前立腺がんについて養生灸のススメ

category : 西洋医学 2011.8.18

前立腺がんに気を付けよう

前立腺の病気として前立腺肥大症について勉強してきました。そこで今回は似た症状の出る前立腺がんについて学んでいこうと思います。

前立腺がんは、前立腺という男性特有の生殖器に起こる病気で、特に高齢の男性に多く、患者さん全体の約90%を60歳以上の人が占めています。患者数は年々増えていますが、これは社会の高齢化と食生活の欧米化が関係しているのと、検査や診断技術が発達し、がんの発見率が高くなったためでもあります。

前立腺がんの特徴

前立腺肥大症は尿道に近い「内腺」が肥大するため、尿のトラブルが起こりやすいのですが、前立腺がんの多くは尿道から離れた「外腺」にできるため、症状が出にくいという特徴があります。初期のうちは尿道を圧迫して「排尿障害」が起こることはほとんどなく、がんが大きくなると排尿障害が現れます。また、前立腺肥大症と違い、前立腺がんは骨などに転移しやすく骨盤や腰、背中に痛みがでることがあります。がんが神経を圧迫した場合は、「神経麻痺」や「歩行障害」などの症状が現れることもあります。

しかし、これらの症状は他の病気でもよくある症状なので、症状だけをあてにしていると前立腺がんを見逃してしまう恐れがあります。

また、前立腺がんには、進行がゆっくりしているという特徴もあります。がんが発生してから数十年たってから発見されることも多く、前立腺がんが直接の原因でなくなる人は比較的少ないといわれています。しかし、早い段階で発見できれば、その分治療の選択肢も広がります。早期発見のためにも50歳を過ぎたら、自治体などの検診を定期的に受けましょう。

前立腺がんの検査

前立腺がんが疑われるときは、次のような検査をします。

血液検査

がん細胞があると、前立腺だけがつくるたんぱく質の「PSA(前立腺特異抗体)」の値が上昇します。4ng/dl以上なら前立腺がんが疑われます。ただし、PSA値は前立腺肥大症などでも上昇するため、これだけでは診断できません。

直腸診

肛門から指を入れて、直腸の壁越しに前立腺を触ります。前立腺がんがあると、その部位が硬く、ゴツゴツした感触になります。

超音波検査

超音波を発生する機器を肛門から直腸に挿入して、前立腺の大きさや形から、がんが疑われる部位があるかどうかを調べます。

前立腺生検

前述の検査でがんが疑われる場合には、生検を行います。特殊な針を刺して、前立腺の組織を採取します。その組織を調べることで、がん細胞の有無や悪性度がわかります。一般にこの検査によって確定診断がつけられます。

その後の検査

前立腺がんの確定診断がつけば、次はがんの状態を調べる検査をしていきます。「MRI」や「CT」、「骨シンチグラフィー」などの画像検査を行い、がんが周辺の臓器に広がっていないか、骨やリンパ節に転移していないかなどを調べます。これらの検査結果をもとにがんの進行度を判定して、治療方針を考えていきます。

前立腺がんの進行度

病期A…前立腺肥大症の治療法などで偶然見つかったがんで、前立腺内にとどまっている。

病期B…前立腺内にとどまっており、かつ、前立腺を包む膜に広がっていない。

病期C…前立腺を包む膜や膜の外側、精嚢、膀胱の出口などのごく近いところに広がっている。

病期D…リンパ節や膀胱、直腸などに広がっている。また、骨やその他の離れた臓器に転移している。

前立腺がんの治療

前立腺がんの治療法は、がんの進行度(A~D)や合併症の有無、患者さんの年齢や希望をもとに考えながら決めていきます。

経過観察(待機療法)

前立腺がんはゆっくりと進行します。患者さんが高齢で、がんが小さく、悪性度も低い場合などは治療をしなくても天寿を全うできるケースがあります。そのため、特に治療はせず、経過観察が行われることもあります。

内分泌療法

薬を使って、前立腺がんの増殖にかかわってくる「男性ホルモン」の働きや分泌を抑えます。この内分泌療法は唯一、すべての病期で行われている治療法です。

手術療法

手術でがんを切除します。病期A~Bのがんが主な対象です。

放射線療法

放射線でがんを死滅させます。病期AとB、Cの一部のがんを対象に行います。

手術療法(前立腺全摘手術)

前立腺がんの手術療法は、前立腺と精嚢、周囲のリンパ節(所属リンパ節)を切除するもので、「前立腺全摘手術」と呼ばれています。

開腹して行う場合は、おへその下、あるいは肛門と陰嚢の間にある「会陰部」を切開して手術します。一方、腹腔鏡を使う場合は、腹部に穴を5か所開けて、そこから内視鏡や手術器具を入れて行います。

前立腺全摘手術をすると、前立腺の先端に位置する「尿道括約筋」を傷つけてしまうことがあります。また、この手術では膀胱と前立腺の下にあった尿道を直接つなぐので、尿道括約筋に負担がかかりやすくなります。そうなると、手術後に「尿失禁」や「頻尿」がしばらく続くことがあります。

また、前立腺のすぐ横にある勃起神経の近くにがんがある場合、この神経も切除します。そのため、「勃起障害」が起こることもありますが、最近はできるだけ神経を残せる手術も行われています。

放射線療法

放射線療法には次の2つの方法があります。

外照射

体の外から前立腺に放射線を当てる方法です。これは外来で受けることができます。

直腸や尿道、膀胱などに放射線が当たると、「頻尿」「軟便」「肛門出血」などの症状が現れることがあります。最近ではコンピュータを使って、前立腺と精嚢に放射線を集中させて、周辺の組織への影響を最小限に抑える工夫もされています。

組織内照射(小線源療法)

弱い放射線を発する薬剤が入ったチタン製のカプセルを前立腺に埋め込んで、体の中からがんに放射線を当てる方法です。外照射に比べて、周辺組織への影響が少ないのが特徴で、4日間程度の入院が必要です。

一度埋め込んだカプセルは永久に入れておきますが、放射線は約1年間でほぼ消えてしまいます。体外への影響はほとんどありませんが、治療後1年間は妊婦や子どもとの長期間の接触は避けます。尿道の近くにカプセルがあると、「尿道狭窄」が、勃起神経が近くにあると「勃起障害」が起こる場合がありますが、頻度は外照射よりも低いです。



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