すい臓がんとは養生灸のススメ

category : 西洋医学 2011.7.28

すい臓がん

今回もすい臓についてのお話です。すい臓の病気として急性膵炎慢性膵炎があり、どちらも近年増えてきています。そして今回のテーマである「すい臓がん」も昔と比べかなり増えています。すい臓がんでの死亡者数は1955年では年間1000人ですが、50年後の2005年では22000人を超えています。すい臓がんも他のがんと同じように早期発見・早期治療が重要になりますので、しっかり勉強していきましょう。

まず、すい臓がんで問題なのが、特徴的な症状が少ないので発見しにくいという点です。すい臓は体の奥深くにあるため、これといった症状が出にくいのです。また、すい臓がんには、正常な組織に染み込むように広がっていく性質があり、正常な組織との境界線がはっきりとしないので、がんが見つかった時にはすでに進行していることも多いです。

がんができやすい位置は、すい臓がつくる消化液の「膵液」が流れる「膵管」で、すい臓がん全体の約7割を占めています。また、その多くが「膵頭部」に発生します。

症状

・すい臓がんでよくみられる症状

すい臓がんの患者さんでは、「胃や腰、背中のあたりが重苦しい」「腹部に軽い鈍痛がある」といった症状が現れることがあります。また、「食欲がない」「体重が落ちる」といった症状も、比較的よくみられます。

すい臓がんの場合は、これらの症状が長い期間続きやすいのですが、症状自体は他の病気でもよく起こるものなので気づきにくいといえます。

・すい臓がんに特徴的な症状

数少ない特徴的な症状には、皮膚や白目の部分が黄色くなる「黄疸」と「糖尿病」があります。

黄疸はがんがすい臓のどこにできるかが関係しています。すい臓がんの約2/3は十二指腸に近い膵頭部にできますが、膵頭部には胆汁の通り道である「総胆管」が通っています。膵頭部にがんができると、総胆管が圧迫されて胆汁の流れが妨げられるため、胆汁に含まれる黄色い色素が体内で増えて、黄疸が出やすくなるのです。一方、総胆管から離れている「膵体部」や「膵尾部」にがんができた場合には黄疸は現れません。

また、すい臓は血糖値を下げるホルモンである「インスリン」を分泌しているので、がんが発生すると、その分泌に影響が出てきます。影響とは、血糖のコントロールが急に悪くなったり、糖尿病を発症したり、糖尿病が悪化したりします。実際、糖尿病の発症がきっかけで、すい臓がんが見つかることもあります。

すい臓がんが、2㎝以下で見つけることができれば、それより大きい場合に比べて治療成績が上がります。なるべく早くに検査を受け、がんを見つけることが大切です。

検査法

血液検査

「アミラーゼ」や「リパーゼ」といった膵液に含まれる消化酵素を調べます。膵管の異常や膵炎があると、血液中の値が高くなります。また、すい臓がんができると上昇する「腫瘍マーカー」や、血糖値も測ります。

画像検査

慢性膵炎の検査でも使用する、「腹部超音波検査」ですい臓の形や膵管の太さを診ます。血液検査や腹部超音波検査で異常があったら、次に「腹部CT検査」や「MRI検査」で腹部の断面を撮影して調べます。

より詳しい検査が必要な場合は、「ERCP(内視鏡的逆行性胆管膵管造影)」をしていきます。疑わしい場所があれば、その部分の細胞をとって、顕微鏡でがん細胞がないか調べます。

検査を受けよう

黄疸が出たり、胃、腰、背中の重苦しさなどの症状が長引くときは、念のために検査を受けてみましょう。また、すい臓がんの危険因子である「喫煙」「糖尿病」「慢性膵炎」「家族にすい臓がんになった人がいる」人は気を付けましょう。

すい臓がんの治療

すい臓がんの治療の基本は「手術療法」です。手術療法が困難な場合には「化学療法」や「放射線療法」を行っていきます。

手術療法

根治を目指した治療法で、対象になるのはがんがすい臓にとどまっているときです。がんが膵頭部に発生した場合は、膵頭部と一緒に十二指腸、総胆管、胆のうを切除します。場合によっては、胃の一部をとることもあります。膵尾部にがんができたときには、「脾臓」も一緒にとります。

手術ですい臓をとると、手術後はすい臓から出ていたホルモンがなくなってしまうので「糖尿病」が起こることがあります。

化学療法

がんが転移していたり、大きな血管にも広がっているときには手術は難しいので、化学療法が行われます。また、手術の後の再発予防や、痛みを抑えるために行うこともあります。抗がん剤には「ゲムシタビン」と「TS-1」があります。(TS-1は胃がんでも使用します)

ゲムシタビンは点滴で、週1回の点滴を3週間続け、そのあと1週間休むのを1クールとして繰り返し行います。TS-1は経口薬で、4週間毎日服用し、その後2週間休みます。

ただし、患者さんによって効果や副作用の出方が違うので、様子をみながら調整して使っていきます。抗がん剤はできるだけ長く継続するのが重要なので、一人ひとりに合った使い方を考えて治療していきます。

放射線療法

がんに放射線を照射して破壊することを目指します。体外から放射線を照射する「外照射」のほかに、手術中に、おなかの中だけに放射線を当てる「術中照射」をすることがあります。放射線療法は原則として、他の内臓に転移していない場合にのみ行われます。その他、抗がん剤と組み合わせた「放射線化学療法」を行うこともあります。

まとめ

すい臓がんは発見しにくい病気ですが、早く見つけるほど治る可能性が上がります。特に危険因子を複数持っている人などは、気になる症状があれば積極的に検査を受けましょう。また、危険因子を持っていない人も定期的に検査を受けることが大切です。



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