不眠と足の不快感養生灸のススメ

category : 西洋医学 2011.10.9

足の不快感によって不眠が起こる

夜によく眠れない「不眠」はさまざまな要因によって起こります。「また眠れなかったらどうしよう」と悩んでしまうストレスや、糖尿病や高血圧、肥満などの生活習慣病などによって不眠になることがよく知られています。また、最近では「足の不快感」によって不眠が起こることが分かってきました。この足の不快感による不眠は、かつてはあまり知られておらず、患者さんが訴えても放置することが多かったのですが、最近では日常生活の改善や薬物療法によって対処できるようになってきています。

足の不快感とは

足の不快感とは、「足の裏やふくらはぎがむずむずする」「寝ている間に足がぴくっと動く」などの症状のことで、この足の不快な症状によって不眠になることがあります。その代表的な病気には、「むずむず脚症候群(レストレスレックス症候群)」と「周期性四肢運動障害」があり、どちらも日本人の1~3%程度に起こっているとされています。

これらの病気は、かつてはあまり知られていなかったため、「末梢神経の障害」や「坐骨神経痛」と診断され、治療を行っても不眠が解消されないということも少なくありませんでした。しかし最近では、これらの病気が原因となる足の不快感による不眠は、適切な治療を受けることによって改善することができるようになっています。

足のむずむずした感じで眠れなかったり、睡眠中の足のぴくつきを周りの人に指摘された場合は、睡眠障害の治療を専門とする医療機関や、精神科、神経内科などを受診してみるといいでしょう。

むずむず脚症候群

足の裏やふくらはぎ、太ももなどに不快感が起こり、じっとしていられなくなる病気が「むずむず脚症候群」です。その不快感は、「脚の中を虫がはうような感じがする」「痛い」「かゆい」など、患者さんによって表現の仕方が違います。

症状は横になっているときや座っている時など、じっとしているときに起こり、多くは夕方から夜にかけて強くなります。立って歩いたり、足を動かすと症状が治まったりして楽になりますが、じっとしているとまた症状が出てきます。そして、これらにすべて当てはまる場合をむずむず脚症候群と診断します。

症状が最も現れやすいのが、夜、寝床に入っているときです。最初は時々起こる程度ですが、悪化すると毎日起こるようになります。そして、夜だけでなく昼間でも、テレビを見ているとき、会議中、電車での移動など、座ってじっとしていると症状が起こるようになってきます。不快感が腕や背中など全身に広がることもあります。

むずむず脚症候群が起こるのには、運動に関する情報を伝達する「ドパミン」がかかわる神経の機能低下が関係していると考えられています。40歳代以降の中高年に多く、男性と女性ではほぼ2対3の割合で女性に多くみられます。また、「鉄欠乏性貧血のある人」「妊娠中の女性」「腎不全のある人」や、ドパミンが減少して起こる「パーキンソン病の人」のも良くみられます。

周期性四肢運動障害

睡眠中に、何かをけるときのように足首から先が「ぴくっ」と動き、この動きを何度も繰り返すために眠れなくなるのが「周期性四肢運動障害」です。1時間に15回以上繰り返す場合に、周期性四肢運動障害と診断されます。

健康な人でも入眠時に体がぴくっと動くことがあります。これは寝入りばなにだけ起こる生理現象で、人口の約4~5割にみられます。周期性四肢運動障害では就寝中に20~30秒周期で足の動きを繰り返しています。悪化すると回数が増えて、多い人では1時間に100回以上起こる場合もあります。

足が動いても、多くの場合本人は気づきません。しかし、足がぴくっと動くと、脳は目覚めてしまうので眠りが妨げられてしまいます。すると、熟眠感が得られず、昼間に眠気が起こるようになります。

周期性四肢運動障害は、むずむず脚症候群と同様に、ドパミンがかかわる神経の機能低下が関係されているとされています。むずむず脚症候群のある人の5~8割は周期性四肢運動障害を合併しているとされ、中高年に多くみられます。

治療について

むずむず脚症候群や周期性四肢運動障害で起こる不眠は、睡眠薬を服用しても解消されません。治療では、症状を抑えて不眠を改善するのが基本となります。軽症の場合、多くは日常生活の改善で解消されます。症状が強い場合には、薬の治療を行います。

●日常生活での注意

足の不快感は、日本茶、コーヒー、紅茶などに多く含まれるカフェイン、タバコに含まれるニコチン、アルコールなどによって起こりやすくなります。特に、症状が現れやすくなる夕方以降は摂取を控えるようにしましょう。

また、肉体疲労を伴う激しい運動をすると、症状が出やすくなります。運動は適度な範囲にして、運動後はマッサージやストレッチングをして筋肉を良くほぐしておくことが大切です。

●薬物療法

主に使われるのは、ドパミンの働きを改善する「パーキンソン病の治療薬」です。パーキンソン病の治療で使うよりも少ない量を使用します。十分な効果が得られない場合は、「抗てんかん薬」をさらに用いることもあります。また、鉄分不足が原因となっていると考えられる人には、鉄分を補充するための「鉄剤」を使います。

薬物療法で9割以上の人に症状の改善がみられます。しかし、プラミペキソール以外のパーキンソン治療薬と抗てんかん薬は健康保険が適用できないこともあるので、医師と相談して治療していくようにしましょう。

まとめ

このように、足の不快感で不眠になることもありますので、何か気になることがあればすぐに受診することが大切です。

また、足のかゆみについては皮膚が乾燥していることもあります。そのときには保湿剤などを使用しましょう。皮膚の乾燥とむずむず脚症候群は症状の出方が違います。むずむず脚症候群の「むずむずする感じ」は、皮膚の表面ではなく、脚の内部に起こります。やはり、専門の先生に診てもらうのがよいでしょう。



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