胃がんと抗がん剤養生灸のススメ

category : 西洋医学 2011.7.8

胃がんに対して効き目の上がった抗がん剤

抗がん剤とは、がん細胞に直接作用する薬を使った治療法です。がん細胞の増殖を抑えるなどして、がんの進行を防ぎます。この抗がん剤を使った治療を化学療法といいます。

以前は胃がんに大きな効果のある抗がん剤はないとされてきました。しかし、最近は胃がんによく効く抗がん剤が登場し、それによって抗がん剤を使った新しい治療法が進んでいます。このように、胃がんにおける「化学療法」は大きく進歩しています。

抗がん剤の目的

化学療法の目的は主に2つあります。1つは手術ができないほど進んだ胃がんや再発した胃がんの症状を和らげたり、延命を図ることです。もう1つは手術の前後に使うことによって、手術の効果を高めたり再発を予防することです。

このように抗がん剤は胃がんを完全に治せるというわけではありません。化学療法の効果はがんが治るかどうかではなく、がんが小さくなるかどうかで判断します。「がんの大きさが治療前の半分以下になり、その状態が1か月以上続いた」場合、抗がん剤は効果があったと判定します。これを「奏効」といいます。

抗がん剤は副作用を診ながら、投与と休薬を繰り返して使い続けることが基本になります。化学療法には体力が必要ですので、重い副作用が出た場合は薬の使用を一度やめて、体力が回復するのを待ちます。

抗がん剤の治療

最近よくつかわれる抗がん剤で「TS-1」というものが胃がんに対して高い効果を上げています。従来の抗がん剤では奏効率が20%以下だったのに比べ、TS-1は約50%と2倍以上にもなっています。

そのほか、従来の抗がん剤は注射や点滴で投与していたので入院しなければいけませんでした。しかし、TS-1はカプセル状の飲み薬なので、日常生活を送りながら治療を受けることができます。しかし、従来の抗がん剤ほどではないですが、副作用も存在します。

TS-1の副作用

  • 吐き気
  • 食欲不振
  • だるさ
  • 口内炎
  • 下痢
  • 皮膚や爪が黒くなる
  • 味やにおいがわからなくなる
  • 白血球数の低下
  • 貧血など

抗がん剤を組み合わせる併用療法

TS-1は、単独で使っても効果が高いですが、他の抗がん剤を組み合わせることによってさらに治療成績を上げる「併用療法」があります。

併用療法で使う抗がん剤はTS-1と副作用が重ならないものを使います。「シスプラチン、イリノテカン、ドセタキセル、パクリタキセル」などがあり、これらのうち1種類を選んで併用します。よく使われるのはシスプラチンで、これは点滴で投与するため3日間入院します。

併用療法は、TS-1単独では効かない人にも効果がみられます。シスプラチンを併用すると奏効率が76%に上がったというデータもあります。

抗がん剤の使い方

以前は毎日抗がん剤を使用して、体力の低下や副作用のために治療を中止しなければならないこともありました。しかし、TS-1では「4週間服用後、2週間休薬する」のを1年間繰り返して使います。この「休薬期間」によって体力を回復させることができ、治療を長期間続けやすくなっています。

また、抗がん剤の副作用である「吐き気」や「白血球数の低下」を抑える薬も開発されています。これにより副作用が軽減できて、抗がん剤の量を増やすことができ、治療の効果を高めることも可能になりました。

胃がんの補助化学療法

再発の危険性があったり、手術だけでは治りにくい進行がんに対して、手術の前後に抗がん剤を使う「補助化学療法」が増えてきています。

手術後に使う場合

手術でがんをすべて切除しても、肉眼では見えないがんが体の中に残っていることがあります。このような再発の危険性のある進行がんに対して、再発予防のために補助化学療法を行います。この場合はTS-1を単独で使います。再発は手術後1年~1年半後までに起こりやすいので、抗がん剤は1年間を目安に使います。手術後3年たった時点での生存率が、服用しない人が70%に対し、服用することで80%まで上がることがわかっています。

手術前に行う場合

手術前の補助化学療法は、がんが非常に大きい場合、遠いリンパ節に転移があったり近くのリンパ節に多く転移している場合、手術をしても再発する危険性が非常に高い場合に行われます。抗がん剤を使うことによって、転移の範囲を減らしたり、がんを小さくして手術の効果を高めたりします。

手術前の補助化学療法では、TS-1とほかの抗がん剤を併用して使います。よくあるのは、TS-1を3週間服用して、服用開始から8日目だけシスプラチンの点滴を1回します。その後2週間ほど期間を開けてから手術をします。この方法で55%の患者さんが、手術前に胃がんを小さくすることができます。

補助化学療法は、手術前と手術後に合わせて行うことで、さらに効果を高めることが期待でき、今後さらに増えていくと思います。

そのほかにも、大腸がんで効果が認められている抗体を使った薬や、「分子標的薬」など、新しい抗がん剤も次々と出てきています。



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