高齢者のうつ病について養生灸のススメ

category : 病気 2011.12.21

見逃されがちなうつ病

高齢者にはうつ病の人がほかの世代と比べて多いといわれています。また、問題になるのがうつ病であると気づきにくいというところにあります。うつ病の症状を「年のせい」と考えてしまい、見逃していることが多いのです。見逃しを防ぐためには、うつ病のサインに早く気が付いて、治療を開始することが大切です。そこで今回は高齢者のうつ病について勉強していこうと思います。

日本では高齢者の約8人に1人が、治療が必要な程度のうつ病であるといわれています。また、高齢者のうつ病で注意が必要なのは、自殺の危険性が高いという点もあります。

高齢者にうつ病が多い原因としてあげられるのは、配偶者や友人など身近な人の死に直面する機会が増えることです。身近な人との死別がショックとなって心の張りが失われたり、孤独な生活となることで、うつ病を発症することは少なくありません。

また年をとると、一般的に不調を訴えることが多くなります。高血圧や糖尿病、心臓病などの病気や、膝や腰の痛みなど、慢性的な病気を抱える人も急増します。こうした身体機能の衰えに対する不安も、うつ病を招きやすいといえます。

さらに、高齢者の場合、すでに仕事を辞めている人が多く、若いころに比べると、収入も減ってきます。こういった経済面での先行きの不安も、うつ病の発症につながることがあります。

高齢者のうつ病は、老化現象として放置されることが多いのが現状です。うつ病のサインを見逃さず、早い段階で適切に対処することが大切です。

高齢者のうつ病のサイン

高齢者のうつ病では、「元気がなくなる」「家に閉じこもりがちになる」などの精神症状がよくみられます。「不眠」や「食欲低下」などの身体症状も現れ、それが毎日のように続きます。また、体の不調を過剰に心配するようになり、「痛み」などを強く訴える人も少なくありません。

なお、年を取っていると発症しやすい「白内障」のような病気をきっかけにうつ病が発症したり、その病気を心配するあまり、うつ病が悪化してしまうこともあるので注意が必要です。

●認知症との違い

高齢者のうつ病は「アルツハイマー型認知症」と間違われることがあります。両者に「もの忘れ」など共通の症状がみられるからです。

うつ病では、比較的急にもの忘れが現れますが、認知症では半年から1~2年の長い期間をかけてだんだんともの忘れの症状がはっきりしてきます。また、うつ病ではもの忘れや憂うつ感などの症状を本人が強く訴えますが、認知症では症状を軽めに言ったり否定したりすることがあります。

似ている症状があっても、うつ病とアルツハイマー型認知症の治療法は根本的に異なります。また、2つの病気を合併することもあるため、精神科などで適切な診断を受けることが必要になります。

(参照)

高齢者のうつ病の対処法

高齢者のうつ病で重要なのは、本人も周囲の人も、うつ病の症状を年のせいと決めつけないことです。例えば、友人が他界して元気がなかったり、「眠れない」と訴える高齢者に対して、周囲の人は「年を取れば元気がなくなったり、睡眠時間が短くなるのは当然」と決めつけずに、うつ病の可能性も考えて受診を勧めることが大切です。

高齢者のうつ病も、治療の基本は「抗うつ薬」による薬物療法で、副作用の少ない「SSRI」や「SNRI」が用いられます。ただし、高齢者の場合、肝臓や腎臓の機能が低下して薬の副作用が起こりやすいので、若い世代の患者さんよりも薬の量を少なめにして処方されます。

また、治療では休養が大切ですが、その際には体のさまざまな症状や、生活上困っている問題などに対して、家族をはじめとする周囲の人たちがきめ細かい対応で支えていくことも必要です。

うつ病の症状がよくなってきたら、高齢者自身が生きがいを見つけることも大切になります。

最近ではうつ病に対する正しい知識を広め自殺を予防するため、「高齢者のふれあいの場」を提供する自治体もあり、少しずつ成果を上げてきています。今後、高齢者人口がさらに増えていく中で、高齢者のうつ病や自殺を防ぐためには、国を挙げた対策が必要になると思います。

まとめ

多くのうつ病は、発症しても本人は気が付いていないケースというのがかなりあります。特に高齢者の場合、普段から家の外に出かける機会が少なかったりと社会的な接点が少ないことが多いので、周りの人も気づきにくい面があります。なるべく社会的なつながりを増やすようにしておくことが大切です。

また、最近は訪問介護やデイサービスなどを利用する人も増えており、これは非常にいいと思います。核家族が増え、孤独な生活を送っている人も多いので、これらを積極的に活用していくとよいでしょう。



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