあります。うつ病になると多くの場合、考え方が消極的になります。例えば、コップに水が半分以上入っていてもうつ病の人は「半分からっぽ」と考えます。そして、次第に「半分」が抜け落ちて「全部からっぽ」と認知の偏りができてしまいます。認知療法では、医師と話し合いながら、考え方の偏りを修正して、考え方を前向きにしていくことを目指します。

●日常生活の注意
日常生活ではお酒に注意が必要です。不眠を治そうとお酒に頼るのは絶対にやめましょう。お酒を飲むと、一時的に気持ちが大きくなりますが、うつ病の治療にはなりません。また、お酒を飲むと寝つきはよくなりますが、深い眠りをえらして、かえって睡眠の質を落とすため、寝酒は禁物です。

まとめ

不眠が続いている人はうつ病であることが本当に多いです。まずは、不眠以外のうつ病の症状がないかどうかを確認し、気になることがあればすぐに医師に相談するようにしましょう。



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