頭痛と薬物療法養生灸のススメ

category : 西洋医学 2011.9.30

薬を使って頭痛を治すときの注意

頭痛にもいろいろなタイプがあることを勉強してきました。そのなかに、頭痛で実際に病院を受診して治療している人は1割にも満たないとありましたが、多くの人は市販の薬を使って頭痛をしのいでいるようです。しかし、頭痛の薬には注意すべきこともあるので、今回はこの薬について勉強していこうと思います。

頭痛の頻度が月に1回程度で、市販の頭痛薬(消炎鎮痛薬)をのんで2時間以内に痛みが治まるようなら、市販薬で対処するのもいいでしょう。しかし、何度も頭痛が起こって薬を月に何回も使わなければならなかったり、薬を使っても痛みがなかなか治まらない場合には、医療機関を受診して治療を受けることが必要になります。

薬を使用するときは、頭痛のタイプを正しく知っておいて、それに合った適切な薬を使うことが重要です。片頭痛の場合には、薬を使用するタイミングにも注意が要ります。

●緊張型頭痛

このタイプの頭痛には、主に「消炎鎮痛薬」が使われます。また、精神的ストレスが影響していると考えられる場合には、「抗うつ薬」や「抗不安薬」が処方されることもあります。思い当たるような精神的ストレスがなくても、頭痛が月に15日以上起こる場合には、抗うつ薬などが使われることがあります。

●片頭痛

軽い頭痛の場合には、消炎鎮痛薬や「エルゴタミン製剤」が処方されます。消炎鎮痛薬は、炎症を沈めて痛みを抑える薬で、痛み始めたらすぐに、遅くても30分以内に使うと効果的です。

エルゴタミン製剤は、拡張した血管を収縮させる薬です。頭痛が起きて時間がたつと効果がないので、痛み始めたらすぐにのみましょう。

強い片頭痛の場合は、「トリプタン製剤」が処方されます。この薬は、非常に効果が高く、片頭痛の薬物療法の中心になっています。トリプタン製剤は、血管の拡張や収縮に関係する「セロトニン」という神経伝達物質に似た構造をしていて、拡張した血管を収縮させる働きがあります。また、過敏になった三叉神経を鎮める働きや、血管やその周囲の炎症を抑える作用もあります。

トリプタン製剤は、痛み始める前につかっても効果はなく、痛みが起きてから早めに使います。以前は痛みが強まってから使っていたのですが、現在は痛みが強くなりそうな場合には、早めに使う方が十分な効果を得られるといわれています。

なお、エルゴタミン製剤とトリプタン製剤は、血管を収縮させる働きがあるので、「狭心症」や「脳血管障害」などがある場合には、使うことができません。また、エルゴタミン製剤とトリプタン製剤を併用することもできません。続けて使うためには、間隔を24時間開けなければなりません。

・片頭痛の予防療法
片頭痛が月に2回以上起こる場合は、予防療法を受けることが勧められます。片頭痛の予防療法では、血管の拡張や収縮を安定させる働きのある「カルシウム拮抗薬」が処方されます。この薬を毎日、数か月間服用します。頭痛の頻度が減り、痛みが軽くなると同時に、トリプタン製剤などの効きがよくなることもあります。

・合併している場合
片頭痛と緊張型頭痛が合併している場合には、まず、片頭痛に対する医療をしていきます。片頭痛をコントロールできるようになると、緊張型頭痛が起こりにくくなることがよくあります。それでも、緊張型頭痛が改善しない場合には、緊張型頭痛に対する治療を加えます。

●群発頭痛

群発頭痛には「酸素吸入」が効果があります。医療用の純酸素を10~15分間吸入すると、激しい痛みが引いていきます。ただし、市販されているスポーツ用の酸素などでは濃度が足りないので、効果がありません。肺の病気に対して使う在宅酸素療法のレンタルシステムを利用すると、自宅で酸素吸入を行うことができます。(ただし、群発頭痛には保険適用できません)また、群発頭痛には即効性のある「トリプタン製剤の皮下注射」が適しています。

薬物乱用頭痛

頭痛薬をあまり使いすぎると、痛みに対する感受性が強まり、頭痛が悪化することがあります。このような頭痛が「薬物乱用頭痛」です。消炎鎮痛薬で起こる場合が多いのですが、エルゴタミン製剤やトリプタン製剤で起こることもあります。

薬物乱用頭痛の場合には、「頭痛のために薬をのむ⇒薬をのみすぎて頭痛が悪化する⇒さらに薬をのむ」という悪循環が起きています。この悪循環を断ち切るためには、頭痛薬の服用を1~2週間ほど中止する必要があります。

頭痛薬を中止してつらい場合には、予防療法を行い、症状に応じて抗うつ薬やステロイド薬などを使うこともあります。しかし、頭痛薬の過剰な使用が頭痛を引き起こすことを理解することで、あまりつらさを感じずに薬物乱用頭痛から抜け出すことのできる患者さんも少なくありません。

薬物乱用頭痛が疑われる場合には、早めに受診して医師に相談することが大切です。薬物乱用頭痛に陥らないためには、頭痛薬の使用は「1か月に10日以内」を目安にしましょう。

まとめ

このように頭痛のタイプによって使用する薬の種類を変えていきます。それぞれのタイプをしっかりと把握しておく必要があります。また、薬物乱用頭痛の人は意外と多いです。薬物乱用頭痛のことを知らないと、薬で頭痛が起こるとは夢にも思っていないので、薬を頻繁に使う人は注意しておきましょう。

そのほか、頭痛を予防できることを知っている人も意外と少ないようです。薬を使って予防ができると生活の質(QOL)が大きく向上するので、気になる人は医師に相談するといいでしょう。



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