前立腺肥大症の治療養生灸のススメ

category : 西洋医学 2011.8.17

前立腺肥大症の進み方

前立腺が肥大して、尿トラブルが起こる病気を「前立腺肥大症」といいます。しかし、前立腺が肥大していても尿トラブルがなければ、前立腺肥大症とはみなされません。また、肥大の程度と症状の強さは必ずしも一致せず、肥大が小さいのに症状が強く現れたり、逆に肥大が進んでいても症状があまりないこともあります。

そこで今回は、前立腺肥大症がどのように進んでいくのかを勉強し、治療法についても学んでいこうと思います。

前立腺肥大症の進行と症状

前立腺が肥大する原因はまだ解明されていませんが、加齢によるホルモンバランスの変化が関係していると考えられます。また、食生活の欧米化によって、高脂質、高動物性たんぱくの食事が増えたことも、肥大の一因といわれています。

前立腺肥大症の症状は、一般的に次のように進んでいきます。

第1期(刺激期)

肥大した前立腺が尿道や膀胱を圧迫して刺激し、「頻尿」や「突然尿意が起こり、トイレに間に合わない感じがする(尿意切迫感)」が起こります。特に夜中に頻尿になることが多くあります。このほかに、尿道や股間の不快感、圧迫感などを訴える人もいます。しかし、症状に気付かない人もいます。

第2期(残尿発生期)

内腺が尿道や膀胱の出口部分を圧迫します。すると、尿の通りが悪くなるため、膀胱に無理な力がかかって、膀胱の筋肉が厚くなります。そうなると、「尿が出にくい」「いきまないと排尿できない」などの症状が起こります。また、 膀胱にたまった尿を出し切れなくなり、「残尿感」も現れます。急に尿が出なくなる「急性尿閉」が起こることもあります。

第3期(慢性尿閉期)

自分でほとんど尿を出せない「慢性尿閉」になります。また、膀胱の筋肉が厚く硬く変化し、弾力が失われて、膀胱内の尿を出せなくなります。そうすると、膀胱の容量を超えた分の尿が、ダラダラと絶えず漏れ出るようになります。(これを溢流性尿失禁といいます)

さらに、腎臓から尿道に至る尿の通り道(尿路)全体に影響が及んで、「腎不全」「尿路感染症」「膀胱結石」などを招く危険性もあります。

治療方針

前立腺肥大というのは、良性の腫瘍です。がんのようにほかの臓器に転移したり、周囲の組織に広がるようなことはありません。そのため、治療の目的は「夜中にトイレに起きることなく、十分に休める」「トイレを気にせずに生活できる」など、前立腺肥大による尿トラブルを改善して、普段の生活の質を高めることにあります。

前立腺肥大症の治療法には、「薬物療法」と「手術療法」の2つがあります。症状が軽い場合には特に治療の必要はありませんが、前立腺がうっ血すると症状が悪化しやすいので、「長時間座った姿勢のままでいない」「お酒を飲み過ぎない」など、日常生活の改善が大切になります。

薬物療法

α遮断薬

最もよく使われる薬です。前立腺や尿道の筋肉の緊張を和らげて、尿の通りを改善します。この薬はもともと降圧薬として作られたので、血圧を下げる作用があります。そのため、副作用として「立ちくらみ」「めまい」「頭痛」などが起こることがあります。

抗男性ホルモン薬

前立腺の肥大には、男性ホルモンが関係していると考えられています。抗男性ホルモン薬は、男性ホルモンの作用を抑えて、前立腺を小さくし、尿の通りをよくします。

なお、効果が出るまでは数週間かかります。また、「PSA(前立腺特異抗体)」の値を下げる作用があり、前立腺がんの発見が遅れてしまう可能性があるので注意が必要です。

漢方薬

前立腺のうっ血やむくみを改善することを目的に使用することがあります。八味地黄丸など体の状態に合うものを選んで使っていきます。

手術方法

薬物療法をしても十分な効果がない時は、手術療法が検討されます。今までは開腹手術が一般的でしたが、最近は内視鏡やレーザーを使う方法が進歩し、患者さんの体への負担は大幅に軽減されるようになっています。

TURP(経尿道的前立腺切除術)

尿道から「切除鏡」という内視鏡を入れて行う手術法です。切除鏡の先端からループ状の電気メスをだし、高周波電流で前立腺を少しずつ削ります。削った組織は膀胱内に落として、最後にまとめて吸引します。手術は1時間程度で、3~5日間入院するのが一般的です。

TURPの対象は、大きさ(容量)が100ml前後までの前立腺です。それ以上になると、2回に分けたり、開腹手術を行う場合があります。

HoLEP(ホーレップ)

尿道に内視鏡を入れて、レーザー光線を照射する「レーザーファイバー」を送り込みます。レーザーファイバーを前立腺の内腺と外腺の境目に入れて剥離させ、内腺の部分をくりぬきます。切り取った前立腺はいったん膀胱内に落として、内視鏡を使って取り出します。入院期間は3~4日間程度です。この手術も100ml程度までの前立腺が対象ですが、一部の病院ではより大きな前立腺に対しても行われています。

HoLAP(ホーラップ)

HoLEPと同じように、尿道にレーザーファイバーを送り込み、尿道に面した前立腺にレーザーを当てます。このHoLAPでは前立腺を削るのではなく、前立腺の組織を蒸散させ、尿道を広げます。イメージとしてはレーザーで氷を解かすような感じです。そのため、蒸散させるのに少し時間がかかってしまうので、40~50ml程度までの前立腺が対象になります。入院期間は3~4日間程度です。

合併症

これらの手術をすると、手術方法に関係なく治療後は膀胱の出口が広くなるため、多くの場合、射精のときに精液が膀胱に逆流する「逆行性射精」が起こります。ただし、膀胱に逆流した精液は、尿とともに流れ出るので特に心配はありません。射精の感覚も残ります。

まとめ

前立腺肥大症は基本的に気になる症状がなければ治療は必要ありません。治療では薬物療法も手術療法も副作用が起こる可能性もありますので、まずはしっかり医師と話し合い、どの治療法をするのか決めることが大切です。



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