脊柱靭帯骨化症とは養生灸のススメ

category : 西洋医学 2011.7.18

脊柱靭帯骨化症

今回は首の痛みとともにしびれが出る病気の1つ、「脊柱靭帯骨化症」について勉強していこうと思います。脊柱靭帯骨化症も放っておくと危険な病気ですので、早めに気づいて対処するようにしましょう。

脊柱靭帯骨化症は字のごとく、脊柱にある靭帯が骨になる病気です。脊柱を構成する「椎骨」は靭帯によってつながっています。この靭帯には、椎体ののど側の「前縦(ぜんじゅう)靭帯」、背中側の「後縦(こうじゅう)靭帯」、「椎弓」と椎弓を結ぶ「黄色(おうしょく)靭帯」の3種類があります。この3つの靭帯が骨や関節がバラバラに動かにようにつないでいます。

靭帯は本来1~2mmぐらいの薄い組織です。それが厚くなり、骨になってしまう病気を総称して、「脊柱靭帯骨化症」といいます。

後縦靭帯と黄色靭帯は、脊髄の前と後ろにあります。そのため、靭帯が骨化して厚くなると脊髄を圧迫して、さまざまな「脊髄症状」を引き起こします。特に多いのが、後縦靭帯に起きる「後縦靭帯骨化症」です。なお、前縦靭帯は椎骨の前側にあり、脊髄とは離れているので、骨化しても脊髄症状が現れることはありません。

原因がわからない

頚椎後縦靭帯骨化症は、日本人によくみられます。男性に多く、40歳代後半以降に脊髄症状がでることが多いようです。

現在、靭帯の骨化がなぜ起こるのかはわかっていません。遺伝的な要因も関係しているといわれています。また、患者さんの6~7割に、血糖値が高くなる「耐糖能異常」がみられるため、糖尿病との関係も考えられます。日本人には生まれつき「脊柱管」の狭い人が多いことも発症する人が多い要因の1つではないかと指摘されています。

症状

主な症状と進行のしかた

靭帯が骨化するといっても、ある日当然骨にかわるわけではありません。骨化は少しずつ進んでいきます。そのため、骨化が起こっても初期には特に症状が出てきません。骨化した靭帯が厚くなって、脊髄が圧迫されると脊髄症状が現れます。

まず、最初は「首の痛み、手足のしびれ」などが起こります。脊髄がさらに圧迫されていくと、「手足の動きがぎこちない、歩きにくい」という症状が現れ、さらに進行すると排尿障害や便秘なども起こります。

脊髄症状のほかに「深呼吸しにくい」という症状も現れます。通常、息を吸ったときと吐いたときの胸囲の差は2~3㎝あるのですが、胸椎と肋骨をつないでいる靭帯の骨化が進むと1㎝以下になってしまいます。

突然重い症状がでることも

頚椎後縦靭帯骨化症は、骨化があっても症状がない人や、軽い人もいます。しかし、症状がなくとも靭帯の骨化が進んでいる場合には、転倒や外傷などが引き金になって、突然しびれや麻痺などが起こることがあります。このように、突然脊髄症状を発症するケースは珍しくなく、患者さんの約2割に起こるといわれています。

また、頚椎後縦靭帯骨化症がある人は、脊椎以外の靭帯も骨化することが少なくありません。特に肩や股関節の靭帯に起こることが多く、体の柔軟性がなくなって、関節の動きが悪くなります。すると、「あぐらをかけない、お尻に手が届かない」などの症状が現れて、痛みも伴うようになります。これらの症状を軽減するには、ストレッチングや適度な運動が役立ちます。

治療法

保存療法

症状が軽い場合は保存療法をしていきます。保存療法では、頚椎の安静をはかるために「頚椎カラー」の装着や、消炎鎮痛薬や筋弛緩薬を使う「薬物療法」が行われます。また、症状が強い時にはステロイド薬を内服することもあります。

手術

保存療法をしても効果が出ない場合や、すでに脊髄症状がある場合には、早めに手術が検討されます。手術の方法は、「背中側から行うもの」と「のど側から行うもの」があります。骨化した靭帯の場所や形、並び方など、患者さんの状態によって手術法を選びます。

・背中側から行われる手術

最もよく行われるのが「椎弓形成術」です。狭くなった脊柱管を広げ、脊髄への圧迫を取り除きます。

・のど側から行われる手術

骨化の範囲が狭い場合や、骨化した靭帯が飛び出して椎弓形成術では脊髄の圧迫が取り除けない場合は、のど側から手術が行われます。「浮上術」と「骨化摘出術」が代表的な方法です。骨化摘出術は、脊髄を包む膜や脊髄を傷つけることがあるため、多くは浮上術が選択されます。

日常生活の注意

一度骨化してしまった靭帯は、残念ですが元に戻ることはありません。靭帯が骨化しても症状がないなら治療は必要ありません。しかし、ちょっとしたことがきっかけで突然発症することもあるので、日常生活では首を激しく動かさないように注意が必要です。特に、転倒や頭の打撲など、首に衝撃が加わるようなけがは危険ですので注意しましょう。

また、「カルシウムをとりすぎると病気が悪くなる」と思っている人もいますが、靭帯の骨化とカルシウムを摂取するのは関係ありません。カルシウムの摂取を控えて、骨粗しょう症などにならないようにしましょう。

そのほか、体が硬くならないようにストレッチングをするのも効果的です。

制度面では、頚椎後縦靭帯骨化症は「特定疾患」に認定されています。治療する際には医療費助成制度が適用されます。治療費の自己負担額の一部を公費負担してくれますのが、自治体によって違いがあるので一度問い合わせをしてみましょう。



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