死亡者数の多いCOPD(慢性閉塞性肺疾患)養生灸のススメ

category : 病気 2012.1.22

死亡率の上がるCOPD

皆さんは「COPD」という病名を聞いたことがあるでしょうか。これは「慢性閉塞性肺疾患」という病気の英語での頭文字をとったものです。難しい病気のように感じますが、最近はCOPDの患者さんは増えており、死亡率も高いという恐ろしい病気なのです。そこで、今回はCOPDについて勉強していこうと思います。

「COPD(慢性閉塞性肺疾患)」は、呼吸の際の空気の通り道である「気管支」や、肺の中の細い気管支の先端にある「肺胞」に炎症が起こって、肺の中の空気の流れが悪くなり、慢性的に息切れが起こる病気です。つまり、息をしても酸素を取り込みにくくなる病気です。これまで肺気腫や慢性気管支炎と呼ばれていた病気がCOPDに含まれます。

COPDの患者数は世界的に増え続けていて、2020年には世界の死亡原因の3位になると予測されています。

日本では、2001年の全国調査で患者数は530万人以上いると報告されており、現在は700万人を超えているともいわれています。患者さんの約8.5%が40歳以上で、ピークは65~75歳となっています。

●COPDの危険因子

COPDの主な原因は喫煙です。気管支や肺胞の炎症は、主に呼吸するときに有害な物質を吸い込むことで起こります。

喫煙者のうち、COPDを発症する人の割合は15~20%といわれていますが、患者さんの95%以上は「喫煙歴のある人」です。また、喫煙していない人でも、受動喫煙による影響を受けると考えられています。

COPDは全身の病気

これまでCOPDは「肺の病気」とされていましたが、最近では、ほかの症状や病気と併存することが多いため、「全身の病気」といわれるようになっています。次のような症状や病気と併存するケースがみられます。

・全身の筋肉が萎縮する

体を動かすと息切れするため、運動不足になりやすく、筋肉が萎縮する傾向がある。

・動脈硬化

日本では、脳梗塞や脳出血など、脳の動脈硬化が主な原因となる病気との併存が多く、欧米では心筋梗塞や狭心症など、心臓の動脈硬化が主な原因となる病気との併存が多くみられます。最近は、日本でも心筋梗塞や狭心症との併存が増加して生きています。

・肺がん

COPDが中等度以上になると、2割の人に肺がんが併存するといわれています。ただし、初期でも肺がんが併存することがあります。

・骨粗しょう症

骨粗しょう症は高齢の女性に多い病気ですが、COPDがあると早い時期に骨粗しょう症になったり、進行が早まったりすることがあります。

・うつ

患者さんの半数近くにうつ状態がみられます。COPDでは、常に息切れがあり、咳と痰がでることなどから、家に閉じこもりがちとなり、気持ちが落ち込みやすくなりやすいと考えられます。

・肺性心

COPDで肺の機能が低下すると、肺動脈の血圧が高くなり、心臓の右心室に肥大や拡張が起こることがあります。この状態が肺性心です。進行すると心不全を起こす危険性があります。

・胃潰瘍

胃潰瘍が併存することもあります。

COPDの検査と診断

●咳、痰、息切れをチェックしよう

  • 1.1日に何度も咳が出る
  • 2.1日に何度も痰が出る
  • 3.40歳以上である
  • 4.喫煙歴がある
  • 5.同年代の人に比べて息切れしやすい

COPDが疑われるのは、上のチェック項目のうち3項目以上が当てはまる場合です。

痰を伴わない空咳の場合は、COPD以外の病気が疑われます。しかし、痰の色が白っぽく、朝起きたときしか痰が出ないような場合でも、咳と痰が毎日出るのは初期のCOPDである可能性があります。さらに進行すると、同じ世代の人と並んで歩いたときや、階段を一緒に上り下りしたときに息切れがして、1人だけ遅れるようなことが起こります。

●受診の目安

チェック項目で3項目以上が当てはまる場合や、それに加えて、「長年空気の汚れたところに住んでいた」「粉じんの舞う場所でマスクをしないで働いていたことがある」などの条件が重なる人は、早めに呼吸器科や呼吸器内科などを受診するようにしましょう。

●検査と診断

COPDは次のような検査によって診断されます。

・肺機能検査

「スパイロメーター」という機器を使って、肺活量と最初の1秒間には吐き出せる空気の量(1秒量)を測定し、1秒量を肺活量で割った「1秒率」で診断します。1秒率が70%未満の場合、COPDが疑われます。

・酸素飽和度検査

安静時に動脈血中に酸素がどの程度含まれているかを、「パルスオキシメーター」という機器で測定します。酸素飽和度が90%以下の場合は、ガス交換がうまく行われないことが推測されます。

・6分間平地歩行テスト

安静時ではなく、日常の動作のなかで動脈血中の酸素が足りているかどうか、パルスオキシメーターを付けて6分間に歩ける距離をチェックします。

COPDの患者さんは全国に700万人以上いるといわれていますが、実際に治療を受けているのは20数万人にすぎません。早めに検査を受けて、ほかの病気がないかどうかも調べることが大切です。

まとめ

咳や痰は日常生活のなかでもよく遭遇する症状です。特に咳は外来患者さんの最も多い症状ともいわれています。しかし、だからといってすべてが風邪のように寝ていれば治るような病気ではありません。COPDは今後確実に死亡者数が増えるといわれています。きちんと検査を受けて、適切な治療を受けることが重要になってきます。

また、咳や痰は「年を取ったから出る症状」ではありません。よく、「年のせいだ」などといって放置する人もいるのですが、咳や痰は体に異常が起こっているサインですので、見逃さないように気を付けましょう。



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